成田空港拡張計画とは?わかりやすく解説
成田空港は1960年代の国際航空需要の著しい伸びに対して、羽田空港の国際線の受け皿としての役割を持って1978年に開港しました。2020年代には需要が現在の空港の処理能力を超えるという予測があり、また、海外の空港との路線獲得競争の激化もあるため、空港機能の強化が計画されています。
成田空港の歴史と国際環境のあらまし
成田空港は「新東京国際空港」として開港し、民営化に伴って正式名称を「成田国際空港」と改められました。運営会社は「成田国際空港株式会社」で、前身の「新東京国際空港公団」(略称NAA)からの略称を引き継いでいます。開港から40年近くがたって、主に空港機能などの問題点が浮かび上がってきました。
国際航空競争環境の激化
成田空港自体のハード面やソフト面の問題点とともに、アジア各国でハブ空港建設が促進されたことにより、成田空港の競争力が相対的に大きく低下しました。当初の空港計画も現時点で87%の達成率です。このような背景から、滑走路やターミナルの建設や離着陸時間制限の緩和などが、待ったなしの課題となります。
改訂された成田空港基本計画について
成田空港には元々、1966年に制定された基本計画なるものが存在していました。国土交通省が2019年11月5日に公表した新基本計画は、53年ぶりに初めて改定されたことになります。
この改定は成田空港の機能強化を目指して、検討を進めてきた「国交省」「NAA」「千葉県」「空港周辺9市町村」による、「4者合意」(18年3月)を受けたものです。
新基本計画の柱としては
改訂された新基本計画の柱は、滑走路の新設および延長によって航空機の年間発着回数を30万回から50万回へ増やすものです。それに伴って、空港敷地面積は現在の1,198ヘクタールから2,297ヘクタールへと、約2倍に広げられる計画になります。予定では新ターミナルの建設も織り込み済みです。