狐の妖怪の格付による種類
狐の妖怪には、神格の違いなどから格付けがされています。高いものから天狐、空狐、気狐、野狐という種類わけです。天狐は最早神様レベルの扱いをされていますが、野狐は悪事を企む低級の狐であったりなど、種類による扱いは異なります。
格付の由来や位置付けは江戸時代の儒学者である皆川淇園の「有斐斎箚記」に記されています。
天狐
天狐とは、狐の間では最上位とされる名称で、霊力を得た狐のことです。中国の「玄中記」や「五雑組」によれば、1000年の間、美人に化け人間の精気を吸い取った結果天を通じて人を化かすことはなくなる天狐となるとされています。千里先のことを見通すと言われ、天狐はほとんど神様のような存在です。
仙狐
仙狐とは、狐が修行を積んで神通力を使えるようになった狐です。狐は仙狐になるために洞窟で勉強をしたり、老狐から仙術を学んだりします。仙狐になるためには試験があり、試験に合格できなければ野狐になってしまうため狐は一生懸命勉学に励むのです。
空狐
空狐とは、狐の中でも仙狐の下であり気狐の2倍の神通力を使用できる狐のことです。空狐も1000年の歳をかせねており、3000年が過ぎると稲荷空狐と名前が変わります。空狐はすでに肉体から魂が解き放たれて神様に近い精霊のような状態です。基本的に空狐の格付けまでになった狐は人に悪さはしないとされます。
気狐
気狐とは、天狐に至る前のまだ修行中の狐のことです。一般的な狐が仙術を学んでいる段階であり、尾の数が変化していきます。ほとんどが白狐であり、稲荷神社での神の使いは気狐です。天狐や空狐までとはいかないまでも、気狐の時点でそれなりに高位の存在であり肉体はありません。
野狐
野狐とは、何かに化けて人を欺いたり、幻を見せて化かしたりする狐の総称とされます。基本的には人に悪意を持って関わろうとする狐は野狐です。妖狐の中では階級として最も低く、何ら神格を持たない普通の狐として扱われます。読み方は「ヤコ」ですが、より広く使われるのは「キツネ」です。
実は狐の妖怪はたくさん存在している
狐は古くから日本人にとって信仰の対象でした。農耕民族である日本人にとって、稲を食べようとするネズミの天敵である狐は大切にされる存在です。同時に仏教では狐は化かしたり騙したりする存在であったため、日本文化では狐は良くも悪くもあらゆるイメージを形成していきました。
害獣扱いされることもある狐ですが、あんまり無下にすると取り憑かれるのでご注意ください。
狐の妖怪ってこんなにいっぱいいたんだ!