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山梨の郷土料理はほうとうだけじゃない!豊かな土地が育てた絶品グルメ14選!

山梨の郷土料理はほうとうだけじゃない!豊かな土地が育てた絶品グルメ14選!

山梨の郷土料理といえば「ほうとう」が代表的です。ですが、山梨ではほうとう以外にもおいしい名物グルメがあなたを待っています。山梨に来たらぜひ食べておきたい郷土料理や地域限定の食べ物をご紹介します!

目次 [表示]

山梨のほうとう以外の郷土料理は?

Photo by hogeasdf

山梨の名物といえばほうとうが有名ですが、それ以外にも山梨ならではの見逃せないグルメが多数存在します。ただ、残念ながら知名度はあまり高くないものが多いため、山梨の郷土料理を県が「やまなしの食」に認定し食文化を広めています。

自然が豊かで、日照時間日本一を誇るところです。この恵まれた風土で名産品が育てられ、おいしい食べ物が誕生します。県内全域で食べられているグルメは有名ですが、地域限定グルメはあまり知られていません。

山梨の「ほうとう」とはどんな郷土料理?

Photo by [email protected]

ほうとうは、かぼちゃを中心に里芋・椎茸・ニンジン・ネギ・白菜など地元名産のおいしい食材で作られています。米麹と麦麹が合わさった甲州味噌、米麹で作られた信州味噌など、飲食店や家庭ごとに違う味噌を使うのも特徴です。大鍋で煮込み味噌で仕立てると、口いっぱいに野菜の甘みと味噌のコクが広がります。

ほうとうの起源

Photo by jetalone

ほうとうの起源は、武田信玄が麺の入った汁に野菜をたっぷり入れたものを陣中食として食べていたことから始まります。これが各地に広がり、時代の変化とともにアレンジが加わったものが現在の「ほうとう」です。

ほうとう以外の山梨郷土料理~郷土食9品~

Photo by inunami

山梨全域や一部地域で食べられている食事を郷土食と呼んでいます。郷土食に認定されている郷土料理は21品目で、「吉田のうどん」や「馬刺し」は全国的にも有名な食べ物ですが、これ以外のグルメはあまり知られていません。食事処でも味わえるおすすめの郷土食9品をご紹介します。

山梨のおすすめ郷土食①:吉田のうどん

Photo by hogeasdf

吉田のうどんは、富士吉田周辺でしか味わえない郷土料理です。麺は硬めのねじれ麺で、具材は富士山麓のキャベツが定番です。お店によってニンジンや天ぷらをトッピングし、山梨に残る食文化から馬肉を入れるお店もあります。汁は味噌と醤油のブレンド・味噌味・醤油味とさまざまです。

吉田のうどんが山梨の郷土料理になった理由

吉田のうどんのが山梨で広まった理由は、山梨の気候が関係しています。

山梨は稲作に不向きな気候のため、麦栽培が行われており食生活は粉食が中心でした。昭和時代初期、織物をする女性のために男性がうどんを作るようになります。腹持ちをよくする必要があったため、歯ごたえのある麺になりました。これが住民や商人の間で人気となり「吉田のうどん専門店」が誕生し、今では40店舗以上が店を開いています。

山梨のおすすめ郷土食②:馬刺し

Photo by kobakou

馬刺しは、低カロリー・高たんぱく質・高ミネラル・低アレルギーな食品で、栄養価が高く太りにくい食べ物として老若男女に人気があります。

最近では健康食や美容食として目を向けられ、高齢者や女性を中心に大好評です。醤油をかけて食べるのが基本で、ネギや生姜ともよく合います。酢醬油や七味をかけ、野菜と一緒に味わうのもおすすめです。

馬刺しが山梨の郷土料理になった理由

山梨の馬肉生産量は、熊本・福島・青森・福岡に次ぐ第5位です。五街道の1つである甲州街道があり、江戸時代では移動や荷物の運搬に馬が用いられていました。富士登山の荷揚げにも使われていたこともあり、馬が身近な存在だったことが馬肉文化の発展した要因です。

