温泉に浸かる野生のスノーモンキーに会いに行こう
凍えるような寒い冬、温泉につかることで有名なスノーモンキーが生息する長野県は深い雪に覆われます。最低気温が-10度を下回る日も多いこの地は、泉質の異なる温泉地が9つ点在しており、その1つが最奥部の秘湯「地獄谷温泉」です。四季折々の姿が見られる自然豊かな立地にある地獄谷温泉。その川向かいにある地獄谷野猿公苑の温泉につかる、有名なスノーモンキーについてご紹介します。癒やされる猿の姿を見に出かけましょう!
スノーモンキーが温泉に浸かる長野の地獄谷温泉とは?
地獄谷温泉は志賀高原の西に流れる横湯川沿いの温泉です。川床から湧く湯量が豊富なことから、夏目漱石などの文人に愛された地である「上林温泉」や石畳が、レトロな「渋温泉」にも供給しています。1864年に開業した湯地場は、現在地獄谷温泉の一軒宿として営業している人里離れた「後楽館」のみ。まさに秘境の湯といっても過言ではありません。
スノーモンキーが地獄谷温泉に浸かった由来
スキー場の開発が原因で猿が里に下りて荒らすことを食い止めるため、餌付けを後楽館で試みたことがはじまりです。最初はうまくいきませんでしたが、猿が山で食べる物よりも常にワンランク上のりんごなどを与えることにより、餌付けに成功しました。数年後のある日、投げたりんごが露天風呂にコロコロと転がった様子を見ていたかわいい小猿が、リンゴを追いかけ風呂につかったのが、はじまりとされています。
地獄谷温泉後楽館の基本情報
地獄谷温泉後楽館では日帰り入浴も楽しめます。露天風呂では、お猿さんがひょっこり現れ、一緒に温泉につかる滅多にない経験ができるかもしれません。他にも内湯や家族風呂なども完備していますので、冷え切った身体を温めてはどうですか?日帰り入浴の営業時間は12時~15時まで。大人料金は税込800円、子どもは税込400円で利用できます。
利用形態 | 源泉掛け流し |
泉質 | 弱アルカリ性石膏泉 |
泉温 | 95度 |
色 | 無色透明 |
効能 | 神経痛・リウマチ・胃腸病・痔など |
人気の地獄谷野猿公苑ができた理由
小猿がリンゴを追いかけ温泉に入ったことをきっかけに、いつの間にか後楽館の露天風呂に次々とつかるようになった猿。地元農産物保護と観光を兼ねて餌付けをし、猿に人がいても危険ではないことを覚えさせた後、1964年に地獄谷野猿公苑を開苑しました。動物園のような檻は一切なく、年間を通し間近で野生の猿を観察できる貴重な施設とし、世界中から注目を集め人気の観光地となっています。
温泉につかるスノーモンキーを見られる時期
地獄谷に生息する猿たちは、しんしんと雪が降る冬の厳しい寒さをしのぐため温かい温泉につかりに来ます。「いい湯だな」と言っているかのような、安らぎの顔をしている猿を見つけると、つい顔がほころんでしまう一方、寒くても温泉が苦手で腰掛けている猿も見られ個性豊かです。とくに寒さの厳しい日は猿専用に設けている露天風呂が賑わい、小猿は夏でも、ぬるい温泉で遊ぶ光景を目にできます。
猿は湯冷めしない
寒さをしのぐため温泉につかるスノーモンキー。身を寄せ合っている姿にホッコリしてしまいます。入浴後身体を拭くわけでもなく、凍える寒さの中湯冷めしないのか、気になったことはありませんか?秋ごろには冬毛に生え替わり、冬本番のころはまん丸とした体型にかわります。実は猿にとって毛皮は防寒コートのようなもので、外側の毛が凍っても、内側にある毛が断熱の役割をしているため湯冷めしません。
地獄谷野猿公苑の注意事項
冬の地獄谷は極寒!服装に注意しよう
標高850メートルある地獄谷の冬はとても厳しく、積雪が1メートルを越えることもあります。時間によっては最低気温がマイナス10度を下回る環境化です。軽装備の服装ではなく、歩きやすい靴と暖かい服装でスノーモンキーに会いに行きましょう。地獄谷には猿以外にも、さまざまな生き物が生息していますので注意してください。
スノーモンキーを観察するときの注意点
