おばいけはコラーゲンたっぷり！山口のくじらを使った郷土料理をご紹介！

日本には各地域に「郷土料理」があります。「郷土料理」とは地域の食材を活用し、その土地の風土に合ったものとして調理された料理のことです。その土地でしか食べられない料理が多いので「郷土料理を食べる」ことは旅行者の楽しみの1つです。山口県は、そんな郷土料理の種類が豊富な地域です。

食材の宝庫である山口県には郷土料理の種類も豊富です。三方を海に囲まれた県ということで、肉料理よりも魚料理が多い傾向にあります。

• 岩国ずし
• ふぐ料理
• 茶粥
• 車えび料理
• シロウオ料理
• 瓦そば
• いとこ煮
• わかめむすび
• おばいけ

「おばいけ」とは鯨の肉の「尾羽毛」という身と尾の間の部分の肉を刺身として、そのまま酢味噌などをつける食べ方の料理のことです。おばいけで使用されているクジラの部位の「尾羽毛」は、鯨の肉の中で最もおいしく、食感が良いと言われています。

おばいけは、低カロリーでヘルシーな料理なため、ダイエット中の方にも安心して食べていただけます。カロリーは1食70グラムあたり22キロカロリーです。低脂肪で炭水化物をほとんど含まないため低カロリーになります。

お酒は飲みたいけれどダイエット中という方には、お酒がすすむ上に低カロリーでおいしい、おばいけがおすすめです。

おばいけで定番の味付けは酢味噌ですが、酢味噌以外にもおいしい味付けがあります。1つ目は、わさび醤油やわさび味噌など「わさびを含む味付け」、2つ目は、「辛味噌やキムチのタレなどの味付け」です。自宅でおばいけを食べる際は、いろいろな味付けで楽しむのもおすすめします。

節分の日に恵方巻を食べることは全国的な風習ですが、地域によって鰯を食べたり、けんちん汁を食べたりすることもあります。山口県の節分の風習は「節分の日にクジラを食べる」ということです。

節分は一年の節目とされており、その日にくじらを食べるということは「大きな幸せ」を願うとか、「心や志を大きく」ということを意味します。

おばいけの食材に使われているクジラ肉についてご存知ですか？クジラ肉はおいしいだけではなく、現代人に必要な栄養素が豊富に含まれる食材です。部位別の味や食感、栄養価などあまり知られていないクジラ肉について詳しく紹介します。

山口県は、かつてくじら漁が盛んな地域でした。山口県の北浦海岸では古くから、くじら漁が行われ、江戸時代から明治時代までの200年あまりにわたり集団捕鯨がされていたようです。

そのため赤身だけではなく皮、内蔵にいたるまで、さまざまな方法で調理されました。くじら漁で栄えた地域だからこそ多くのくじら料理が誕生したようです。

くじらの肉は部位によって牛・豚・鶏肉とは異なる名前があり、部位によって食べ方が変わります。

しっぽの付け根あたりの肉を「尾の身」、くじらの皮を皮下脂肪ごと切り分けて乾燥させたものを「コロ」、舌の部分の肉は「さえずり」、腹の部分は「うね」、しっぽと身の間の部分を「尾羽毛」といいます。

「くじら肉は栄養価的に優秀な食品」と言われています。牛・豚・鶏肉よりも高タンパクでありながら低脂肪です。また、鉄分やビタミンAも豊富に含まれています。生活習慣病患者が増えている現代には、必要な栄養素が十分に含まれており身体にいいです。

動脈硬化を防ぐ力があるDPA(ドコサペンタエン酸)も豊富に含まれ「栄養価が高い」といえます。

• 【赤身】クジラ肉の大部分が赤身です。鮮度の良いものは臭みが少なく刺身になります。
• 【さえずり】くじらの舌の部分は脂肪分が多く味が濃厚なのが特徴です。さえずりの上の部分と下の部分では、食感が異なります。
• 【尾羽毛】おばいけに使われている部位です。骨がなく脂肪、ゼラチン質が多いことと独特な歯応えがある食感で人気があります。

クジラ肉は現在家庭料理にあがることはほとんどありませんが、かつては日本人にいろいろな食べ方でよく食べられていました。そのため、クジラ料理のレシピはたくさん残されています。

• クジラ鍋
• クジラの刺身
• クジラの竜田揚げ
• クジラベーコン
• クジラのにぎり寿司
• クジラのステーキ
• クジラの天ぷら

おばいけのレシピを紹介します。おばいけを手に入れるのは大変かもしれませんが、スーパーなどで売られている刺身こんにゃくでも代用は可能です。作り方自体はシンプルなので、簡単に調理できます。

• おばいけ:80g
• わけぎ:100g
• 麦味噌:大さじ2
• 砂糖:大さじ1と1/2
• 酢:大さじ1と1/2 
• うまみ調味料:少々
• 練りからし:小さじ1

1. おばいけをさらしクジラにします。さらしクジラは熱湯で脂肪や塩分を除いて水にさらしたくじら肉のことです
2. さらしクジラは一口大に切ります
3. わけぎは塩を少々加えた熱湯でゆで、冷水にとって水気を切る。根を切り落とし一口大に切ります
4. すり鉢で麦味噌と砂糖を混ぜ、酢で溶かしながらのばし、うまみ調味料とねりがらしも混ぜる。さらし鯨とわけぎに絡めます

「おばいけを食べたいけれど山口県まで行くのはハードルが高い」という方も多いはずです。実は山口県に限らず全国でおばいけを食べられる店は多数あります。地元でおいしいと有名なお店を含む全国3カ所のお店を紹介します。

山口県に旅行に行った際におばいけを食べるなら、下関にある居酒屋「三枡」さんをおすすめします。店主と女将の2人でお店を運営している「こぢんまり」とした大衆酒場です。

おばいけはもちろん、くじら料理の種類が多いだけでなく、山口県で有名なふぐ料理も楽しめます。食べログ人気店のため予約してからの来店をおすすめします。

JR新宿駅西口から徒歩3分にある思い出横丁内に「鳥園」では、おばいけはもちろんクジラ肉を使用している「はりはり鍋」「クジラの竜田揚げ」「クジラステーキ」などさまざまかクジラ肉の食べ方を楽しめます。

店内の席数も多いので大人数でクジラ料理を食べたい方にもおすすめです。もちろんクジラ料理以外にも焼き鳥・おつまみ・一品料理と、そのジャンルの幅は圧巻の一言といえます。

創業年数が長く昭和の時代から続く地元でも大人気の大衆居酒屋です。居酒屋の定番メニューはもちろん、小倉ならではのメニューも揃っており「おばいけ」だけではなく、多種類のクジラ料理をいただけるということで地元の方を中心に人気があります。

お酒の値段も安いので心ゆくまで飲みながら料理を楽しめるのでおすすめです。

「おばいけを食べてみたいけれど家でつくるのは大変そう」、「外で食べてみたいけれどおばいけを食べられるお店が近くにない」という方向けに通販でおばいけを注文することを提案します。酢味噌などの味付けのタレもセットになっている商品が多いので自宅に届いて、すぐに食べられるのが魅力です。

「おばいけ」は山口県の郷土料理ですが山口県だけではなく、都内でも食べられます。くじらの肉はあまり食べたことないからということで抵抗がある人も多いかもしれませんが、「おばいけ」は臭みがないうえに食感がよく、食べやすくおいしいので一度食べてみることをおすすめします。

特に山口に行った際は山口のおいしいお酒を飲みながら、おばいけを食べられたら最高です。