冬の福島観光で行きたいおすすめスポット21選！見どころをご紹介！

東北地方南部にある福島県は、北海道、岩手県に次ぐ3番目に広い面積を誇り、多くの観光地があることで人気の高い県です。福島は、太平洋側の「浜通り」、県庁所在地の福島市がある「中通り」、会津若松で有名な「会津地方」に分けられ、それぞれに特徴的な名所があります。この記事では、それぞれの地域ごとに、人気の観光地を紹介していきます。

福島県は、広くて走りやすい道路が多く、それぞれの観光地には駐車場も整備されていることが多いため、車での移動も大変便利。しかし、福島県では、鉄道そのものや、駅が名所となっている場所も多く、それらを楽しみながら鉄道で旅をするというのも楽しいものです。

JR只見線は、福島県の会津若松駅から、新潟県魚沼市の小出駅までを結ぶ鉄道路線です。絶景を楽しめる秘境路線として人気を博しており、過去には「雪景色のきれいなローカル線ベストテン」の3位に選ばれるなど、多くの鉄道ランキングで上位に名が挙がっています。

会津鉄道は、福島県内の西若松駅と、会津高原尾瀬口駅を繋ぐ鉄道です。この路線内にある芦ノ牧温泉駅では、「ネコ駅長」が名物となっており、訪れる人々を和ませてくれます。また、会津鉄道には「お座トロ列車」という列車があり、お座敷車両、トロッコ車両、展望車両が揃っているという大変珍しい列車です。

郡山駅と会津若松駅を結ぶ、JR磐越西線を走る観光列車「フルーティアふくしま」。「走るカフェ」をコンセプトにしたこの車両では、全席にテーブルが付いており、福島名産の果物を使ったスイーツやドリンクが楽しめます。優雅な列車の旅を楽しみたい方に、ぜひ、おすすめしたい鉄道です。

「浜通り」は、福島県の東側に位置する、太平洋に面したエリアです。北側の相馬市や南相馬市、双葉郡を中心とした「相双エリア」、南のいわき市を中心とした「いわきエリア」からなります。福島の中では比較的温暖で降雪量が少ない気候なので、過ごしやすい地域といえるでしょう。

いわき市小名浜にある「アクアマリンふくしま」は、東北地方最大級の水族館です。黒潮と親潮が交わる、福島の海をテーマにした展示がされており、楽しみながら生命を学べる人気観光地となっています。また、太古の海を学ぶエリアでは、化石などの展示もされており、大人から子供まで楽しめる水族館です。クリスマス時期にはイルミネーションが点灯されるのも見どころですね。

いわき市にある「スパリゾートハワイアンズ」は、温水プールや温泉、宿泊施設などが入った大型複合レジャー施設です。その名の通り、常夏のハワイをイメージしたこの施設では、冬の寒い季節でもプールを楽しめます。また、フラダンスなどの毎日行われているショーの他に、冬の季節には「シバオラ聖夜ショー」や、「真冬の昆虫採集」といった限定イベントも催され、非日常気分を味わえること間違いなしです。

鹿狼山は、福島県相馬郡から宮城県伊具郡にかけてまたがる山で、「うつくしま百名山」に選定されています。標高430メートルという高さから、登山初級者向けの山として人気です。低い山とはいっても、頂上から望める太平洋の景色は大変美しく、多くの人を魅了する絶景スポットとなっています。麓には日帰り温泉「鹿狼の湯」もあるので、湯に浸かって体を温めるのもいいですね。

なんとも不思議な名前となっていますが、この「まどのそとのそのまたむこう」は、いわき市にある私立幼稚園付属の絵本美術館です。建築家である安藤忠雄氏デザインのこの施設には、約1,500冊もの絵本が壁一面に展示されており、独特の雰囲気を醸し出しています。館内から望める美しい太平洋の景色も見どころです。

いわき市にある「白水阿弥陀堂」は、平安時代末期に建てられた仏堂です。福島県唯一の国宝建造物となっており、浄土式庭園を含めた境内一帯は国の史跡に指定されています。季節ごとに移ろいゆく景観も見どころで、うっすらと雪化粧を施した、趣のある阿弥陀堂の姿は、冬の季節ならではの絶景です。

