目次 [表示]
- 大阪の新今宮は「日本一治安が悪い」って本当?
- 新今宮は日本最大の「元:日雇い労働者」の街
- JR線の南側「あいりん地区」は治安に注意!
- 再開発が進むJR線の北側の治安はいい
- 新今宮周辺の現在の街の主役は「観光客」
- 治安や危険ばかりに注目するのはやめよう
- 現在の新今宮は大阪観光の「究極の穴場」
- 新今宮は「最もディープな大阪」の最寄り駅
- 大阪の主要観光スポットに乗り換えなしで行ける
- 関西全域へのアクセスにもとても便利
- 新今宮は昭和の頃からすっかり「変身」
- 危険地帯・犯罪・悪臭・ホームレスは激減
- ドラマと映画が最初に新今宮の悪いイメージを変えた
- 外国人観光客が再開発に拍車をかけた
- 現在の新今宮でやっていいこと、悪いこと
- ホームレスは興味本位で見られることを嫌悪
- JR線の南側「あいりん地区」での注意点とNG行動
- 新今宮周辺の夜、ぶらぶら歩きは危険?
- 新今宮周辺の格安ホテルって実際いいの?
- 新今宮のホテルはなぜ安いの?
- ここ10年はホテルの建て替え・新設ラッシュ
- 悪い印象を持たない目安は1泊3,000円以上
- 新世界で最もディープな大阪観光を楽しもう!
- 昭和の繁華街の香りが日本一色濃く残る「新世界」
- 串カツ・たこ焼き、大阪グルメの原点はここにあり
- スパワールドはミシュラン掲載の温泉テーマパーク
- 天王寺動物園はアフリカのサバンナが大人気
- 日本一高いビル「ハルカス」にも歩いて行ける
- 新今宮周辺の治安はどんどんよくなっていく
大阪の新今宮は「日本一治安が悪い」って本当?
ここ数年で「新今宮駅」周辺が、大阪の観光地や宿泊地として名前があがることが多くなりました。ホームレスが密集して悪臭が漂い、外部の人間は絶対に近づかなかった昭和の頃にはありえなかったことです。夜間や特定エリアで注意が必要なところも残っていますが、簡潔に言うと新今宮の治安は各段に「よく」なっています。
新今宮は日本最大の「元:日雇い労働者」の街
昭和40年代、全国から新今宮周辺に日雇い労働者が集まります。ケガで仕事ができずホームレスになった人も増え、スラム化していきました。しかし平成になる頃には日雇いの仕事も激減し、高齢になった日雇い労働者の多くが生活保護を受けて暮らしています。「日本一治安が悪い」イメージは、すでに過去のものになりました。
JR線の南側「あいりん地区」は治安に注意!
元:日雇い労働者が多く住む「あいりん地区」は、地図の赤く塗りつぶした、JR新今宮駅の南を走る大通りから南側です。古い建物や清潔に見えないお店も少なくありません。ホームレスの姿を見かけることもあり、どこかものものしい雰囲気が漂っています。「ここは昔はスラム街だった」と多くの人が感じるでしょう。
再開発が進むJR線の北側の治安はいい
JR新今宮駅の北側は、再開発やお店の新規オープンが進み、夜間でも危険を感じることはまずありません。JR線の高架沿いに新しいホテルが立ち並び、新世界のグルメ街と通天閣周辺では、夜も多くのお店が営業しています。人通りも多いことから、女性だけのグループでも危険を感じることはないでしょう。
新今宮周辺の現在の街の主役は「観光客」
日雇い労働者が激減していることもあり、新今宮周辺を出歩く人のほとんどは観光客です。外国人だけでなく、日本人観光客も老若男女たくさんいます。新世界・通天閣や動物園を訪れる人が、新今宮駅と天王寺駅の間を回遊しており、難波や黒門市場まで足を延ばす人もいるほどです。
治安や危険ばかりに注目するのはやめよう
新今宮は今や、色濃くのこるディープな大阪の文化を楽しめる街です。ホームレスや日雇い労働者は見物の対象ではありません。治安や危険ばかりにスリル感を求めるのではなく、彼ら・彼女たちが築いてきたディープな大阪カルチャーに注目しましょう。今の新今宮では、そんなディープなカルチャー必ず出会うことができます。
現在の新今宮は大阪観光の「究極の穴場」
