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徳島には電車が走ってない?乗り方は電車と同じ?よくある疑問を解説

徳島には電車が走ってない?乗り方は電車と同じ?よくある疑問を解説

徳島は電車が走ってない日本で唯一の都道府県です。走っている列車は電車ではなく「汽車」なのです。電車と汽車の違いや、徳島で走っている汽車の正体が何かを詳しく解説します。徳島で電車が走ってない理由や汽車の乗り方など、よくある疑問もこれを読めばきっと解決するはずです!

目次 [表示]

徳島には電車が走ってない!

Photo bypixel2013

徳島で走ってるのは、電車ではなく汽車なの?

徳島の鉄道路線で走っているのは電車ではなく、「汽車」だということをご存知でしょうか。汽車というと蒸気機関車のイメージが強いですが、徳島の場合は、軽油を燃料にして走るディーゼル車のことを汽車と呼んでいるのです。どういうことなのか詳しく解説しますので、徳島の汽車についての理解を深めていきましょう。

汽車とは何か?電車との違いは?

Photo by kalleboo

徳島には電車が走ってないかわりに、汽車と呼ばれている列車が走っているのですが、そもそも汽車がなにかをご存知ない方も多いかもせれません。徳島の方が汽車と呼ぶ列車についてきちんと理解するために、まずは汽車と電車の違いを確認しておきましょう。

汽車

石炭で水を熱したときに発生する蒸気によって動かす蒸気機関車、または蒸気機関車で引っ張っている車両のことを汽車といいます。SL(Steam Locomotive)という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれませんが、蒸気機関車が正式な名称です。

徳島の場合も、軽油が燃料のエンジンを搭載したディーゼル車のこと汽車と呼んでおります。汽車という言葉は蒸気機関車のことを指すのが正式なのですが、実は幅広い意味で使われていることがあります。

電車

電車とは、その名の通り電気を動力源として走行している車両のことで、車体の下にあるモーターによって車輪を動かします。車両の上にあるパンタグラフというひし形の部品を使って線路上にある架線から電力を取り込むことが可能です。電車は車などと違い、途中で燃料を補充しなくても、長時間・長距離走行できます。

徳島に電車が走ってない理由は?

フリー写真素材ぱくたそ

一般的には、徳島県内を走っている鉄道も電車だと思っていた方はとても多いのではないでしょうか。そもそも、日本に電車が走ってない県があるということを想像することもなかったかもしれません。ではなぜ徳島は、日本全国のなかでも唯一電車が走ってないのか理由が気になるところです。

徳島に電車が走ってない理由①:鉄道会社の資金不足

山間を走ることが多い徳島の鉄道は乗客数もそれほで多くなく、大規模なターミナル駅がありません。そのため、電車を走らせる路線を開業できる資金力のある私鉄もなかったため、現在まで電化できずにきてしまったのではないかといわれています。

徳島に電車が走ってない理由②:蒸気機関車の無煙化

Photo by 水村 亜里

国鉄による動力近代化計画が始まり、蒸気機関車から軽油を燃料としたディーゼル車への移行が早くから進められました。ディーゼル車に移行することで安全性に問題のある蒸気機関車を撤廃し、鉄道の無煙化に成功したのです。無煙化することで、その後電力化する必要があまりなかったことが理由の一つでしょう。

徳島に電車が走ってない理由③:ディーゼル車の普及

蒸気機関車から軽油を燃料としたディーゼル車に移行後、すぐにスピードや輸送力を十分確保できました。より安全で利便性のあるディーゼル車が、県内で広く普及したことも徳島の鉄道が電化しなかった大きな要因といえます。

徳島の汽車の乗り方は電車と同じ?

