古事記におけるニニギの伝承
古事記には、ニニギがどのように天孫降臨をし、地上に降り立ってコノハナサクヤビメと結婚をし子どもを設けたのかが書かれてあります。
古事記は上巻、中巻、下巻で構成されており、ニニギの伝承が書かれているのは古事記の上巻の神代です。
最初はニニギが天降り予定ではなかった
最初、天降り予定だったのはニニギではなく、ニニギの父のアメノオシホミミでした。天照大神は大国主命が国譲りに合意したため、息子のアメノオシホミミに葦原中国を治めるように命じます。しかし、アメノオシホミミは息子のニニギが生まれ、自分ではなくニニギに天降りの役目を譲りました。
ニニギは三種の神器を持って天降りした
ニニギは、三種の神器の八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)、八咫鏡(ヤタノカガミ)、草薙剣(クサナダノツルギ)を天照大神から持たされます。天照大神は八咫鏡を自分自身だと思って地上へ行ってもまつるようにとニニギに命じました。
ニニギは複数の神々を同伴し、サルタヒコに道案内されて日向の高千穂に降臨したといわれています。
ニニギとコノハナサクヤビメの恋
ニニギは地上で散歩中、花のように美しい姫、コノハナサクヤビメに出会います。コノハナサクヤビメは山の神オオヤマツミの娘です。ニニギはすっかりコノハナサクヤビメに心を奪われてしまい結婚を申し込みます。コノハナサクヤビメとオオヤマツミは、天津神の皇子ニニギからの求婚を大変喜びました。
ニニギの結婚
ニニギはコノハナサクヤビメとの結婚が決まり、幸せに包まれていました。しかし、オオヤマツミは、コノハナサクヤビメだけではなく姉のイワナガビメも一緒にニニギのもとへ差し出します。
花のように美しいコノハナサクヤビメとは反対にイワナガビメは岩のようにゴツゴツした顔でした。ニニギはイワナガビメを好きにはなれず、オオヤマツミのもとへと返してしまいます。
ニニギ以降の天孫の寿命は短い
ニニギがイワナガビメをオオヤマツミのもとへ返してしまったため、ニニギの子孫である天孫の寿命は短くなってしまいます。
オオヤマツミがニニギのもとへ二人を嫁がせたのは意味が二つありました。一つ目はコノハナサクヤビメを妻にすれば、ニニギ以降の子どもは木の花が咲くように栄えるという意味です。二つ目は、イワナガビメを妻にすれば岩のような永遠の命を持てるという意味でした。
ニニギの子ども
ニニギにはコノハナサクヤビメが火の中で産んだ子どもが3人います。ホデリ、ホスセリ、ホオリといい、ホオリは神武天皇の祖父です。
コノハナサクヤビメは結婚して一夜で身ごもってしまったため、ニニギは地上の男性の子どもではないかと疑ってしまいます。コノハナサクヤビメは、あなたの子ならたとえ火の中だとしても生きて生まれて来れると産屋に火を放って生む行動で証を立てました。