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稚内空港とは
日本最北の空港
稚内空港は、北海道最北の都市・稚内市にある日本最北の空港です。夏の観光シーズンには稚内や宗谷地方だけでなく、利尻島や礼文島への観光の玄関口として多くの観光客が利用します。着陸する直前には宗谷丘陵の大自然を目の当たりにでき、夏に飛行機を降りると北の大地の冷涼感が旅人を歓迎。空港から始まる旅行に期待が高まります。
稚内空港の位置は?
稚内空港があるのは、稚内市街地から10キロほど東へ行った声問集落の近くです。空港から海岸線を東へ向かうと集落は少なくなり、やがて日本最北端の宗谷岬に到達します。空港の近くには大沼があり、ハクチョウなどの渡り鳥が越冬地やシベリアへの中継地点として、秋や春にやって来ることで有名です。
国内線定期便はANAが就航
稚内空港に国内線定期便として乗り入れている航空会社は全日空(ANA)で、チェックインカウンターはANAのみとなっています。就航路線は東京-稚内便と新千歳-稚内便の2路線で、早朝や深夜の時間帯はダイヤが設定されていません。
FDAは国内線チャーター便を就航
国内線のチャーター便では、夏にフジドリームエアライン(FDA)が就航しており、全国各地の空港と北海道最北の地とを結ぶ路線となっています。
国際線の就航は?
稚内空港への国際線の就航はありません。海外からの旅行者は、新千歳空港もしくは羽田空港(成田空港)まで国際線で訪れ、乗り継ぐ形で稚内空港へ向かうことになります。今の稚内空港には国際線の設備がありませんが、海外からの旅行者が増えている中で将来的には国際線の受け入れを進めていくようです。
稚内空港の就航路線
国内線①東京(羽田)便
東京(羽田)と稚内を結ぶ路線は、稚内行きも東京行きも夏ダイヤが2便、冬ダイヤが1便となっています。東京からの所要時間は約2時間。飛行機はジェット機で運航しています。東京-新千歳が約1時間40分なので、それほど遠いという印象はありません。大阪(関西空港)などからは国内線を乗り継ぐことになります。
国内線②北海道内(新千歳)便
北海道内から稚内へ向かう路線は新千歳空港からの便だけで、通年で稚内行きも新千歳行きも2便運航しています。新千歳からの所要時間は約1時間。飛行機はプロペラ機です。東京へ乗り入れていない名古屋(中部国際空港)からの国内線乗り継ぎは、新千歳空港を経由することになります。なお、稚内と利尻島を結ぶ路線は設定されていません。
航空機の予約方法
東京から稚内空港への航空券は就航会社のANAの公式ホームページから予約・購入できます。搭乗予定が早めにお決まりでしたら、スーパーバリューなどの事前購入割引を利用すると通常料金より格安での予約・購入が可能です。とくに夏のハイシーズンは利用者が増えるため、早めの予約・購入がおすすめ。このほか、格安航空券予約サイトで探してみる方法もあります。
欠航・遅延にご注意
稚内空港は日本最北端という場所柄もあって、冬は吹雪く日も多く、降雪のため欠航することも珍しくありません。東京から稚内に向かっても飛行機が引き返したり、旭川など他の空港に着陸したりするケースも考えられますので注意が必要です。冬に比べると、夏の欠航は少なくなりますが、海に近いため濃霧が発生することがしばしばあり、この影響で飛行機が着陸できなくなる場合があります。
稚内空港のアクセス
空港連絡バス
宗谷バスが、稚内市街地のフェリーターミナルからの空港連絡バスを運行しており、出発便の50分前に空港に到着します。また、市街地へのバスは飛行機到着から5~10分後の発車です。バスは南稚内駅、稚内駅前ターミナルを経由するので、市街地の主なホテルへの足にもなります。運行ダイヤは飛行機の発着時間で変わりますので、ホームページなどで確認してください。
観光地への路線バスは?
宗谷岬、ノシャップ岬などの観光地へ直行する定期路線バスはありませんので、稚内駅前ターミナルなどで空港連絡バスから路線バスに乗り換えます。空港近くにもバス停はありますが、空港ターミナルから離れているため、空港連絡バスを使った方が便利です。夏限定ですが、空港から宗谷岬を経由する「宗谷岬空港線バス」が運行されますので、利用してみてはいかがでしょうか。
タクシーも便利
稚内フェリーターミナルでの利尻、礼文島への船便乗り換え時間に不安があるという方は、タクシーを利用しましょう。4人で乗り合えば、バスよりやや割高程度の料金で行けます。タクシー会社は北都ハイヤーと稚内日の丸交通の2社があり、観光地に直行したいという方は観光タクシーとして利用するのもいいでしょう。
レンタカーは5社
広い北海道を観光するなら、レンタカーを利用するのがおすすめ。稚内空港には、ニッポンレンタカー、トヨタレンタカー、日産レンタカー、タイムズカー、オリックスレンタカーの受付カウンターがあります。時間を気にせずに移動や観光できるのがレンタカーの魅力。返却の際にはガソリンを満タンにする必要がありますが、空港近くにスタンドがないので注意が必要です。
稚内空港の施設・サービス
稚内空港ビルは1階にANAのチェックインカウンター、到着ロビー、2階に出発ロビー、お土産ショップの「ANA FESTA」、空港レストランがあります。
空港レストランで名物料理を
空港レストランは、ラーメンやカレー、丼物、アルコール類とメニューが豊富です。また稚内の名物で、小魚のイカナゴが成長した「オオナゴ」の料理も味わえます。午前10時半から最終便の出発時間まで営業していますので、飛行機に乗る前の待ち時間にレストランを利用してはいかがでしょうか。
空港内の各サービス
空港ビル内の各種サービスや駐車場案内は下記のとおりです。
無料Wi-Fi | 空港ビル全館で無料LANサービスがあります |
PCデスク | インターネットに接続したPCが無料で利用できます |
授乳室 | 2階売店の横にあります |
喫煙場所 | 2階ロビーと搭乗待合室内。ほかは全面禁煙です |
駐車場 | 利用料金は無料ですが、深夜・早朝は駐車できません |
稚内空港でお土産を買おう
お土産ショップ「ANA FESTA」
稚内からのお帰りの際、お土産を買うのに便利なのが空港内のショップ「ANA FESTA」。稚内の商品だけでなく、北海道の銘菓も取り揃えています。また、ANAグッズや新聞・雑誌、飲み物、アルコールも販売しており、飛行機へ乗る前に必要なものをお求めください。
稚内限定の人気のお土産は?
