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多摩湖の成り立ち&周辺の見どころをご紹介!今と昔でどう変わった?

多摩湖の成り立ち&周辺の見どころをご紹介!今と昔でどう変わった?

多摩湖というのは正式名称ではなかった!多摩湖ではかつて映画が上映されていた!そんな一風変わった歴史を持つのが、東京と埼玉の境にある多摩湖という湖なのです。そんな多摩湖の歴史や見どころ・貯水池やダムの情報を紹介しております。

目次 [表示]

多摩湖についてご紹介

その名の通り、東京の多摩エリアにある多摩湖。この多摩湖には一風変わった歴史があり、かつては名前まで違ったということをご存知でしょうか?また、ダム湖としてだけでなく、多摩湖周辺には多くの見どころもあり、観光にももってこいの場所なのです。そんな多摩湖の成り立ちや見どころを見ていきましょう。

多摩湖とは?

正式名は村山貯水池

多摩湖は、東京都と埼玉県に跨る狭山丘陵の渓谷にあるダム湖です。かつての東京市の水源確保のため、1927年に多摩川の水を取り入れる形で造られました。「多摩湖」というのは地元の人々が付けた通称であり、正式名称は「村山貯水池」といいます。今では東大和市にあるこの貯水池ですが、かつてこの地が「村山郷」という名前だったことから「村山貯水池」と名付けられました。

東京都最大のダム湖

今日では、多摩湖は東京都水道局が管理する水源の一つとなっており、堤防を挟んで西側が村山上貯水池、西側が村山下貯水池に分かれています。1.3キロの流域面積を持つ多摩湖は、東京都内に収まる湖としては最大のダム湖です。周辺には「コナラ」や「アカマツ」といった樹木が群生しており、豊かな自然に囲まれた場所として、観光やレジャーなどで多くの人が訪れています。

多摩川で繋がる狭山湖

多摩湖の北西には「山口貯水池」、通称「狭山湖」があります。この狭山湖も、多摩湖と同じように東京市の水源確保を目的とし、多摩川から水を引く形で造られたダム湖です。造られた時期はこちらの方が少し後ですが、大きさなども多摩湖に近いものがあり、さしずめ多摩湖と狭山湖は兄弟湖といったところでしょう。

多摩湖の歴史

東京市の水源用ダムとして造成

明治後期から大正時代にかけて、東京市では急激に人口が増えていき、それに伴い水源の早急な拡張が必要となりました。そこで注目されたのが、豊富な水量を湛える多摩川と、ダム建設に適した地形を持つ村山郷の丘陵地帯です。大正元年、東京市の水道課は、その道の権威であった中島鋭治博士を中心として、この地でのダム工事に取り掛かりました。

多摩湖建設の歴史

大正5年に着工された多摩湖でしたが、当時は今のように重機が揃っているはずもなく、工事は人力がメインでした。工事の際には資材運搬用の軽便鉄道なども敷設されましたが、完成までは10年という歳月がかかることとなります。この軽便鉄道は工事終了とともに廃線となっていますが、その一部は整備され、今ではサイクリングロードとして人気のスポットです。

昔の多摩湖

昔は狭山湖だった

兄弟湖である多摩湖と狭山湖の間には不思議な関係性があります。今は東京都側にあるのが多摩湖、埼玉県側にあるのが狭山湖となっていますが、昔はこの名称が逆に付けられていました。しかし、周辺の開発に伴い、多摩湖線が敷設されると、西武鉄道が村山貯水池近くに「多摩湖駅(現・西武遊園地駅)」を建造します。これにより、次第に二つの呼称が入れ替わる形となって、今に至りました。

「たっちゃん池」の歴史

多摩湖に隣接している「都立狭山公園」内には、通称「たっちゃん池」と呼ばれる宅部(やけべ)貯水池があります。この池は昔、その名前を略して「やけちょ」と呼ばれていましたが、大正14年、この池で「たっちゃん」の愛称で呼ばれていた男の子が溺れて亡くなりました。それ以来この池は「たっちゃん池」と呼ばれるようになり、今では心霊スポットとしても有名になっています。

多摩湖鉄道の花火

昭和5年、多摩湖周辺を走る多摩湖鉄道は延伸を続けていましたが、利用客の少なさが問題となっていました。そこで、鉄道会社は集客と宣伝のために、夏季週末に「たっちゃん池」の近くから花火を上げるというサービスを行います。これが功を奏して、多摩湖線周辺には見物客が集まるようになり、利用客も増加しましたが、その後、全線が開通した昭和11年を以てサービスは終了しました。

映画上映スポットだった?