地獄谷の猿たちは野生です。猿から近づいてきても、万が一触ったりおどかしたりすると、猿が身の危険を感じ威嚇したり噛みついたりします。目をじっと見つめてきたら、敵意を表していますので、静かになるべく離れて観察しましょう。食べ物は絶対に見せたり与えたりしてはいけません。生態系を壊すほか、人間を見れば食べ物を欲しがり、手荷物を奪うなどの行為を働く可能性もでてきます。絶対にやめましょう。
地獄谷野猿公苑の詳細
地獄谷野猿公苑の営業時間と利用料金
地獄谷野猿公苑にお休みはありませんが、スノーモンキーは野生の猿ですので天候や季節、猿の行動により公苑に姿を見せないこともあります。とくに実りの秋は猿の繁殖期でもあり、地獄谷野猿公苑で猿に会えるかは運次第でしょう。営業時間は4月~10月ごろの夏季は8時30分~17時ごろまで。11月~3月ごろの冬期は9時~16時ごろまでとなります。入苑料金は以下のとおりです。
入苑料金 | 一般 | 団体(20人以上) | 年間パス |
大人(18歳以上) | 800円 | 680円 | 5000円 |
こども(小学生~高校生) | 400円 | 340円 | 2500円 |
地獄谷野猿公苑までのアクセス
関東方面から行く場合
- 東京駅より北陸新幹線でJR長野駅→長野電鉄特急で湯田中駅下車→湯田中からバスで15分→「スノーモンキーパーク」で下車し徒歩35分で到着
- 東京駅より北陸新幹線でJR長野駅→志賀高原行き急行バスで41分→「スノーモンキーパーク」で下車し徒歩35分で到着
大阪方面から行く場合
- 新大阪より東海道新幹線のぞみで名古屋→中央本線特急に乗り換えJR長野駅→長野電鉄特急で湯田中駅下車→湯田中からバスで15分→「スノーモンキーパーク」で下車し徒歩35分で到着
- 新大阪より東海道新幹線のぞみで名古屋→中央本線特急に乗り換えJR長野駅→志賀高原行き急行バスで41分→「スノーモンキーパーク」で下車し徒歩35分で到着
北陸方面から行く場合
- 金沢より北陸新幹線で富山→北陸新幹線で飯山駅→JR長野駅から長野電鉄特急で湯田中駅下車→湯田中からバスで15分→「スノーモンキーパーク」で下車し徒歩35分で到着
- 金沢より北陸新幹線で富山→北陸新幹線で飯山駅→JR長野駅から志賀高原行き急行バスで41分→「スノーモンキーパーク」で下車し徒歩35分で到着
- 金沢より北陸新幹線で富山→北陸新幹線で飯山駅→志賀高原行き急行バスで34分→「スノーモンキーパーク」で下車し徒歩35分で到着
地獄谷温泉周辺の有名な温泉郷
スノーモンキーが生息する地獄谷温泉周辺にはさまざまな温泉地が点在しており、雰囲気もさまざま。地獄谷野猿公苑で温泉につかるスノーモンキーを観察したあとは、近隣の気になる温泉を訪れてみてはいかがでしょうか。地獄谷温泉以外に8つの温泉がありますのでご紹介します。
- 【渋温泉】石畳が敷かれた道沿いがレトロな温泉町。老舗旅館が立ち並び、外湯巡りを楽しめます。
- 【上林温泉】高台に広がる小さな温泉地。晴れた日には北信五岳も望めます。夏目漱石や川端康成など多くの文人に愛された地です。
- 【角間温泉】室町時代に発見されたと伝わる古湯で、湯地場の風情を感じられます。
- 【安代温泉】横湯川の両岸に広がる温泉地。石畳の小道がノスタルジックな雰囲気です。
- 【穂波温泉】大正時代に開湯した小さな温泉地です。信州の山々を見渡せます。
- 【湯田中温泉】湯田中駅のそばに広がる賑やかな温泉地です。
- 【星川温泉】小林一茶の庵が結ばれていた地の温泉です。単純泉、硫黄泉、硫酸塩温泉など多彩な源泉が湧き出ています。
- 【新湯田中温泉】湯田中温泉からほど近い、高台にある温泉です。肌触りがなめらかな温泉で、「美人の湯」と言われています。
まとめ
長野にある地獄谷野猿公苑の人気者、スノーモンキーについてご紹介しました。寒い冬の時期はとくに、猿専用の露天風呂につかるほのぼのとした光景を目にする機会が増える観光スポット。あたたかい温泉につかるかわいい猿を見に地獄谷温泉へお出かけしましょう!