大阪の観光地と言えば、戎橋・道頓堀・大阪城が有名ですが、新今宮駅が「新世界」など有名な観光スポットの間近にあることは案外知られていません。JR・南海・地下鉄など8路線が利用でき、大阪のみならず関西全域へのアクセスにもとても便利です。「とにかく立地がいい」新今宮に、あらためて注目してください。
新今宮は「最もディープな大阪」の最寄り駅
新今宮駅から徒歩5分ほどで行ける通天閣のある新世界エリアには、昭和のレトロ感が色濃くのこっています。道頓堀ではそうしたレトロ感は感じられません。串カツ店の煙突から漂う香ばしい油の香りや、昭和に絶滅したスマートボールやインベーダーゲームのお店が、訪れた人を昭和にタイムスリップさせてくれます。
大阪の主要観光スポットに乗り換えなしで行ける
JRと南海の新今宮駅(大阪メトロは動物園前駅)を利用すると、大阪のメジャーな観光スポットに乗り換えなし一本で行けます。
- あべのハルカス、鶴橋
- 大阪城
- 難波、戎橋、道頓堀、黒門市場、心斎橋
- 梅田、中之島
- 万博公園、長居スタジアム
関西全域へのアクセスにもとても便利
新今宮駅(動物園前駅)から乗り換えなしで行けるスポット
- 奈良、法隆寺、和歌山
- 関西空港、新大阪駅
- 京都、大津、彦根
- 神戸、甲子園球場、姫路、宝塚
- 世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」、花園ラグビー場
- 伊丹空港
新今宮は昭和の頃からすっかり「変身」
新今宮が昭和の頃から最も変わったのは、新今宮エリアの外側から人がやって来るようになったことです。この変化は、大阪経済の長期低迷とバブル崩壊によってもたらされました。1990年代の末期に「日本で最もさびれた繁華街」として、逆に注目されるようになったのです。
危険地帯・犯罪・悪臭・ホームレスは激減
血気あふれた日雇い労働者がたむろしていた昭和の頃は、彼らのストレス解消に麻薬や売春など、違法ビジネスが横行していました。しかし景気低迷や警察による取り締まり強化で、怪しいビジネスも先細りになります。生活保護が普及し、ホームレスも減少しました。街を汚す人が少なくなり、スラム街の様相は一変していきます。
ドラマと映画が最初に新今宮の悪いイメージを変えた
1990年代に、新世界を舞台にした映画やドラマが注目され、新今宮の変貌が全国的に知られるようになります。地元出身のタレント赤井英和の半生を描いた映画「どついたるねん」や、NHKの朝ドラ「ふたりっこ」です。新世界のお店も、日雇い労働者向けから観光客向けに、どんどん変わっていきました。
外国人観光客が再開発に拍車をかけた
2010年前後、交通の便と宿泊料金の安さに目を付けた外国人観光客が増え始めると、老朽化したホテルの建て替えや新築が活発になりました。JR線の南側でも、大通り沿いにはホテルの新築が相次ぎ、清潔で治安がいいエリアに変貌していきます。
現在の新今宮でやっていいこと、悪いこと
治安がいいエリアが増えたとはいえ、元:日雇い労働者が多いJR線の南側を中心に、注意点やNG行動は依然あります。「元:スラム街だったエリアは観光地ではない」という点をしっかりと頭に入れてください。危険やいやな思いを避ける基本です。
ホームレスは興味本位で見られることを嫌悪
JR線の南側エリアに立ち入ると、ホームレスや日雇い労働者と思しき人を見かけることが多くなります。興味本位で指差す・話しかける・許可なく写真を撮ることは絶対にNGです。彼らはさげすんだように見られることを最も嫌います。人間の感情として当然ですよね。
JR線の南側「あいりん地区」での注意点とNG行動
建物や風景の写真撮影はNGではないですが、撮りすぎないよう注意しましょう。ホテルや飲食店に向かうように、目的があって自然に歩いているよう振る舞うことをおすすめします。単に物見遊山に来ていると思われると、ストレスのたまった人を刺激し、トラブルの元になります。
新今宮周辺の夜、ぶらぶら歩きは危険?
