甲府盆地の産業の特徴
甲府盆地では平野のようにまとまった広さを確保できないので、地域ごとの環境を生かした小規模な地場産業がさかんです。とくに有名なのは地形・気候・立地にあった農業であり、名産品を使った製造業も知られます。甲府盆地では、伝統産業・温泉・景観・歴史・グルメなどを生かした観光業もさかんです。
果樹栽培がさかん
甲府盆地の産業の1つ目の特徴は果樹栽培がさかんなことで、扇状地の斜面を生かして行われます。果樹栽培には少なめの水と十分な日光が必要で、甲府盆地は雨が少なくて日照時間が長く、扇状地の斜面は水はけがよく日当たりもよいので栽培にぴったりです。
山梨県はブドウ・モモ・スモモの生産量が全国で一番で、近年では盆地の底部にも果樹栽培が増えてきています。
日本ワイン製造の発祥地
甲府盆地の産業の2つ目の特徴は甲府盆地産のブドウを使った日本ワインの製造がさかんなことで、甲府盆地は日本ワインの発祥地でもあります。
国内で初めてワインが作られたのは明治3年で、殖産興業の一環で始まり、明治10年には県立ワイン醸造所がつくられました。日本ワインとは日本産のブドウを使い国内で作ったワインのことで、生産量・出荷量はともに山梨県が全国で最大です。
宝石加工が有名
甲府盆地は古くから水晶の産地として知られており、現代では国内における宝石加工の代表的な地域です。
水晶が採れた場所は甲府市北部の山あいにある昇仙峡で、江戸時代に水晶研磨がさかんになりました。明治時代の後半には水晶がほぼ採れなくなりましたが、研磨技術を応用して貴金属工芸が発達し、「ジュエリーの街」として知られます。
出典:写真AC