ダリ美術館が福島に！世界的有名なコレクションなど見どころをご紹介！

世界中で多くのファンから愛されているスペインの巨匠、サルヴァドール・ダリ。実は日本にそのダリの美術館があるのはご存知でしたか。福島県の会津磐梯高原にある「諸橋近代美術館」は、1999年の開館から今年で20周年。ダリに魅せられた実業家、諸橋廷蔵が、約10年にわたり大規模なダリコレクションを集め創設しました。アジアにあるダリ美術館の中でも一番の規模を誇ります。多くの人に感動を届けたいという創設者の思いから誕生した世界的規模のダリ美術館です。

こちらの美術館は、アメリカ、スペインについで世界3番目のダリ美術館としてオープンしました。ダリ作品の収蔵数としては、世界のダリファンも感動の340点を超えるアジア最大規模となっていて、評判のコレクションが多数収蔵・展示されています。絵画や彫刻、珍しいタペストリー作品などもあり幅広いバリエーションです。小・中学生の観覧料無料や、また音声ガイドの貸出まで無料なのも嬉しいポイント！初心者にもわかりやすい解説で、自分のペースで楽しく鑑賞できると評判です。

このお城のようにも見えるちょっと不思議な美術館。実は創設者の希望で、中世の馬小屋をイメージして建てられました。ユニークで異空間な建物は、個性的なダリのイメージにぴったり。館内には9mもの高さの展示ホールが広がり、来館者がダリの彫刻作品をゆったりと鑑賞できる大規模なスペースが用意されています。周囲の豊かな自然と調和し、光を多く取り入れ、個性的なダリのコレクションが映える開放的な空間となっています。建物の造りも一見の価値ありです。

ルノワールやセザンヌ、ピカソ、ゴッホ、シャガール、ユトリロなど、20世紀に活躍した巨匠たちの感動のコレクションや、またイギリスの現代画家、パメラ・ジューン・クルックの作品も多数収蔵されているのも見どころです。美術館の公式サイトより、展示中の作品を確認することができます。訪れる前にチェックできるのも嬉しいポイントです。

周辺を福島・裏磐梯の豊かな自然の中に囲まれたこの美術館は、周りの景観と調和して佇んでいます。その姿はとても美しく、誰もがリラックスして芸術鑑賞に集中できる環境となっています。美術館からは、磐梯山の噴火口や素晴らしい庭園を眺めることができ、またイベントなどが開かれる別館のアートテラスは、普段は休憩スペースとして作品鑑賞の合間に利用可能です。この静かで落ち着く周辺環境は芸術鑑賞にぴったり。ダリの世界に感動し、余韻にゆったりと浸れる環境の中にあります。

美術館に併設されている、ミュージアムショップでは、収蔵作品の図録や、作品をモチーフにしたユニークで可愛いオリジナルミュージアムグッズも販売されています。また素敵な雰囲気のミュージアムカフェでは、美味しいコーヒーやケーキなどがいただけます。作品鑑賞後に大自然の中、庭園を眺めながらのコーヒータイムはとても贅沢なひとときです。ダリにちなんだメニューやうつわなどにもぜひ注目してみてくださいね。

この絵は、1860年のスペインとモロッコの戦争を題材に描かれた大作です。一見ダリっぽくない作品にも見えますが、よく見ると空を飛ぶ馬や、ダリと妻ガラの騎馬兵姿、また隠れた数字が作品中に散りばめられ、奇妙で不思議な世界が描かれています。真ん中の5、8、7の数字は、ダリが57から58歳に描かれた作品だったからでは、と言われていますが、具体的には分かっていません。騎馬兵を先導する妻ガラの姿にダリの信頼と敬愛が読み取れるような作品です。

ダリ1947年の作品。1945年アメリカによって日本に投下された原子爆弾にショックを受けたダリは、原子や量子力学をテーマとした作品を制作しています。この作品では人間の後頭部を伝説の怪物スフィンクスにたとえ、頭は人間性、木は自然、マッシュルームは破壊を。またアインシュタインとフロイトを隠し絵として描き、科学の発展とそれがもたらした脅威を作品上で表しています。

