恐山ってどんな場所?
恐山を怖い場所だと思っている人はいませんか?「霊場恐山」という響きは心霊やオカルトをイメージさせてしまいますが、実はとても景色がきれいな場所です。南国ビーチを思わせる湖があり、温泉も湧いています。特に晴れた日には、澄みわたる青い空とエメラルドグリーンの湖が、目にも鮮やかな絶景を作り出しているのです。
恐山は日本三大霊場のひとつ
恐山は比叡山・高野山と並ぶ日本三大霊場です。霊場とは昔から信仰の対象とされている場所であり、修験者たちの修行の場でもあります。「あの世にもっとも近い場所」として、今も昔も全国各地から多くの参拝者でにぎわいを見せています。今では観光として訪れる人も多いですが、慰霊の意味で訪れる人もたくさんいます。「霊場である」ということを忘れないで行くことが大切ですね。
恐山へのアクセス
恐山は青森県の下北半島中央部に位置しています。11月~4月の期間は雪のため閉山となるので、訪問の際にはご注意ください。東京から下北半島までは車で行くと約11時間、新幹線利用だと約5時間10分かかります。むつ市内からバスで行く場合は約35分です。
- 住所/青森県むつ市
- 開山期間/5月1日~10月中旬
- 時間/6:00~18:00(10月中旬から10月31日は17:00まで)
- 入山料/500円
観光バス・ぐるりんしもきた号で巡る
下北半島を巡るには、お得で便利なバスも運行されています。下北半島にある主要な観光スポットを巡ってくれるので、恐山だけでなく下北半島全体を観光したい人におすすめです。
- ぐるりんしもきた号・一日周遊コース/大人5,200~9,600円
- 予約・問い合わせ/しもきたTABIあしすと(むつ市役所内)/TEL 0175-31-1270(土日祝休業)
- 乗車の5日前までに予約が必要です。詳細はお問い合わせください。
恐山へ行く意味
恐山では古くから地蔵信仰が盛んで、「人が死ねば、魂は恐山に行く」と信じられていました。そのため今でも亡き人を偲ぶ多くの人が参拝しています。また夏・秋に行われる2大大祭の期間には、今でも多くのイタコが集まり、亡くなった方の口寄せが行われます。「亡き人に会いたい」そんな人にとって恐山は、今でも大きな意味を持っています。
恐山へ行くときに気を付けたいこと
恐山はゴツゴツした岩場や、砂浜があります。足場の悪い場所も多いので歩きやすい靴で訪れましょう。また春先・秋の恐山は風が冷たいので、しっかりと上着を持っていくことをおすすめします。また、恐山にあるもの全てに霊魂が込められていると信じられているので、石などを持って帰ってくることは厳禁です。
恐山を目指す前に行く場所:恐山の冷水
恐山を目指す前にまず寄っておきたい場所が「恐山の冷水(ひやみず)」です。むつ市から恐山へ向かう恐山街道の途中に、森の深くから湧き水が湧いている場所があります。この湧き水は恐山の冷水と呼ばれ、「1杯飲めば10年、2杯飲めば20年、3杯飲めば死ぬまで若返る不老水」として有名です。ここの水で身を清めてから霊場へ行くのがよいともいわれています。
恐山の見どころ8選
恐山には、ここでしか見られない素晴らしい景色が広がりますが、実はこの景色、火山活動のおかげなんです!恐山は活火山であり、今でも活発に続く火山活動が独特の景色を生み出しています。そして、そんな恐山には見どころが多くあります!今回はその中から見逃せない7つのポイントをご紹介します。冬の期間は閉山となるため、ご訪問の際にはご注意ください。
①三途の川、太鼓橋
恐山の入り口には朱塗りが目を引く太鼓橋があります。「この世とあの世をつなぐ」という意味がある橋です。三途の川に掛けられていて、恐山のシンボル的な存在となっています。近年は橋の老朽化によって渡れなくなってしまいましたが、今後、丈夫な石造りの太鼓橋へと掛け替えが行われることになっています。澄んだ美しい川の水にも注目です。
②円通寺(恐山菩提寺本坊)
恐山は約1500年前に慈覚大師円仁(えんにん)によって開かれた霊場です。円仁は夢の中でのお告げに導かれて旅をし、その旅の果てに恐山を見つけました。境内に広がるエメラルドグリーンの湖と地中から火山ガスが湧き出る地獄のような光景は、まさに霊場といった雰囲気。見どころがたくさんあるので時間をかけて回りたい場所です。
恐山巡礼(お山めぐり)
まずは、円通寺境内に鎮座している仏様たちを巡ってみましょう。迫力満点の六大地蔵をはじめ、地蔵菩薩、不動明王、延命地蔵、五智如来など、多くの仏様に出会えます。周辺に広がる美しい自然の景色の中に溶け込んでいる仏様たちを見ていると、本当にこの世とあの世がつなっがているように感じられるのが不思議です。
③地獄めぐり
血の池地獄、重罪地獄、地獄谷などの名前が付けられた、たくさんの「地獄」を巡るのも見どころの1つです。いろいろな意味の地獄がありますね!むき出しになった岩の裂け目からは蒸気が噴き出し硫黄のにおいが立ち込めます。火山性ガスで岩肌は焼かれ、草木が一本も生えない荒涼とした景色。時間を忘れてしまいそうです。
積み石がしてある意味
境内で見かけるたくさんの積み石は、亡くなった人たちの成仏を祈り、参拝者たちが積んでいます。積まれた石をよく見てみると、名前が書かれていたり掘られていたりするものもあります。一つ一つに祈りや鎮魂の意味がありますので、くれぐれも崩したり壊したりしないように気を付けましょう。
④宇曽利湖
宇曽利湖の風景
真っ白な砂に、真っ青な水。恐山の宇曽利湖は、まるで極楽のような美しさの観光スポットです。宇曽利湖畔は、その名も「極楽浜」と名付けられており、恐山観光の大きな見どころの1つ。極楽浜には景色をゆっくりと楽しめる屋根付きの休憩スペースがあります。澄み切ったエメラルドグリーンの湖を見ていると、その美しさに時間を忘れて見入ってしまいます。
宇曽利湖はなぜエメラルドグリーンに見える?
