ブラジル文化を代表する世界最大のお祭りリオのカーニバルとは?
リオのカーニバルとは、ブラジル東部にあるリオデジャネイロで行われる世界で最も大規模なお祭りです。毎年、リオのカーニバルを観覧するために、世界中から100万人を超える観光客が訪れ、出場者は2万人以上になります。出場者は、このリオのカーニバルの期間のために、1年間、踊りの練習、山車の制作など、情熱をかけて準備をしていると言っても過言ではありません。多国籍国家ブラジルの歴史、文化と共に歩んできたリオのカーニバルは、重要な文化遺産ともいわれています。
リオのカーニバルの起源
今や日本だけでなく、世界中で開催されているカーニバルのお祭り。元々は、西ヨーロッパに広がったキリスト教徒のお祭りに由来しています。リオのカーニバルの原型は、18世紀、ブラジルに入植してきたポルトガル人によって伝わりました。その後、ブラジルの奴隷制度廃止と共に、アフリカ系ブラジル人がカーニバルに参加できるようになり、サンバという新しいダンスや音楽ジャンルも生まれました。ブラジルの歴史、文化と共に進化してきたカーニバルの起源と由来を紐解きます。
リオのカーニバルの起源はヨーロッパにある
リオのカーニバルの起源は、西ヨーロッパのキリスト教徒のカーニバルにありますが、カーニバルの誕生の歴史は古く、キリスト教徒とは関係のない、古代ローマ、古代ギリャの異教徒の春のお祭りに由来しています。いくつか説はありますが、その祭りの期間はご馳走を食べ、飲んで、踊る、無礼講、豊穣を祝う収穫祭でした。奴隷が主人役、主人が奴隷役をする社会的地位を交換する催し物もあったそうです。この祭りの期間だけは、社会的身分を超えて、ルール、規範を忘れ、みんな一緒に今を楽しむという意味合いもありました。この時代のキリスト教カトリック教会は、全ての異教徒を制圧しようとしていましたが、これらの祭りがあることにより、うまくいかなかったそうです。そこで、キリスト教カトリック教会は、この異教徒の祭り文化をキリスト教にちなんだ宗教儀式、祭りとして取り入れ、継承したのです。
カーニバルの語源は謝肉祭
カーニバルは謝肉祭と呼ばれます。語源は、俗ラテン語のcarnem(肉を) levare(取り除く)に由来します。何故、肉を取り除くのかというと、キリスト教の祭日、イースター=復活祭の前40日を四旬節といい、この期間は、厳粛に過ごさなければいけないというルールがあります。静かに過ごし、断食や、肉を食べないことで心身を浄化するという期間なのです。その厳しい修行期間の前に、催されるのが、カーニバル=謝肉祭です。カーニバル後には、断食、肉断ち期間になりますので、その前に思い切りストレス発散をして楽しもうという文化なのです。
ブラジルのカーニバルの歴史
ブラジルカーニバルの歴史は18世紀、ポルトガルから入植してきた人たちにより誕生します。ブラジルのカーニバルの起源は、エントゥルードという祭りに由来しています。この祭りの期間、街中で人々は、顔に小麦粉を塗りつけたり、水や泥を掛け合ったりして、祭りを楽しみました。なかには悪臭を放つものを投げたり、放火などもあり、ルールや規律のない、無礼講、喧嘩祭りのような面もあったそうです。なので貴族や上流階級の人は、この祭りを白い目で見ていたそうです。
リオのカーニバル誕生の起源
1641年、その時のポルトガル皇帝即位を祝い、リオの総督が騎兵隊でパレードをしたのが、リオのカーニバル誕生の起源とも言われています。
ブラジルの格差社会とカーニバル
19世紀に入ると、エントゥルードの風習が禁止されました。その代わり、リオデジャネイロの貴族や上流階級の人たちが、クラブや劇場で豪華な仮装舞踏会を開催することが主流となっていきました。一方、エントゥルードが禁止され、民衆たちは、貴族や上流階級の人たちに対抗するように、集団で歌い踊りながら道を歩きました。これが現在のカーニバル文化の由来でもあります。
リオのカーニバルの特徴
18世紀から19世紀にかけて、リオのカーニバル文化の特徴は歴史とともに変化していきます。1888年ブラジルの奴隷制の廃止と共に、多くのアフリカ系の人々がカーニバルに参加するようになりました。
サンバの誕生は元奴隷たちに由来
今ではリオのカーニバルといえばサンバですが、ダンス音楽サンバの誕生は19世紀です。サンバ誕生の歴史に由来するのは、アフリカ系の元奴隷たちで、アフリカの打楽器のリズムなどを取り入れてたのが特徴的なサンバのリズムです。20世紀に入り、サンバがリオのカーニバルに取り入れられるようになりました。ブラジル初のサンバ学校も設立されました。
リオのカーニバルに巨大会場サンボドロモの誕生