JR線の北側では、女性の一人歩きでない限り、夜のぶらぶら歩きは全く問題ありません。一方JR線の南側では、夜のぶらぶら歩きは避けるべきです。まっすぐホテルや飲食店に向かうよう注意しましょう。女性だけのグループでは、夜の南側への立ち入りもおすすめしません。
新今宮周辺の格安ホテルって実際いいの?
今の新今宮の魅力を支えるもう一つは、何と言っても格安ホテルです。立地の良さとリーズナブルな料金に目を付けた外国人観光客に加え、近年は日本人観光客の宿泊も増えています。新築も多く清潔で快適、大阪で最も注目を集める宿泊エリアです。
新今宮のホテルはなぜ安いの?
新今宮の格安ホテルは、個室ながらもシャワー・トイレ共同が一般的です。日雇い労働者が中心だった昭和の頃からの慣習が、新今宮のホテルの安さを支えています。鍵のかかる清潔な部屋で、カプセルホテル並みの料金、人気が出ないはずがありません。
ここ10年はホテルの建て替え・新設ラッシュ
外国人を中心とした観光客の宿泊の増加で、ホテルの建て替えや新設が急増します。新しい建物により、新今宮の街は随分と明るくなりました。新設でも5,000円以下で泊まれることが多く、日本人の出張客までもが新今宮のホテルを利用するようになっています。
悪い印象を持たない目安は1泊3,000円以上
新今宮のホテルで安いところでは、驚くことに1泊1,500円以下もあります。この価格帯では施設の老朽化が極端で、観光客の宿泊はほとんどありません。清潔感や客層で悪い印象を持たない目安は、1泊3,000円以上です。築10年以内のホテルを選ぶこともおすすめします。
新世界で最もディープな大阪観光を楽しもう!
そもそもディープなイメージが強い大阪の街ですが、新今宮はその中でも最たるところでしょう。大阪グルメや昭和レトロなお店から、動物園・美術館・温泉テーマパーク・展望台と、個性の強い様々な観光スポットがよりどりみどりです。
昭和の繁華街の香りが日本一色濃く残る「新世界」
スマートボール、将棋会館、インベーダーゲームなど「なんでも鑑定団」に登場しそうな、昭和に絶滅したお店が新世界では今も健在です。「治安が悪い、危険だ」という過去のイメージが根強いことで、かえって「昭和の遺産」としてのリアル感を醸し出しています。
串カツ・たこ焼き、大阪グルメの原点はここにあり
写真は大阪で最も人気がある串カツ店「八重勝(やえかつ)」です。行列していないことはまずありません。座席は狭いですが、注文への対応はきびきびしており、テンポよく絶品の串カツを楽しめます。周辺には立ち呑み・たこ焼き・立ち食いうどん・寿司といった、B級で楽しめる大阪ディープ・グルメが目白押しです。
スパワールドはミシュラン掲載の温泉テーマパーク
スパワールドは、一日中楽しめて宿泊もできる温泉テーマパークで、ミシュランで一つ星に認定されたこともあります。お風呂はもちろん、グルメ・エステ・マッサージなど、リゾート地のようなサービスをリーズナブルに楽しめることが人気の秘密です。新世界のど真ん中にあり、夜を過ごすにもうってつけでしょう。
天王寺動物園はアフリカのサバンナが大人気
新世界の繁華街の東側に天王寺動物園が隣接しています。新今宮駅と乗り換え可能な大阪メトロの駅名が「動物園前」となっているのはこのためです。再現されたアフリカのサバンナで、ライオンが闊歩しています。昭和レトロとは真逆の非日常感が、国内外の観光客に大人気です。
日本一高いビル「ハルカス」にも歩いて行ける
写真は、新世界から天王寺駅まで、動物園の敷地を見下ろしながら無料でバイパスできる遊歩道です。関西でも有数の美術展が開催される大阪市立美術館を正面に見据え、日本最高峰のビル・あべのハルカスが見えるSNS映えする風景です。動物園周辺も昭和の頃はホームレスが密集していましたが、現在では隔世の感があります。
新今宮周辺の治安はどんどんよくなっていく
新今宮の危険なイメージを変貌させたのは、まさに外国人観光客さまさまです。交通の便のよさに真っ先に気付いたのも外国人でした。JR駅の北側では、あの星野リゾートの高級ホテルの建設が始まっており、2022年に開業するとさらに新今宮の街のイメージは一変するでしょう。新今宮は大阪観光の最先端を進んでいます。
出典:ライター撮影