Photo bydldusdn

四国の徳島や愛媛には、自動改札機がなかったり、駅員がいない無人駅が今も多く存在します。自動券売機に関しても、大きいターミナル駅などにはありますがまだまだ広く普及されているわけではありません。乗り慣れていないと、乗り方に戸惑ってしまうかもしれませんので、事前に確認しておくと安心です。

乗り方①:有人駅から乗車する場合

無人駅が多い徳島県ですが、比較的大きな駅の場合は駅員がいるので、乗車券を購入してから汽車に乗ります。乗車券は自動券売機で購入するか、なければ窓口で購入してください。自動券売機があったとしても、自動改札機はない駅がほとんどですので、改札口で乗車券を見せましょう。

乗り方②:無人駅から乗る場合

徳島県内に多く残る無人駅は、初めて汽車にのるときは乗り方に戸惑ってしまうかもしれません。乗る駅や汽車によって違う乗り方のパターンがありますので、それぞれの駅で確認が必要になってきます。無人駅でさらに自動券売機がない、乗った汽車に車掌もいないなんてことも少なくありません。

自動券売機がある駅

Photo by Kuruman

無人駅には、自動券売機があることも多いので、乗車券を購入すれば迷わずに安心して乗れるでしょう。もちろん駅員はいないので、購入した乗車券を持ってそのまま汽車に乗ってしまって問題ありません。

自動券売機が無い駅

Photo by K.Kurichan

無人駅で自動券売機もない場合には、乗車券を駅で購入できないので、そのまま汽車に乗ることになります。汽車に乗ったあと、新幹線や特急列車のように車掌さんが車内を巡回してきますので、乗車した駅からの運賃を支払って、乗車券を購入してください。

自動券売機が無い駅で+ワンマン運転

四国を走る汽車は、運転士のみで車掌が乗車していないワンマン運転をしている路線も多くあります。自動券売機がない無人駅から乗車し、さらにワンマン運転だった場合には降りる駅まで乗車券を購入できません。そのようなときは、バスに乗車するときのように整理券を忘れずに取りましょう。

降り方①:有人駅に降車する場合

フリー写真素材ぱくたそ

乗車券のあり・なしに関わらず、有人駅で降車する場合はそれほど心配はいりません。汽車に乗車するときと同様に、降車するときにもいろいろなパターンによって降り方が違ってきますので、事前に確認しておいた方が安心です。

乗車券あり

乗車するとき、もしくは車内で乗車券を購入していて、有人駅で降車する場合は、持っている乗車券を駅員に見せましょう。有人駅であっても自動改札機はありませんので、改札口で駅員に乗車券を見せましょう。乗り慣れた電車と同じ感覚なのでこれなら安心ですね。

乗車券なし+整理券あり

Photo by halfrain

自動券売機がない無人駅から、ワンマン運転の汽車に乗車して整理券を取った場合は、汽車を降りたあとに駅員に整理券を渡します。そこで、降車駅までの運賃を駅員に支払えば大丈夫です。正確な運賃を証明できなくなってしまうので、乗車券がない場合は整理券は忘れずに取りましょう。

降り方②:無人駅に降車する場合

Photo by taitiro1987

初めて無人駅に降りた方は、どうやって降りたらよいか迷ってしまうかもしれません。特に、乗車券がないまま汽車に乗ってきた場合を想像すると、運賃をどこで払ったらよいか不安になってしまいます。乗車券がないまま、無人駅に降車するケースもよくあることなので、今のうちに確認しておくとよいでしょう。

乗車券あり

汽車に乗る際に乗車券を買うか、社内で買って無人駅で降りる場合は、降りるときに車掌に乗車券を渡します。無人駅ですから改札にはだれもいませんので、忘れずに車掌に乗車券を渡しましょう。車掌がいる汽車の場合、降車口が後方の扉のみになっていることがあります。

乗車券あり+ワンマンカー

Photo by arnmmn

手元に乗車券があり、車掌のいないワンマンカーに乗って、無人駅で降車する場合の折り方は2パターンあります。ワンマンカーは、先頭車両の降車口に回収箱があり、その中に乗車券を入れてから汽車を降りてください。車内に回収箱がない場合には、駅の改札口に置いてある回収箱に乗車券を入れます。

乗車券なし

乗車券を持っていない場合は、整理券を取ってあとから運賃を支払う必要があります。多くの場合は降車口に運賃箱が設置されているので、整理券と運賃を入れてください。運賃は、降車口に運賃表が貼ってあり、整理券と運賃表を見て金額の確認ができます。

徳島の汽車が走っている路線は?

