成田空港拡張計画に伴う工程と問題点
新基本計画では滑走路やターミナルなど、成田空港拡張の各施設の着工や完成の工程をどう見ているのでしょうか?用地買収も新基本計画公表時点においては100%ではありません。計画が具体化してくるに従い、騒音等の問題の顕在化も心配で、それらの問題点を整理してみます。
誘導路やターミナルの完成予定
当初の計画では、2020年代後半にC滑走路併用となっていましたが、基本計画の改定を受けて、2028年末までに新設する変更許可の申請を行いました。2019年6月に就任したNAAの田村新社長は「2020年代半ばを目指す」という、考えも表明しています。
政府の姿勢からも完成予定は早まる可能性
NAAの新基本計画をさらに前倒ししようとする姿勢は、国を挙げての「観光先進国」を目指す上で、成田空港の発展が不可欠という見方に基づくものです。
空港の処理能力とのからみ
2020年代半ばにおける成田空港の需要は現在の空港処理能力を超える可能性が大となっています。混雑状況や空港の処理能力の強化という観点で、成田空港の早期拡張が計画されています。
新基本計画にかかわる問題点
成田空港の現有面積は1,198ヘクタール、新基本計画で申請する面積は2,297ヘクタールです。拡張には1,099ヘクタールが必要になります。
そのうちNAAの所有地および公有地を除くと、必要な民有地は743ヘクタールです。民有地の約1,230人からは、すでに同意書を取得済みで必要な全体拡張面積の96%に見通しがついています。
問題点もあるが新基本計画は概ね順調
土地取得の経緯をみると、当初の成田空港開港時のような、土地収用を巡る混乱による遅延は想定しづらいと言えます。けれども、計画が具体性を帯びてくるにつれて、アクシデント要素の発生は避けられません。
一番の危惧は地元住民に対する騒音問題です。世界経済の影響による空港需要動向も、拡張計画に対するフォローが追い風に変わるかもしれない可能性は残っています。
成田空港拡張でますます便利に!
成田空港を拡張する新基本計画について詳しく解説してきました。空港能力としては国際競争力上に不可欠な3,500メートル以上の滑走路が3本整い、大規模なターミナルや高速離脱誘導路・監視装置WAMなどの施設が整備されます。
国際ハブ空港として遜色ない、成田新空港の登場です。観光客の入出国に、あるいは貨物輸出入にますます便利な存在となるでしょう!