北海道庁旧本庁舎の見どころ②:前庭
北海道庁旧本庁舎の2つ目の見どころは前庭で、ガス灯や小橋など画になる景色が多く、カメラを片手に歩くのもおすすめです。建物の入口につづくれんが敷きの道には、道内の小学生がかいた全179市町村の名前や絵が彫られています。木の下や水辺にはベンチがあり、春や秋は昼下がりにお弁当を持って訪れるのも人気です。
建物につづくイチョウ並木
前庭の見どころの1つは建物に向かって伸びるイチョウ並木で、木々の先に赤れんが庁舎が立つ景色は写真に映えます。イチョウ並木は大正時代に植えられ、北海道にある街路樹のなかではもっとも古いです。見ごろは11月上旬ごろですが、青々とした木々と青空の広がる夏の並木道もノスタルジックで見ごたえがあります。
季節の花々と2つの池
前庭の見どころの2つ目は木や建物前の花壇に咲く季節の花々と、ハスの浮かぶ2つの池です。2つの池は市内を流れる豊平川の一部が地下からわき出た跡とされ、カモがのんびりと泳ぎ、おだやかな時間が流れます。花々は建物の魅力を引き立てており、建物とともに写真におさめると華やかな異国情緒もひとしおです。
冬季のライトアップ
前庭の見どころは冬季に行われる夜のライトアップで、日中とは異なる魅力が加わります。建物や前庭の木々はあたたかい色の光で照らされて荘厳さが加わり、イチョウ並木は暖かく鮮やかです。時期は毎年11月中旬~3月中旬ごろで、札幌市北3条広場のライトアップの一環として行われます。
北海道庁旧本庁舎の見どころ③:建物内部
北海道庁旧本庁舎の3つ目の見どころは建物の内部で、明治時代から使われてきた内装が残ります。ゆがみのある当時のガラスは一部の窓だけに残っていて、寒さ対策につくられた二重窓は内窓が折りたたみ式というおもしろい造りです。当時の執務室や、北海道の開拓の歴史を伝える資料の展示もあり、歴史を手軽に学べます。
北海道庁旧本庁舎の歴史
北海道庁旧本庁舎の歴史は明治時代の中期から始まりますが、日本の政府が北海道の整備を本格的に始めたのは明治初期の20年間です。開拓使を置き米人を雇って助言を受けつつ、鉄道・鉱山・工場・農学校などを開き、開拓の土台をつくります。
札幌に本庁のあった開拓使は廃止され3県が置かれますが、統一の必要が出て道庁が置かれ、赤れんが庁舎は80年、道政の中心を担いました。
日本人が設計するれんが建築の先駆け
北海道庁旧本庁舎は、日本人が設計したれんが造りの洋館としては草分けともいえ、明治の中ごろは雇った欧米人による設計が大半でした。
北海道庁旧本庁舎を設計したのは、アメリカで工学を学んだ平井晴二郎を中心とする道庁の土木課です。平井晴二朗はのちに国の鉄道庁に勤め、東京駅の駅舎の建設にも関係があったと伝わります。
国の重要文化財
北海道庁旧本庁舎は1968年に創建当時の姿を復元し、翌年に国の重要文化財に加わりました。旧本庁舎は数少ない明治時代の赤れんが造り大建築として貴重であり、北海道開拓の歴史を伝える建物としても重要です。
構内では旧本庁舎の南に開拓使本庁舎の遺構が見つかり、重要な歴史のあった場所として開拓使本庁舎跡とあわせて国の史跡にも指定されています。
出典:写真AC