Photo by PYONKO

徳島県には、土讃線・高徳線・牟岐線・徳島線・鳴門線のJR四国の路線が5本と、阿佐東線という私鉄が1本走っています。県内を走っている路線は、すべて軽油を燃料としたディーゼル車なので、徳島県では汽車の旅を楽しんでみてください。

JR四国

Photo by naitokz

徳島県のJR四国の路線では、徳島線・牟岐線・鳴門線が徳島県内のみを走っているローカル路線です。徳島駅は県内で最も規模の大きなターミナル駅で、JR4路線が乗り入れており、1日平均8000人以上が利用している主要駅となっています。

路線①:土讃線

土讃線は、四国の香川県多度津駅から高知県の窪川駅を結ぶJR四国の主要路線です。徳島県内は、県西部に位置する阿波池田駅を中心に、大歩危駅など9つの駅を通ります。瀬戸内海から四国の山を越えて走る土讃線からは、大自然の絶景をあちこちで見られ、善通寺や金刀比羅宮などの名所も数多くあり、観光に最適です。

路線②:高徳線

Photo by senngokujidai4434

徳島駅から香川県高松駅を走るJR高徳線には、ディーゼル車の特急うずしお号が走っています。うずしお号は、軽油を燃料としたディーゼル車でありながら、最高速度が時速130キロで走行可能です。徳島県内は、徳島駅・佐古駅・池谷駅のほか、観光スポットの霊山寺がある坂東駅などがあります。

路線③:牟岐線

牟岐線は県東部にある徳島駅から南下し、終点の海部駅までの全30駅ある徳島のローカル線です。徳島の市街地を抜け、のどかな田園や住宅街を通り、そのまま山を抜けると目の前に海が広がります。

海沿いを走って終点の海部駅まで行くと、阿佐海岸鉄道と接続しており、2路線あわせて阿波室戸シーサイドラインという愛称で人々に親しまれている路線です。

路線④:徳島線

Photo by yusuke.inquisitor

JR徳島線は吉野川に沿って走行していて、佃駅から佐古駅の24駅を結ぶ徳島県のローカル線です。学駅や穴吹駅にはレトロで情緒溢れる駅舎があり、それを見るためだけに途中下車してみるのもよいでしょう。吉野川沿いを走るJR徳島線は、よしの川ブルーラインという愛称で呼ばれています。

路線⑤:鳴門線

Photo by PYONKO

JR鳴門線は、JR高徳線も乗り入れている池谷駅から鳴門駅までの走行距離8.5キロ、7駅の短い路線です。終点の鳴門駅からバスに乗って鳴門公園で下車すると、鳴門の渦潮で有名な鳴門海峡があります。世界三大潮流といわれているダイナミックな鳴門のうずしおは徳島でも人気の観光スポットです。

阿佐海岸鉄道

Photo by hngyue photography

阿佐東線を運営する阿佐海岸鉄道は、徳島県の南東から高知県の海沿いを結び、四国の2県をつなぐ路線です。阿佐海岸鉄道では2020年までに、線路と道路の両方を走れるDMV(デュアル・オード・ビークル)を導入することが決まっています。

DMVの燃料は軽油で、通常のディーゼル車よりもコンパクトで軽量のため、燃料費を抑えられるという点がメリットです。

路線⑥:阿佐東線

阿佐東線は、JR牟岐線の終点である海部駅から高知県の甲浦駅までの3駅しかないとても短い鉄道路線です。

トンネルが多い路線なので、「天の川列車」として車内にイルミネーションが飾られていて、トンネルに入ると車内がブルーに染まります。海岸鉄道というだけあって、車窓からは海を見れるとてものどかなローカル路線です。

徳島には汽車と呼ばれるディーゼル車が走っている!

Photo by PYONKO

地元の人たちの交通手段は、車が多いので汽車を利用する人は決して多くはありません。それでも徳島の人の前で汽車のことを電車と呼ぶと訂正されるのは、愛着を持っている方が多いということですね。徳島を訪れた際は、のんびりのどかな風景を見ながら、情緒あふれる汽車の旅をしてみてはいかがでしょうか。

徳島で汽車の旅をしてみよう!

sam
ライター

sam

旅先で美味しいものを食べて、景色や建物を見ながらのんびりするのが至福の時間。どちらかといえば国内派。

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