ダリの妻、ガラのまっすぐな視線と頭の上にのったロブスター、そして鼻からのびる飛行機。一風奇妙なこの絵ですが、ダリはロブスターの殻はあらゆるものから身を守る鎧＝ガラとして、ダリの世界的成功を信じ繊細なダリを守るガラ強さを表し、飛行機は自由の国アメリカへの憧れと進出を描いたものと言われています。実際にアメリカへ渡ったダリは、アートだけでなく、ファッションや映画の世界などでも華々しく活躍しました。

ダリは1944年に芸能がテーマの連作を制作しましたが、火災で焼失してしまいました。再度制作の依頼を受けた時、ダリはテーマを1950年代風に変えて制作しました。ブロードウェイのシアターに飾られた本作は、独特の奇妙な男女のねじれた身体の動きによって、ロックンロールの激しいダンスが表現されています。絵の2人の身体には「DALÍ」の文字が重ねられ、ダリの自己顕示欲の強さと独特の遊び心が垣間見られるようです。

奇才、個性的、天才…さまざまな評判のあるダリについて知りましょう。サルヴァドール・ダリは、1904年5月11日にスペインのカタルーニャ地方フィゲラスで生まれました。シュルレアリズム（超現実主義）という、幻想的で非現実的な世界観を表現する巨匠と呼ばれ、ダリの心の内面やあらゆるもののイメージを膨らませた世界を描きました。特徴的なヒゲに大きく見開いた目。行動も発言も奇抜で個性的なファッション。作品だけでなく私生活でもダリは強いインパクトと感動を人々に与え続けました。

垂れ下がった時計に、時が止まったような不気味な風景…。「記憶の固執」に登場するぐにゃりと曲がった時計は、キッチンで柔らかくなったカマンベールチーズを見て発想したもの。個性的でインパクトが強いダリの作品は、通常の現実ではなく、周囲からのインスピレーションと彼の頭の中にある世界を描いています。見るものを圧倒し不思議な世界へ連れていくダリの作品は、驚きと同時に好奇心を刺激し、遊び心や感動を与えてくれます。

個性的でインパクトの強いダリですが、発言も行動も奇抜で派手でした。1936年ロンドンのある講演会では、潜水服で登場したものの、酸素供給がうまく行かずに死にかけたり、またカリフラワーに宇宙を感じたある時は、車いっぱいにカリフラワーを積んで登場したり、と人々をあっと驚かせ話題に事欠くことがありませんでした。「天才になるには天才のフリをすればいい」と言ったダリ。そんなセンセーショナルなダリでしたが、本来は内気だったと周囲が証言するように、どこまでが本当でどこからがフリだったのか。そんな謎多きところも、ダリの魅力のひとつに違いありません。

奇才ダリが愛した生涯の妻ガラ。ガラは、ダリよりも10歳以上も年上で出会った時にはフランス人詩人の夫がいましたが、ダリの才能を信じ支えていくことを選び1934年に結婚しました。ダリはガラの有能なマネージメントによってシュルレアリズムを代表する画家となります。「私はガラ無しではダリになれない」「ガラ以外は全て敵である」と言うほどガラを崇拝していたダリ。ダリにとってガラは完全なミューズであり、マネージャーであり、支配者であり、母でもあり彼の全てでした。

棒付きのアメで有名な「チュッパチャップス」。実はこのロゴは、ダリがデザインしたもとはご存知でしたか。チュッパチャップスで世界進出を目指した創設者エンリケ･ベルナートが当時活躍していたダリに目をつけてロゴマークの制作を依頼。ダリはエンリケと出かけた昼食の間にナプキンにさらさらとロゴマークを書いて見せたそうです。雛菊をかたどったこのデザインは、世界中の人々に愛され、一躍「チュッパチャップス」の名前を有名にしました。

福島県にあるダリ美術館「諸橋近代美術館」とサルバドール・ダリの魅力についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。アジアでこれだけの世界的コレクションが見られるのはここだけ。彫刻作品も充実していて多数の珍しいダリ作品が見られると評判です。美術館は五色沼など福島を代表する観光名所にも近く、芸術鑑賞にはこれ以上ない素晴らしい自然環境に囲まれています。福島へお出かけの際には、ぜひ見どころいっぱいの感動コレクションに会いに、福島のダリ美術館「諸橋近代美術館」へ寄ってみませんか。不思議なダリの世界に触れ、きっと忘れられないひとときになるでしょう。