目次 [表示]
- ゴシック建築とは?
- ゴシック建築はロマネスク建築の発展様式
- ゴシック建築の名前の由来はゲルマン人「ゴート族」
- ゴシック建築の特徴
- ゴシック建築が目指したもの
- ゴシック建築が建てられた時代背景
- ゴシック建築の対象になった建物
- ロマネスク建築からの構造の変化
- ロマネスク建築からの技術の変化
- ゴシック建築の各地への広まり方
- ゴシック建築の歴史
- 初期ゴシック建築
- 盛期ゴシック建築
- 後期ゴシック建築
- ゴシック・リヴァイヴァル建築
- ゴシック建築の代表的な建物
- ノートルダム大聖堂
- シャルトル大聖堂
- ケルン大聖堂
- ウェストミンスター宮殿
- ゴシック建築の有名な建築家は?
- 中世のゴシック様式の建築家
- 近世のゴシック・リヴァイヴァル建築様式の建築家
- ゴシック建築の特徴を知って旅行をもっと楽しもう!
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、一部店舗・施設で営業時間の変更・休業などが行われている場合があります。最新情報は公式サイト・SNSなどをご確認ください。
ゴシック建築の歴史
初期ゴシック建築
初期ゴシック建築は、ゴシック様式の最初の建物と言われるサン・ドニ大聖堂をはじめとして、フランスの北部のパリ周辺で始まります。都市間で競って建てられ、パリやラン、ノワイヨンなどのノートルダム大聖堂ができ、後世のモデルになりました。
パリ周辺からシャンパーニュに広がり、ブルゴーニュやイギリスには12世紀後半、ノルマンディには13世紀に伝わります。
盛期ゴシック建築
盛期ゴシック建築は、フランスでは軽やかさと高さを、イギリスでは装飾をメインに発展します。フランスでは、13世紀前半に再建されたシャルトル大聖堂や、ランス大聖堂・アミアン大聖堂などです。イギリスでは、フランスとは対照的に、ロマネスクのどっしりした雰囲気を残したスタイルがはやりました。
後期ゴシック建築
後期ゴシック建築は地域差の大きい様式であり、2大国フランス・イギリスでは百年戦争や黒死病などで社会が混乱・停滞し、スケールを抑えたスタイルに変わりました。装飾が発展した時期であり、炎模様の窓枠や、イギリスでの森を模した緻密なリブ・ヴォールトや、垂直デザインの強調などがあります。
ゴシック・リヴァイヴァル建築
ゴシック・リヴァイヴァル建築は、近代になって、信仰心のみからもの作りをしていた中世の純粋な精神を復活させようとつくられた建物です。ゲルマン民族のイギリス・フランスを中心に、ローマ風建築を極めた新古典主義や、当時進みつつあった個人主義・功利主義への反発から生まれました。
中世とは異なり、教会建築にしぼらずに工場経営者の別荘や、大学・住宅などにも使われた様式です。
ゴシック建築の代表的な建物
ノートルダム大聖堂
ゴシック建築の代表的な建物の1つ目は、初期ゴシックの代表例であるフランスのパリにあるノートルダム大聖堂です。12世紀後半~14世紀半ばにかけてつくられ、フランスのカトリック教会の中心をになっています。
聖母マリア(ノートルダム)信仰の聖堂のなかでも一番有名で、尖塔が小さく、装飾にはパターンがあるなど、均整がとれた柔らかな印象が強い聖堂です。
シャルトル大聖堂
ゴシック建築の代表的な建物の2つ目は、フランスのシャルトルにあるノートルダム大聖堂(通称シャルトル大聖堂)です。ロマネスク建築でしたが、火事をうけ12~13世紀にゴシック様式で再建したので、尖塔・西側正面・地下礼拝堂などには初期ゴシックの特徴が見られます。
美しさが有名で、とくにステンドグラスに使われている青色が、再現の難しい絶妙な色合いだと評判です。
住所 | 16 Cloître Notre-Dame 28000 CHARTRES |
---|---|
公式サイトURL | http://www.cathedrale-chartres.org/ |
営業時間 | 8時30~19時30分 |
ケルン大聖堂
ゴシック建築の代表的な建物の3つ目は、ドイツのケルンにあるザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂(通称ケルン大聖堂)です。古い様式で建てられた聖堂が焼失したことで14世紀にゴシック様式で再建をすすめますが、宗教改革や黒死病の流行で財政難になり中止されます。
19世紀に再注目されて再開・完成し、世界最大規模のゴシック建築として後期ゴシックの代表になりました。
住所 | Domkloster 4, 50667 Köln |
---|---|
公式サイトURL | https://www.koelner-dom.de/homepage |
営業時間 | 月曜~土曜 6:00~19:30 (5~10月は6:00~21:00) 日曜、祝日 13:00~16:30 |
ウェストミンスター宮殿
ゴシック建築の代表的な建物4つ目は、イギリスのロンドンにある国会議事堂のウェストミンスター宮殿です。11世紀に建てられたのち、19世紀に焼失したため世界大戦をはさんで修復されました。ゴシック・リヴァイヴァル様式で修復されましたが、内部のウェストミンスター・ホールには中世のゴシック様式も残っています。
住所 | 〒SW1A 0AA Westminster, London, UK. |
---|---|
公式サイトURL | https://www.parliament.uk/visiting/?_ga=2.67267289.95292260.1603809332-57182492.1603809332 |
営業時間 | 9:30~15:45(土曜は13:45まで) ※最新の情報を確認 |
ゴシック建築の有名な建築家は?
中世のゴシック様式の建築家
中世のゴシック建築の有名な建築家はおらず、当時はまだ「建築家」という専門職がなかったため、無名の石工や大工が設計~建築までを担当していました。設計専門の建築家が増えてくるのは、紙と鉛筆が普及し「設計図を紙にかき出す」作業が一般化した16世紀のルネサンス建築のころです。
近世のゴシック・リヴァイヴァル建築様式の建築家
近世のゴシック・リヴァイヴァル様式の有名な建築家は、イギリスのオーガスタ・ピュージンと、フランスのヴィオレ・ル・デュクです。ピュージンは、「キリスト教国家なら、自民族が純粋な崇拝の気持ちからつくり出したゴシック様式をこそ建てるべき」と主張しました。
デュクは、フランスで起きた歴史建築の修復ブームのなかで、「ゴシック建築は合理的な構造を持つ」と強調します。
ゴシック建築の特徴を知って旅行をもっと楽しもう!

ゴシック建築の特徴や、歴史・代表的な建物がわかった!
ゴシック建築の最大の特徴は、天国をおもわせるような、軽やかに上にのびる造りと光のあふれる空間です。新しく力をつけ始めていた都市をまとめるため、ほかの都市に埋もれずに生き抜くために、都市のランドマークとして立派な聖堂がつくられました。
ヨーロッパ旅行に行くときは、現在もランドマークとして姿を残す大聖堂を見て、歴史を想像してみてください。
出典:写真AC