「いわき市石炭・化石館」は、この地域の炭鉱文化や、化石発掘について学べる博物館です。いわき市内で発見された「フタバスズキリュウ」の巨大な復元化石標本をはじめ、多くの化石が展示されている人気の観光地となっています。屋外に展示されているSLや、岩石園も見どころの一つです。

「中通り」は、その名の通り、福島の中心部分のエリアです。西の奥羽山脈、東の阿武隈高地に挟まれた地域で、「阿武隈地方」と呼ばれることもあります。県庁所在地の福島市をはじめ、郡山市や白河市などの大きな都市がならんでいる、福島県の経済中心地です。飯坂温泉や高湯温泉など、温泉が多く集まっているエリアでもあります。

福島市にある飯坂温泉は、宮城県にある鳴子温泉、秋保温泉と共に、奥州三名湯に数えられる名所です。飯坂温泉には、日帰り専用の共同浴場も多数あり、いくつかの温泉を巡ってみるのもいいかもしれません。また、近くには自然が美しい摺上川ダムなどの見どころもあり、レンタサイクルでぐるっと回ってみるのもおすすめです。

「あぶくま洞」は、田村市にある鍾乳洞です。阿武隈高地にあるこの鍾乳洞は、全長600メートルの洞内に、東洋一とも言われるほど豊富な種類の鍾乳石があり、幻想的な世界を創り出しています。また、洞内では一年を通して気温が15度前後に保たれているため、冬の寒い時期でも散策しやすい人気の観光地です。

2007年から、福島市の冬の風物詩となっているイベントが、この「光のしずくイルミネーション」です。JR福島駅東口の駅前広場からはじまり、福島市のメインストリートを彩る、20万球ものLED装飾は圧巻。冬の福島市を輝かせる「光のしずく」は、冬の福島旅行の際には外せない、見どころスポットですね。

郡山市にある浄土松自然公園は、広大な公園の中に、多くの松と、トルコのカッパドキアを彷彿とさせる奇岩「きのこ岩」が点在する名所です。せり出した岩々と、そこに生える松の様子が、日本三景松島にも似ていることから、「陸の松島」とも呼ばれ、人気を博しています。冬の季節には、雪で白く染まった奇岩群を楽しめる、一風変わった観光地です。

二本松市にある「霞ヶ城公園」は、国の指定史跡である、二本松城跡を含む一帯の公園です。別名「霞ヶ城」とも呼ばれる二本松城は、戊辰戦争ゆかりの地として有名で、現在は石垣や箕輪門、天守台などの一部が再築されており、人気の観光名所となっています。霞ヶ城公園内にある日本庭園は、四季折々の異なったライトアップ演出が見どころです。冬の時期ならではの幻想的なライトアップも、ぜひ、見ておきたいところですね。

白河市にある「白河小峰城」は、結城氏や蒲生氏、上杉氏など、多くの城主交代が行われた城です。この城は、東北地方では珍しい「総石垣造り」の建築様式が見どころとなっており、盛岡城、鶴ヶ城（若松城）と並んで、「東北三名城」の一つに数えられています。冬の季節には、雪化粧を施した石垣の姿が大変美しい、白河屈指の名所です。

安達太良山は、「日本百名山」や「うつくしま百名山」などに選定されている、福島県中部の活火山です。冬の安達太良山の景観は大変美しく、敢えてこの季節に登山やハイキングをする人もいるほど。また、山の中腹には秘湯中の秘湯「くろがね温泉」があり、冷えた体を温めてくれます。

福島の西部に位置する会津地方は、会津若松市を中心とするエリアで、新潟県と境を接しています。奥羽山脈の西側に位置するこの地では、新潟県と同じように、日本海側気候に属しており、県内でも特に降雪量が多いところです。会津は、白虎隊ゆかりの地としても有名で、自然と歴史に彩られた数々の観光地が魅力となっています。

南会津にある人気の観光地「大内宿」は、江戸時代の頃に、会津若松市と日光今市を結ぶ重要な宿場町として栄えました。現在でも、この地には茅葺屋根の建物が通り沿いに並んでいて、江戸時代の面影を色濃く残す観光名所となっています。雪で白くなった江戸時代の街並みはとても風情があり、軒下に連なるつららも、冬の美しさを演出してくれます。