山梨のおすすめ郷土食③:おざら

おざらは、ほうとうよりも細い麺を冷やしてざるに乗せた、麺と汁が別になっているつけ麵のような食べ物です。

具材はタケノコ・ニンジン・ネギ・油揚げ・ひき肉など具だくさんで、醤油ベースの旨味いっぱいの温かい汁に、もちもちの冷たい麺がよく絡みます。シンプルで野菜たっぷりなので「ヘルシーでおいしい」と観光客に大好評です。

おざらが山梨の郷土料理になった理由

おざらは、夏に食べることが多い古くからの郷土料理で、もともとは甲斐市近辺の地域食でした。甲府市の有名店「ちよだ」が夏料理として提供したところ、評判がよく県内に拡大して定着。暑い日では食べにくい「ほうとう」に変わる夏の名物として、人気が高まっています。

山梨のおすすめ郷土食④:おつけだんご

おつけだんごは、小麦粉の団子と地元名産の野菜が入った味噌汁のような食べ物です。ほうとうに似ているところがあり、味噌・塩・醤油と、さまざまな味があります。団子の形や汁の味付けが店や家庭で異なり、おふくろの味として愛されているところも魅力。

商工会が作成した「おつけだんごMAP」を片手に、大月市内のおいしいお店を食べ歩きするのもおすすめです。

おつけだんごが山梨の郷土料理になった理由

大月市には猿橋・鳥沢・犬目という地名があり、古くから桃太郎伝説が語り継がれています。なかでも、桃太郎にまつわる、さまざまな言い伝えが「おつけだんご」という料理として伝わった説が有力です。昔は養蚕農家で重宝されていた食べ物で、現在は大月市内の食事処でいただけます。

山梨のおすすめ郷土食⑤:ゆば料理

Photo by Yuya Tamai

ゆばの魅力を感じるには和食がおすすめで、身延町の食事処では「ゆばの刺身」「ゆば丼」「ゆばフライ」などの名物料理が人気です。お土産にも好評のグルメで、「角ゆば」「しだれゆば」「折りたたみゆば」は自宅で簡単に田楽・寿司・サラダにできます。身延でしか出会えないユニークな名物です。

ゆばが山梨の郷土料理になった理由

ゆばは僧侶が鎌倉時代に中国から持ち込んだ食べ物で、たんぱく質を摂取できる食材として京都や奈良を中心に継承されていました。

山梨でゆばが広まったのは今から約750年前で、身延山久遠寺で修行をする日蓮聖人のために、弟子が栄養のある精進料理として作り始めたのがきっかけです。歴史あるゆばを広めるために、多くの名産品が作られています。

山梨のおすすめ郷土食⑥:カツ丼

Photo by HIRAOKA,Yasunobu

山梨のカツ丼は、一般的なスタイルとは違ったものが提供されます。カツ丼というと、煮込んだ豚カツとタマネギを卵とじにしたものをイメージしますが、山梨ではこのタイプは出てきません。

山梨流は、ご飯にキャベツをのせ、その上にソースをかけた豚カツがのります。山梨のカツ丼は煮カツ丼ではなく、「ソースカツ丼」のことなのです。

カツ丼が山梨の郷土料理になった理由

店によっては、豚カツに名産の「甲州富士桜ポーク」を使います。ボリューム満点で、千切りキャベツとソースカツで蓋が閉まりません。

食べ方は人それぞれですが、山梨流のスタンダードスタイルが存在します。それは、カツの半分を一度蓋に移してから残りのカツとご飯を食べ進めるというものです。食事のときは、このスタイルで召し上がってみてください。

山梨のおすすめ郷土食⑦:やはたいも料理

出典: http://jatoubu.jp/shop/yahata_potato/

やはたいもは普通の里芋よりも粘り気が強く、やわらかいのが特徴です。成分が豊かで、免疫力の強化や胃潰瘍の予防に効果があります。皮のまま茹でて塩を付けて食べる「きぬかつぎ」、醤油味で照り煮した「煮っころがし」が有名グルメです。ジャガイモの代わりでコロッケに使う人も多く、なめらかな口溶けで素材の味が活かされています。