「ANA FESTA」のおすすめ商品では、宗谷岬で見られる流氷をイメージしたお菓子「流氷まんじゅう」が一番人気です。稚内牛乳をたっぷり使った「モッチリーヌ」、宗谷岬牧場で飼育した牛の肉を使った「宗谷岬牧場のハンバーグ」は、北海道内空港のうち稚内空港だけで販売しているお土産。稚内牛乳や稚内牛乳アイスクリームは空港内で味わいたいですね。
北海道内の銘菓をお土産に
北海道のお土産としておなじみの銘菓も「ANA FESTA」で買えます。六花亭(帯広市)の「マルセイバターサンド」、ロイズコンフェクト(札幌市)の「ロイズ生チョコ」、石屋製菓(札幌市)の「白い恋人」は定番中の定番。そのほかにもお菓子や水産加工品、ご当地グッズなどがありますので、少し早めに空港に戻ってお土産探しをするのも楽しいですよ。
稚内空港に近いホテル・旅館
稚内市街地のホテル
稚内市には南稚内駅や稚内駅周辺を中心に多くのホテルがあります。市内の飲食店で夕食を楽しみたいという方はビジネスタイプのホテル、ゆっくりくつろぎたい方は2食付きのホテルと、旅程や予算などに応じて選びましょう。また、天然温泉を引いているホテルがありますので、温泉好きの方は見逃せません。夏のトップシーズンに市内の宿泊施設を利用する場合は、早めの予約をおすすめします。
宗谷岬にはペンションや民宿も
市街地から外れるとホテルはありませんが、宗谷岬周辺にはペンションや民宿があり、家庭的なもてなしを受けられます。
稚内空港周辺の観光地ベスト3
人気の観光地①宗谷岬
稚内観光で絶対に外せないのが日本最北端の地・宗谷岬です。三角すいをした最北端の地の碑は記念撮影スポットとして、観光客が交代しながら写真を撮っています。その先には宗谷海峡の大海原が広がり、晴れて見通しが良ければサハリンの島影も。宗谷岬周辺の施設は「最北端」を銘打ったところばかりで、とくに観光協会が発行する「日本最北端到達証明書」はぜひ入手しましょう。
宗谷丘陵も見どころ
にぎやかな岬周辺から少し内陸部に入ると、氷河期時代の地形が残る宗谷丘陵が広がっています。高木がほとんどなく、氷河の跡があちこちにある大地は、本州以南では見られない独特の景観。風の強さを利用した風力発電の風車が立ち並ぶ光景には目を奪われます。
人気の観光地②ノシャップ岬
稚内市街地の西北端にあるノシャップ岬は、稚内駅前からバスで10分というアクセスの良さで稚内観光の人気スポット。夕日の名所であるとともに、日本海に浮かぶ利尻島や礼文島が一望できるポイントです。近くにはノシャップ寒流水族館があり、アザラシやペンギン、幻の魚イトウなど北の海にすむ生物を見学できます。
稚内温泉に入ろう
日本最北の温泉・稚内温泉の日帰り入浴施設が、ノシャップ岬から車で5分ほどの「童夢」です。利尻島を眺める露天風呂のほか、大浴場、サウナ、ジャグジーなど施設も充実。ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で湯上がりはポカポカと温かく、観光の疲れも癒やしてくれます。最北の温泉で身も心もリフレッシュしましょう。
人気の観光地③稚内公園
稚内市街地の中にある観光地の一つが稚内公園。ここには「氷雪の門」というモニュメントがあります。樺太(サハリン)への望郷の思いや亡くなった人を慰霊する目的で戦後に建てられました。かたわらにある「九人の乙女の碑」は、樺太で最後まで電話交換業務を行い、自決の道を選んだ若き女性たちの慰霊碑で、今も手を合わせる人の姿が絶えません。
北海道遺産の北防波堤ドーム
稚内駅から北へ徒歩で5分のところにある湾沿いのアーチが「稚内港北防波堤ドーム」。戦前の稚内港と樺太大泊港を結ぶ稚泊航路があった当時、強風や荒波を避ける目的で作られました。稚泊航路の歴史を今に伝えるだけでなく、美しいドーム建築が見どころで、北海道遺産にも選定されています。
まとめ
飛行機を降りた瞬間、北海道最北の地の雰囲気を実感できる稚内空港。稚内市や宗谷地方は見どころが盛りだくさんですので、空港を利用してぜひ訪れてみませんか?
出典:ライター撮影