宇曽利湖は周囲が12.5kmもある大きいな湖で上から見るとハート形をしています。湖底からは硫化水素が噴出しているため水は強酸性です。生き物はほとんど生息していません。グリーンの静かな湖面はとても神秘的です。よく晴れた青空の日には空の青色が湖に映りこんで、絶景のエメラルドグリーンになります。
⑤恐山温泉
どんな温泉?
恐山の見どころのひとつが恐山温泉です。温泉は白~緑色をしており、独特の硫黄臭がします。湯の華が舞う、硫化水素を含んだ酸性の温泉です。神経症・リウマチ・胃腸病・眼病などに効くとされ、昔はまずこの温泉で身を清めてから参拝をしていたそうです。
温泉は4か所で楽しめます
恐山には「古滝の湯」「冷抜の湯」「薬師の湯」「花染の湯(混浴)」の4つの湯小屋があります。参拝者はどの湯小屋も無料で利用することが出来ます。すべて源泉かけ流しです。男女交代制や混浴の小屋がありますので、確認してご利用ください。人が少ないシーズンはゆっくりと浸かれるので、温泉をじっくりと楽しみたい人はオフシーズンを狙って訪れるのがおすすめです。
⑥イタコの口寄せ
イタコって?
イタコとは、霊媒師のことをいいます。もともとは生まれつき目が見えなかったり、幼くして失明した女性が厳しい修行を積んだ後になれるものでした。今ではイタコの数が減り、その多くは高齢者です。イタコは亡き死者の霊を呼び戻す「口寄せ」を行い、それを求めて全国から人が集まります。イタコの存在は現在でも大きな意味があるのですね。
イタコに会える時期
イタコの口寄せを体験したい人は夏と秋に行われる大祭の期間に恐山を訪れましょう。口寄せには多くの人が行列し、かなりの待ち時間になります。口コミによると10時間以上待った人もいるようなので、可能であれば平日に訪れたほうがよさそうです。
- 【恐山大祭】 期間:7月20日~24日/6:00~18:00/入山料500円
- 【恐山秋詣り】期間:毎年10月上旬の3連休(体育の日を最終日とする土・日・月曜日)/6:00~18:00/入山料500円
⑦宿坊に泊まる
宿坊とは、お寺や神社が運営をしている宿泊施設です。恐山にも「恐山温泉宿坊吉祥閣」という宿坊があり宿泊することが可能です。宿泊の翌朝早朝にはお坊さんと一緒にお経を唱える「お勤め」があります。ここでしか出来ない貴重な体験です。夜や早朝の恐山の景色が見られるのは、宿泊者だけの特権です。
恐山温泉宿坊吉祥閣
- 【料金】1泊2食12,000円,団体(30名以上)10,000円/精進料理付
- 【予約】1週間前までに予約が必要です。夏・秋の大祭期間中は別途問い合わせの必要があります。とてもきれいな施設で女性でも安心して利用できます。
⑧恐山名物・霊場アイス
恐山入口にある売店では恐山名物となっている「霊場アイス」を販売しています。緑色をした珍しいヨモギ味・ブルーベリー味・バナナ味の3種類です。温泉へ入った後に食べたいアイスです。売店ではお守り・御朱印を扱っているほか、風車や恐山せんべいなどの販売をしています。
恐山を堪能したら、お土産も楽しもう!
恐山を堪能したあとは青森のお土産で楽しみましょう。下北半島は半島全体が下北半島国定公園となっており、恐山以外の有名な場所として、マグロで知られた大間崎があります。自然が豊かで美味しいものがたくさんあるので、お土産を選ぶのも楽しみです。ここでは恐山観光と併せて寄り道したい場所を2か所ご紹介いたします。
下北名産センター
店内はねぶた囃子のBGMが流れ、青森感が溢れる空間です。なんといっても見どころは、大間のまぐろ・むつ湾ほたて・津軽海峡の生イカなどの海産物!ほかにもお酒、お菓子、民芸品などもあるので、お土産選びには困りません。お食事処では美味しい特産品もいただけます。
- 【住所】 青森県むつ市大曲2丁目13-33
- 【電話】0175-22-3231
まさかりプラザ下北駅前店
下北半島の特産物や海・山の美味しいものが揃っている物産館です。下北半島は山・海・きれいな水があるので、食べ物もお酒もどれも美味しいものばかり!青森特産のヒバを使用した木工品も販売されています。
- 【場所】むつ市下北町2-30
- 【電話】0175-33-8110
恐山観光 まとめ
霊場として昔から有名な恐山には、数々の見どころがありましたね。夏の恐山はとても涼しくて気持ちがよく、春・秋は花や紅葉がとてもきれいです。古来から祈りと鎮魂の場所として大切にされてた恐山。あなたもぜひ一度、訪れてみてはいかかでしょうか。