房総半島ってどんなところ?
千葉県の大部分を占める房総半島は、千葉県内一の観光エリアでもあります。空港やアミューズメント施設、工業地帯などの都会的な部分と山や海、川などの自然が豊かな部分2つの顔をあわせ持つ地域です。南部には1958年に指定された国定公園があり管理されています。そんな房総半島についての特徴や房総という名前の意味と由来、外房と内房などを分かりやすく解説します!
房総半島の特徴
房総半島は陸地の三方を海に囲まれた半島です。豊かな自然のおかげで、バラエティに富んだ景色を見ることができ、海と山の文化、両方を1日で体験できるのも魅力です。海岸地帯では海水浴やマリンスポーツを楽しむことができますが、岩礁や海食崖なども見られ、美しい景観を楽しむことができます。また山も多く、低山で難易度が低いので初めての登山にもおすすめです。一方で東京湾岸には工業地帯が広がり、東京湾アクアラインなど交通網も発達しているため、都心部との交通を結ぶ重要な地域となっています。
房総半島の地形
房総半島の北部は、下総台地が広がる平坦な地形となっている一方で、南部は上総丘陵や安房丘陵の丘陵地が広がる山岳地となっています。下総台地は、関東平野に属し、富士山の火山灰からなる関東ローム層が分布しています。南部の丘陵地は、比較的新しい大地で硬い岩石が少なく、泥や砂などが押し固められてできた地層となっています。房総半島の成り立ちは地域によって違っていて、プレートの堆積物が押し付けられて作られたのが安房丘陵。深海の泥と浅瀬の砂が積み重なって陸となったのが上総丘陵。地球の気候変動により海面水準が変化して陸化したのが下総台地です。
房総半島の産業
太平洋を流れる黒潮と親潮の影響で夏は涼しく過ごせ、冬は温かいことから避暑地や避寒地として有名です。そのため別荘地やマリンリゾートとしても発展し、観光施設も多く整備されています。また、新鮮で豊富な魚介類も水揚げされる豊かな漁場でもあります。南房総市には8つの道の駅があり、道の駅の数が日本一です。南端部は無霜地域となっていて、その温暖な気候を活かした野菜やくだもの、花卉の栽培が行われています。東京湾側では、石油化学や鉄鋼など素材産業が発達し、商業施設やアミューズメント施設なども多く整えられています。
房総半島の由来
房総半島はどのように名付けられたのでしょうか。明治時代初期ごろまで日本の地理的区分の基本だった令制国において、安房国(あわのくに)、上総国(かずさのくに)、下総国(しもうさのくに)の三国を合わせた地域の呼び方が房総です。安房国は現在の南房総、千葉県中部が上総国と呼ばれていました。下総国は千葉県北部と茨城県の一部も含む地域を指していて、千葉県の中でも半島部分が「房総半島」と呼ばれています。
房総の名前の意味
房総という呼び方は、そもそもどんな意味があるのでしょう。約1200年前にまとめられた文献によると忌部(いんべ)氏の先祖・天富命(あめのとみのみこと)が移住したとき、麻を植えたところよく育ったため「総(麻)の国」と名付けたのが始まりだとされています。「総(ふさ)」は麻という意味で「総の国」を上下に分けて「上総」「下総」という国名になりました。
半島の定義
半島の定義を知っていますか?半島と言うと陸地の一部が突き出していて、三方を海に囲まれている島を思い浮かべると思いますが、実はきちんとした定義づけはありません。行政的には市町村の行政区域を基準として区画で分けられているようです。半島はプレートの移動によって形成されたものだけではなく、人工的に埋め立てられたものも同じように呼ばれています。
房総半島の範囲
どこからどこまでが房総半島とするのでしょうか。実は明確な範囲は決められてないようです。半島の基部は浦安と銚子を結ぶ下総台地であるとされていたり、狭い意味では南部の房総丘陵と海岸地域だけを指すとされていたりとさまざまです。