多摩湖鉄道は昔、花火の打ち上げと並んで、武蔵大和駅近くの稲荷神社広場で映画を上映するというサービスも行っていました。電車を利用した人は入場無料、それ以外の人は入場料を払って観るという形のこのサービスは、今と違って娯楽の少ない時代だったこともあり、大盛況だったようです。この映画上映サービスも、昭和11年で終了しています。

多摩湖周辺の見どころ

見どころ①:都立狭山公園

都立狭山公園は、多摩湖の東側に隣接する自然公園です。狭山丘陵の一角を占めるこの公園は、豊かな自然に囲まれた公園で、桜が満開になる春の季節や、木々が色づく紅葉の時期には、より美しい自然の姿を見せてくれます。先述の「たっちゃん池」があるのも、この公園内です。

都立狭山公園

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住所〒207-0001
東京都大和市多摩湖4丁目
電話番号042-393-0154
アクセス西武多摩湖線「西武遊園地」駅から徒歩3分村山貯水池駅在所前
駐車場あり
駐車可能台数45台
利用時間9:00〜17:00
身障者用駐車場2台
営業時間9:00〜17:00
公式サイトURLhttps://www.sayamaparks.com/sayama/

見どころ②:塩釜神社

多摩湖の近くにある、この塩釜神社は、もともとは個人宅において祀られていたものが、明治時代に現在の場所に移されて神社となりました。安産祈願にご利益があるこの神社はとても落ち着いた雰囲気で、決して大きな神社ではないですが、桜の季節には境内に植えられた桜が美しく咲き誇ります。

塩釜神社

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住所〒207-0005
東京都東大和市高木2-104
アクセス西武線「武蔵大和駅」からバス5分

見どころ③:東大和南公園

東大和公園は、かつてこの地にあった米軍基地跡の一部を利用して作られた公園です。そのような歴史もあって、園内には旧日立航空機の変電所が、戦災建造物として当時の姿のまま残されています。広い公園内には多種多様な樹木が植えられており、四季折々の美しい姿を見せてくれる観光スポットです。

都立東大和南公園

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住所〒207-0022
東京都東大和市桜が丘2・3丁目
電話番号042-562-1498
アクセス西武拝島線「玉川上水駅」から徒歩5分多摩モノレール「玉川上水駅」から徒歩5分

見どころ④:西武園ゆうえんち

「西武園ゆうえんち」は、埼玉県と東京都の県境付近にある遊園地です。ジェットコースターや観覧車のようなメジャーアトラクションに加え、サンリオキャラクターとコラボレーションした施設が子供を中心に大人気となっています。また、プールや人口雪を使った小型ゲレンデ、渓流釣りを楽しめる「フィッシングランド」など、季節ごとに異なるアトラクションが楽しめる点も魅力です。

西武園ゆうえんち

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住所〒359-1145
埼玉県所沢市大字山口2964
電話番号04-2922-1371
駐車場あり
アクセス西武多摩湖線「西武遊園地駅」駅前西武山口線「遊園地西駅」駅前
営業時間平日10:00~16:00
土日祝日10:00~17:00
公式サイトURLhttps://www.seibu-leisure.co.jp/amusementpark/index.html

見どころ⑤:東大和市立郷土博物館

「狭山丘陵とくらし」をテーマとしたこの博物館は、この地の自然や歴史、文化に関することを学べる施設です。プラネタリウムを見られる施設も備わっており、300円というリーズナブルな料金でこれを楽しめます(2019年12月現在)。建物の屋上は見晴らしのいい穴場展望スポットです。

東大和市立郷土博物館

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住所〒207-0031
東京都東大和市奈良橋1-260-2
電話番号042-567-4800
アクセス西武線「東大和市駅」からバス10分多摩モノレール「上北台駅」からバス7分
営業時間9:00~17:00
定休日毎週月曜日・年末年始

見どころ⑥:高木神社

先に紹介した塩釜神社と同じ境内にあるのが、この高木神社です。ここはもともと「高木山明楽寺」という寺が管理し、「尉殿神社」という名前でしたが、明治期の廃仏毀釈によって寺が廃寺となり、「高木神社」という名前に変わりました。歴史深いこの神社は縁結びのご利益があるとされ、デートスポットとしても人気です。

高木神社

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住所〒207-0005
東京都東大和市高木2-104
アクセス西武バス「塩釜神社前」から徒歩4分

見どころ⑦:熊野神社

狭山緑地内にある熊野神社は、木々に囲まれた神秘的な雰囲気の神社です。派手さはありませんが、その歴史は16世紀頃まで遡るとされる由緒正しき神社で、その昔、男たちが力比べに使ったとされる3種類の「力石」が見どころとなっています。周辺はハイキングコースとして整備されていますので、散歩がてら参拝してみるのもいいですね。

熊野神社

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住所〒207-0032
東京都東大和市蔵敷1-419
アクセス多摩都市モノレール「上北台駅」から徒歩16分