磐梯山の北側に位置する「五色沼」は、「ミシュラン・グリーンガイド」で一つ星に認定された、会津屈指の名所です。「五色沼」というのは、点在する複数の湖沼の総称で、沼ごとに水の色が、エメラルドグリーンやコバルトブルーなどの違う色になっており、「神秘の湖沼」と呼ばれています。四季によっても色の見え方が変わってくるので、「五色沼」の冬の色を、見に行ってみてはいかがでしょうか。

会津若松市にある「鶴ヶ城」は、別名「若松城」とも呼ばれています。戊辰戦争の局面となった会津戦争において、会津勢の居城となっていたこの城は、現在では「白虎隊」をはじめとした、この地の歴史を伝える展示施設としても人気です。この城を会場に、1月には無病息災を願う火祭り「歳の神」が、2月には会津の伝統工芸品を使った、幻想的な「会津絵ろうそくまつり」が行われます。

猪苗代湖は、会津若松市、耶麻郡猪苗代町、郡山市にまたがる、日本で4番目に大きい湖です。この猪苗代湖の冬の風物詩とされているのが、シベリアから飛来するハクチョウの群れと、風で飛び散った波しぶきが周囲の木々と一緒に氷つく「しぶき氷」という現象。どちらも大変美しい、冬の季節ならではの見どころとなっています。

磐梯山は、磐梯町、耶麻郡猪苗代町、北塩原村にまたがる福島の名山です。日本百名山にも選定されており、南側を表磐梯、北側を裏磐梯と呼びます。裏磐梯では、爆裂火口に期間限定で現れる「イエローフォール」と呼ばれる巨大な氷瀑や、不動滝を包み込むように青く凍り付く氷塊「ブルーアイス」など、冬季限定の名所が見どころです。

会津若松市にある東山温泉は、江戸時代に会津藩の湯治場として栄えた温泉地です。この東山温泉では、「雪見ろうそく」という、冬ならではの絶景が見られます。白い雪に覆われた温泉地を、ろうそくの灯りがやわらかく照らす幻想的な風景は、きっと素敵な旅の思い出になることでしょう。

「塔のへつり」とは、南会津郡下郷町にある、国の天然記念物に指定されている景勝地です。この地を流れる大川によってできたこの渓谷では、川の浸食によってできた独特な形の岸壁が並んでおり、周囲に生い茂る樹木と合わさって、美しい景観を生み出します。冬には白く雪化粧が施され、まるで水墨画のような風景が見られる、人気の観光地です。

猪苗代町出身の細菌学者として有名な野口英世。猪苗代町にある「野口英世記念館」は、彼の遺品や資料などを展示し、その業績を現代に伝える名所です。ここでは、冬休みの時期限定で、「缶バッジ製作体験」や「トリックアート展示」といったイベントが行われます。どれも家族で楽しめる催しとなっていますので、ぜひ、体験してみてはいかがでしょうか。

福島の魅力は、ここまで紹介してきたような観光地ばかりではありません。豊かな自然や食文化が生んだ、おいしい福島グルメも、旅の楽しみの一つです。ここでは、そんな福島を代表するおいしい食べ物たちを紹介していきます。

福島県は、四季折々のおいしい果物が獲れる「フルーツ王国」としても有名です。桃やさくらんぼ、梨にぶどうなど、多くのフルーツが、全国的にも高い生産量を誇っています。冬の季節にはりんごが旬を迎え、中でも「ふじ」は驚くほど甘い品種として大人気です。福島旅行のお土産にも最適ですね。

福島は、ラーメンもおいしい地域ですね。特に、あっさりスープが病みつきになる、喜多方市発祥の「喜多方ラーメン」は日本三大ラーメンの一つとされています。また、もっちりとした食感の麺が特徴的な白河ラーメンも、近年全国的に注目が集まっている人気ラーメンです。寒い冬の季節には、これらのラーメンを食べて温まりたいものですね。

福島県は、2011年の東日本大震災によって、大きな被害を受けた地域でもあります。福島第一原子力発電所の事故は、いわれのない風評被害をもたらし、復興途上にある福島の経済に、大きな影を落としました。しかし、ここまで書いてきたように、福島には大変魅力的な観光地がたくさんあります。数々の名所たちが待つ冬の福島に、ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。