内房の範囲と特徴
内房の範囲は、東京湾側、館山市洲崎から富津市富津岬までとされていたり、広くは富津市湊付近までが内房とされていたりと明確な定義はないようです。『南総里見八犬伝』の舞台として有名な富山や名産品の房州びわが栽培される富浦などが含まれています。
外房の範囲と特徴
外房の範囲はあいまいで、館山市洲崎から太東崎までが外房としていたり、館山市洲崎から勝浦市までとしていたり、房総半島南東部の太平洋沿岸など、ざっくりと紹介されているものもあります。ただ、館山市洲崎が境界となっているのはどれも同じようです。温暖な気候を活かして、白浜ではキンセンカの生産が日本一で、海女のまちとしても有名です。和田には日本に4ヶ所しかない捕鯨基地のひとつがあり、サーフィンのメッカでもあります。
房総半島の定番スポット4選
豊かな自然とたくさんのスポットを持つ房総半島。リゾート感あふれ、東京からのアクセスの良さも抜群です。そんな房総半島の定番観光スポットをご紹介します。
房総半島の定番スポット1:鴨川シーワールド
鴨川シーワールドは、千葉県鴨川市にある水族館です。「海の世界との出会い」を展示テーマに自然環境を再現した展示を行っていて、11,000点を超える生き物を展示しています。シャチやイルカなどのプログラムが豊富で、迫力のあるパフォーマンスを身近で見ることができます。
房総半島の定番スポット2:マザー牧場
マザー牧場は、千葉県富津市にある観光牧場です。広い敷地内には動物とふれあえるエリアのほかに、季節ごとの花々が楽しめるエリアと手頃な価格で遊べる遊園地などがあります。世界中から集められた19種類の羊をあっという間に丸裸にしてしまう「シープショー」やアヒルが全力疾走する「アヒルの大行進」など楽しいショーやイベントがたくさん取りそろえられています。また、体験プログラムも豊富で、野菜やくだものの収穫体験、バターやジャム作り、木工品作り体験など家族で1日中楽しむことができるレジャースポットです。
房総半島の定番スポット3:鋸山 日本寺
鋸山は千葉県鋸南町にある山で南側が日本寺の境内になっています。曹洞宗のお寺である日本寺は、西暦725年に高僧行基菩薩によって開かれた関東で最も古い勅願所でもあります。登山にはいくつかルートがあって、徒歩で登ることも可能ですが石段が多いので注意が必要です。手軽に登りたいのであれば、ロープウェイや有料の登山自動車道を利用するのがいいでしょう。境内には、医薬の仏として進行されている巨大な大仏「薬師瑠璃光如来」や1500体以上の石仏を見ることができる「千五百羅漢道」があります。山頂エリアには断崖から岩がせり出した「地獄のぞき」があり、東京湾や房総半島、晴れていれば富士山まで見ることができます。
房総半島の定番スポット4:道の駅とみうら 枇杷倶楽部
道の駅とみうら 枇杷倶楽部は、南房総市富浦町にある道の駅です。「道の駅グランプリ2000」で最優秀賞を受賞した道の駅でもあります。富浦町名産のびわを使用したメニューやソフトクリーム、オリジナル商品を購入することができます。2月から3月頃には目の前が巨大な菜の花畑になり、訪れた人たちの目を楽しませ、5月から6月頃にはびわ狩りで初夏の味覚を味わうことができます。
おわりに
房総半島は東京からも近く、デートや日帰り旅行にはぴったりのスポットです。今まであまり気にすることがなかった名前の由来や内房、外房の範囲などを知ることで、もっと房総を楽しむことができるのではないでしょうか。(2019年9月に発生した台風15号の影響により被害を受け、復興途中の施設や地域も多いと思われます。訪れる際はホームページなどで詳細を確認することをおすすめいたします。ー2019年9月現在)