見どころ⑧:八幡神社

同じく狭山緑地内にあるこの八幡神社の歴史はさらに古く、創立された年は「不詳」とされています。昔ながらの厳かな雰囲気がある神社で、のんびりと参拝したい方にはうってつけの神社と言えるでしょう。本殿の横には、樹齢270年という巨大な杉の木の根っこが展示されています。

八幡神社

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住所〒207-0031
東京都東大和市奈良橋1-256
電話番号042-561-4433
アクセス西武線「東大和市駅」からバス10分

見どころ⑨:慶性院

慶性院は、開山400年以上の歴史を誇る真言宗豊山派の寺院です。この寺院の見どころの一つが、水難除けや雨ごいの力を持つとされる「水天像」。その他にも、鬼門を守る「白山大権現」や、足利将軍家にゆかりがあるとされる「将軍地蔵」など、境内には数々の見どころがあります。4月8日の「花まつり」や、7月9日の「施餓鬼会」などの行事も見ものです。

慶性院

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住所〒207-0033
東京都東大和市芋窪6-1353
アクセス立川バス「東大和警察署」から徒歩5分

見どころ⑩:豊鹿嶋神社

多摩湖近くの鹿島台遺跡近くにある豊鹿嶋神社は、その本殿が都内最古の神社建築であるとされ、都の文化財に指定されています。この神社の本殿にある狛犬は、木製のかなり珍しいものであり、獅子頭と共に市の重宝として祀られてきました。

豊鹿嶋神社

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住所〒207-0033
東京都東大和市芋窪1-2067
アクセス西武線「東大和市駅」からバス15分多摩都市モノレール「上北台駅」から徒歩5分

見どころ⑪:狭山緑地フィールドアスレチック

多摩湖の近くにある狭山緑地は、豊かな自然が広がる自然公園です。この自然公園の南部にあるフィールドアスレチックは、週末などでもあまり混雑せず、穴場のレジャースポットとなっています。木々に囲まれた中にあるために空気はひんやりとしていて、夏の暑い時期のレジャーにはうってつけの場所です。

東大和狭山緑地

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住所〒207-0031
東京都東大和市奈良橋1丁目
電話番号042-563-5931
駐車場あり
アクセス多摩都市モノレール「上北台駅」からバス6分

見どころ⑫:多摩川中央公園

福生市の多摩川沿いにある多摩川中央公園は、大きな広場や遊具などがあり、家族連れに大人気の公園です。この辺りは多摩川でも浅めの場所となっており、河原で釣りやバーベキューを楽しむ家族も多く見かけます。小川や小さい池もあるため、夏場は水遊びも楽しめる人気スポットです。

多摩川中央公園

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住所東京都福生市北田園1丁目
電話番号042-530-4418
営業時間10月から2月/8:30~18:00
3月から9月/8:30~20:00

見どころ⑬:多摩湖

この記事のメインとなっている多摩湖そのものも、立派な見どころとなっています。多摩湖は「新東京百景」にも選ばれており、お花見やバードウォッチングなどに最適です。湖畔にはサイクリングロードが整備されていますので、多摩湖を眺めながらサイクリングを楽しむのもいいかもしれませんね。

村山貯水池

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住所〒207-0001
東京都東大和市多摩湖1丁目
電話番号04-2922-3213

多摩湖へのアクセス

多摩湖は、車でも電車でもアクセスしやすくなっています。多摩湖周辺には広大な自然や公園があり、その分駐車場も広くなっているので、車で行くにも便利です。電車の場合は西武多摩湖線・山口線の「遊園地西駅」、「西武遊園地駅」、「武蔵大和駅」、西武狭山線の「西部球場前駅」と、最寄り駅が複数あります。多摩湖周辺のどこを観光したいかによって、利用する駅を選ぶといいでしょう。

多摩湖観光の際の注意点

多摩湖周辺の豊かな自然は、それ自体が見どころとなる素晴らしいものです。しかし、自然が豊かということは、危険な生物も生息しているということなので注意しましょう。この地の危険な生物の代表例としては、オオスズメバチやヤマカガシがいます。どちらも場合によっては命の危険があるほどの猛毒を持っていますので、見かけたら静かに離れることが賢明です。

魅力に溢れた多摩湖

長い歴史の中で人々の生活が変遷していくに従い、多摩湖もその名前や姿を少しずつ変えてきました。しかし、今も昔もそこに住む人々と共にあり、愛されてきたという事実は変わりません。多摩湖はこれからも長きに渡って、魅力的な存在であり続けることでしょう。ぜひ一度、そんな魅力的な多摩湖まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

瀧口
ライター

瀧口

ライターの瀧口です。よろしくお願い致します。

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