やはたいもが山梨の郷土料理になった理由

やはたいもは、甲斐市八幡地区で栽培されている地元で有名な里芋です。この地域は、釜無川の氾濫で度々洪水に見舞われ、その度に砂質土が運ばれていました。武田信玄公により信玄堤が完成すると、良質な土壌の畑へと変化します。徐々に生産が盛んになり価値が認められ、登録商標を獲得するブランド野菜になりました。

山梨のおすすめ郷土食⑧:せいだのたまじ

せいだのたまじは、食材を有効活用するため小さな芋を材料に使い、残さず食べられるように味噌で甘辛く煮詰めて仕上げています。

「せいだのたまじ」には、飢餓を経験した人々の知恵が詰まっています。それまでは、小粒の芋は収穫してもほとんど食べることがありませんでした。

せいだのたまじが山梨の郷土料理になった理由

江戸時代、飢餓で苦しむ人々のために、代官中井清太夫は九州から種芋を仕入れて芋の栽培を奨励。これによって窮地を乗り越えることができたため、芋を「清太芋」と呼ぶようになり、「せいだ」と言われるようになりました。

「たまじ」は、上野原で生産されていた小さいジャガイモを指します。「せいだのたまじ」は、飢餓対策に取り組んだ英雄に由来した郷土料理です。

山梨のおすすめ郷土食⑨:みみ

みみはほうとうに似ているところがあり、ふるさとを感じられる伝統の料理です。麺は、薄く伸ばした小麦粉を3センチメートルの正方形に切り取り、箕型にします。地元で栽培した新鮮な野菜とモチモチのみみは相性がよく、ホッとするような気分で食べられるとして観光客にも大好評です。

みみが山梨の郷土料理になった理由

みみは、富士川町の十谷地域で食べられている郷土食です。名前の由来はいくつかあり、麺が農具の「箕」の形になっていること、耳に形が似ていることなどがあります。紅葉で有名な大柳川渓谷近くにある食事処「つくたべかん」がおすすめ店です。

ほうとう以外の山梨郷土料理~行事食2品~

Photo by fujitariuji

山梨には、年中行事や伝統行事などで食べられている行事食があります。食べ物に感謝する意味が込められており、地域でとても大切にされている食事です。現代では、9品目の行事食が「やまなしの食」に選ばれていますがその中でも特に有名な行事食2品を紹介します。

山梨のおすすめ行事食①:あべかわもち

山梨では昔から、お盆などの季節の行事に餅を食べる風習がありました。静岡との物流で「安倍川餅」がもたらされ、山梨の風土に合わせて姿を変えたのが「あべかわもち」です。

静岡の安倍川餅と山梨のあべかわもちには、大きな違いがあります。静岡の安倍川餅は、丸餅にきな粉やあんこをかけ、砂糖をまぶすのが基本ですが、山梨のあべかわもちは、角餅にきな粉と黒蜜をかけます。砂糖がなかったこと、サツマイモやトウモロコシなどから蜜を作れたことなどが、変化した大きな要因です。

あべかわもちが山梨の行事食になった理由

発祥時期は明確にはなっていませんが、書物などから江戸時代には餅をお盆のお供え物にしていたことは確認されています。富士川流域で食べられている名物です。

山梨のおすすめ行事食②:小豆ほうとう

Photo by h.naoki045

小豆ほうとうは、ハレの日に健康を祈る食べ物として食べられてきた行事食です。甘く味付けした小豆餡の汁に、平べったいほうとうの麺を入れて作ります。汁粉の餅がほうとうの麺に変わったグルメとイメージするとわかりやすいです。ぼた餅のような粘り気があり、食べ応えがあります。

