諏訪湖の御神渡りとは何?
御神渡りは、長野県の諏訪湖で冬に起きる神秘的な自然現象です。マイナス10度ほどの日が続くと湖面の氷が割れてせり上がり、山脈状になって数キロ続きます。
高さ30センチから180センチの氷の山は、神様の通った足跡のように見えるのです。諏訪湖をはさんで建つ諏訪大社上社の男神が、下社の女神のもとへ通った跡とする伝説があり、御神渡り神事の儀式が行われます。
御神渡りは諏訪湖だけではない
諏訪湖の御神渡りと同様の現象は、北海道の屈斜路湖(くっしゃろこ)でも見られます。寒さが最も厳しい2月から3月初旬の時期、湖に張った厚い氷が割けてせり上がり、長さ10キロメートル、高さ2メートルにもなって、日本最大の御神渡りといわれ、圧巻です。
アイヌの人たちの間には、屈斜路湖には巨大な主が住み、もし見ても言いふらしてはならない、との言い伝えがあります。
諏訪湖の御神渡りが見られる場所は?
諏訪湖の御神渡りが見られる場所は、湖周辺の湖岸で、御神渡りは湖岸から沖合に向かって出現しますから、ベストポイントは御神渡りの出発点と到達点です。
諏訪湖を囲む諏訪市・下諏訪町・岡谷市が、過去に出現した場所のデータから、御神渡りがすっきりと見られる場所を選びます。御神渡りを説明する看板などが設置しますが、いずれもアクセスのいい場所です。
おすすめは下諏訪町・赤砂崎公園付近
長野県下諏訪町の赤砂崎公園付近がベストポイントです。2018年の御神渡りでは、諏訪市から下諏訪町にかけて出現した御神渡りが、赤砂崎公園の目の前を横切り、出現後しばらくは音を立てながら動くのを多くの人が見ました。
諏訪市では間欠泉センターや判の木川河口、岡谷市では日の出の方向に御神渡りが見える湊湖畔公園や湊小学校付近があります。
諏訪湖の御神渡りが起こる理由とは?
諏訪湖の御神渡りは、いくつもの理由が重なって起きます。第一は、マイナス10度ほどの日が続いて諏訪湖が全面結氷することです。厳しい冷え込みが続くと、全面を覆った氷が収縮して表面にできた亀裂に水が入って薄氷が張ります。昼間の気温上昇で周囲の氷が膨張し、圧力で薄氷が破壊され、せり上がるというわけです。
大音響とともにある朝突然出現
冷え込みが続いて膨張と収縮が繰り返されると、せり上がりがだんだん大きくなり、ある朝、突然「ゴォー、ミシミシ」といった大音響とともに氷の山脈が出現します。高さ30センチメートルから180センチメートルの山は、諏訪湖の湖岸から沖合へうねるように連なって数キロメートル続きます。