小豆ほうとうが山梨の行事食になった理由

北杜市の三輪神社では、毎年7月下旬の例祭で小豆ほうとうが食べられています。「若神子のほうとう祭」とも呼ばれ、祝い事に食べる風習が残る伝統行事です。

小麦や小豆の豊作を感謝し、穢れを託したわら人形でお祓いをします。「ドンドン火」という火を境内で焚くことで、虫除けのご利益がアップする五穀豊穣を願う祭事に関わりがある地域グルメです。

ほうとう以外の山梨郷土料理~ブランド食3品~

フリー写真素材ぱくたそ

山梨には、地域の名産を使って次世代に受け継いでいる大切なグルメがあります。このうち11品目が「やまなしの食」のブランド食に認定され、食事処やイベントなどで提供することで有名になりました。特におすすめのブランド食を厳選して3品ご紹介します。

山梨のおすすめブランド食①:甲府鳥もつ煮

もつ煮といえば汁がある味噌味を想像しますが、甲府鳥もつ煮は全く違います。甲府鳥もつ煮の特徴は、砂肝やハツなどを、醤油と砂糖を合わせた少量の甘辛ダレで照り煮していることです。「きんかん」という産まれる前の卵も使います。もつのコリコリ感やきんかんのプチプチ感などの食感を楽しめるのが魅力です。

甲府鳥もつ煮が山梨のブランド食になった理由

甲府鳥もつ煮は、第5回B-1グランプリでゴールドグランプリを獲得し有名になったご当地グルメです。昭和25年頃、そばがおいしい食事処「奥藤本店」で生まれ、甲府周辺に広がりました。

そばのお供はもちろん、食事のおかずやお酒のおつまみとしても食べられています。「みなさまの縁をとりもつ隊」の協力で、甲府市の地域ブランドになりました。

山梨のおすすめブランド食②:富士まぶし

富士まぶしは、「富士山麓んめ~もん倶楽部」がレシピを考えた名物料理です。富士北麓の伏流水で育てられたマスを使った食べ物で、ひつまぶしをイメージしています。ニジマスは1年間提供されますが、漁期の春と秋しか食べられないヒメマスも人気。富士山麓の名産を使った薬味、川魚に合う出汁もおいしいです。

富士まぶしのおいしい食べ方

最初は、炊き込みご飯を茶碗に盛って、マスの香りを感じていただきます。続いて、旬の地物で作った薬味をかけた二杯目です。風味が増して、さらにおいしくなります。

最後は、出汁を入れてお茶漬けに。味を変えながら味わうと、食べ終わりまで飽きずに楽しめます。薬味や付合せで自己流のアレンジをして食べ進めるのもおすすめです。

山梨のおすすめブランド食③:青春のトマト焼そば

「青春のトマト焼そば」は、中央市にある認定店の食事処で味わえます。完熟トマトの濃厚トマトソースと甲州富士桜ポークのミートソースを焼きそばにかけたもので、懐かしさと地元愛を込めました。山梨の恵みがもたらした、地元食材たっぷりの元気になれるグルメです。

青春のトマト焼きそばが山梨のブランド食になった理由

中央市はトマト生産で有名な地域で、収穫量は山梨県で1位を誇ります。日照時間が長く降水量が少ないこと、施設園芸農業が盛んだったことなどから、高品質なトマトの栽培が可能となりました。

トマトのPRのために2000年から「中央市まちづくりトマト計画」が始まり、「青春のトマト焼そば」は2007年に商工会青年部が新名物として誕生させたグルメです。

山梨でおいしい郷土料理を食べよう!

Photo by sor

山梨を代表するおすすめの郷土料理を紹介してきました。ほうとうが有名ですが、これ以外にも名産を使った郷土食・行事食・ブランド食の名物がたくさんあります。ご当地グルメを堪能したい方には、地域の食事処や人気の専門店もおすすめです。山梨を観光や仕事で訪れた際は、おいしい郷土料理を味わってみてください。

rainbowrice
ライター

rainbowrice

お城や神社仏閣巡り、博物館や工場施設の見学、ご当地グルメの食べ歩きが好きです。時間を見つけて週末旅を計画し、関東や中部地方を中心に旅行をしています。全国制覇を目指しており、これまでに22都府県を訪れました。

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