ブラジル国内トップクラスのサンバ学校がパレードする、サンボドロモという大型の会場がメインになります。1984年、リオデジャネイロ出身の建築家オスカー=ニーマイヤーにより設計されました。幅13m、長さ700mのステージがあり、9万人以上を収容できる超巨大な会場です。
実はルールがたくさんリオのカーニバルのコンテスト
リオのカーニバルの特徴は、コンテスト形式ということです。1933年よりコンテスト形式のリオのカーニバルが始まりました。その優勝賞金は3億円以上にもなります。ただ情熱的に楽しく踊り狂っているわけではないのです。リオのカーニバルには、たくさんのルールがあり、ルールの基準を満たしていないとコンテストの減点対象になります。
リオのカーニバルのコンテストに参加するチームは、ひとチーム2500人〜4000人。打楽器は200人以上。山車は8台〜12台。制限時間は1時間〜1時間半。など、コンテストに参加するには、さまざまなルールがあります。参加者たちは、この日のために、本気で1年間準備してきます。そんな情熱がこもったリオのカーニバルだからこそ、参加者も観覧者も、熱狂的に楽しめる祭りなんです。リオのカーニバルコンテストの数日後、チャンピオンパレードもあります。上位に入賞したチームが同じ会場でパレードをします。
リオのカーニバルを楽しむ基本情報
リオのカーニバルの時期は、地球の裏側ブラジルでは真夏になります。カーニバルは、夜9時頃に始まり、明け方まで続きます。熱狂的なカーニバルを現地で楽しむための基本情報をご紹介します。
開催期間は?
リオのカーニバルは毎年、2月〜3月初旬に開催されます。ただ、イースター=謝肉祭の日付が毎年変わるので、リオのカーニバルの開催期間も毎年違います。なので、開催期間は自前にチェックしておくと良いでしょう。2020年は2月21日〜2月26日。2021年2月12日〜2月17日。2022年2月25日〜3月2日。参考にしてください。メインのリオのカーニバル開催期間は4日間です。
リオのカーニバル日程の特徴
リオのカーニバルのメインは4日間です。最初の2日間は2部リーグ、後半2日間は1部リーグのパレードになります。1部リーグと2部リーグの、ダンス実力の差、山車の豪華さ、など素人目で見ても歴然の差といいます。全日程、参加しないのであれば、おすすめは1部リーグの後半2日間。しかし、人気もあるのでチケットは高値。例えば、1部リーグの観覧は座席指定のないスタンダード席のチケットを購入し、少しチケットが安くなる2部リーグの観覧は、パレードが目の前で見られるボックス席チケットを購入するなどすれば、節約しながらも、カーニバルを充分に楽しめます。また、5日目は無料で子供達によるカーニバルが開催されます。
コンテスト後のチャンピオンパレードは?
コンテスト形式のリオのカーニバル、メインの4日間が終わった後に、チャンピオンパレード、エキシビションがあります。その年の上位6位に入賞したチームのパレードが同じ会場で行われます。しかし、実は、おすすめではないという噂もあります。何故ならば、参加者が1番盛り上がり、情熱をぶつけるのが、コンテストであるメインの4日間です。コンテスト結果が出た後のお披露目パレードなので、山車が壊れていたり、参加者のやる気や情熱も、コンテスト本番と比べると低くなってしまうようです。
チケットは?
毎年、100万人以上の観客が訪れるリオのカーニバルです。観覧日や席の種類によってチケット料金もかわってきます。一番安いもので2000円、最もVIPなもので1000万円にもなります。
旅行代理店で買う
日本からリオのカーニバルのためにブラジルに来る人は、日本の旅行代理店から購入する人も多いでしょう。多少、割高になりますが、簡単に安心して購入できる方法です。
現地のホテルやゲストハウスに頼む
現地のホテルやゲストハウスでもリオのカーニバルチケット購入代行のサービスがあるところもあります。自分で座席が選べなかったり、手数料を取られるので割高になります。
会場で直接買う
リオのカーニバルのチケットは、約1ヶ月前からサンボドロボ会場の裏側にあるチケット販売所で購入できます。人気の日程や席のチケットはすぐに完売してしまいます。
ダフ屋に挑戦⁉︎
リオのカーニバルが始まると、会場周辺にダフ屋が登場します。カーニバル当日に、上手く格安でチケットを購入できたという話もありますが、偽物のチケットを売っている場合もあるので、おすすめはできません。
席も日程も自分で選べるインターネットで買う
リオのカーニバル公式サイトからチケットを購入できます。公式サイトはポルトガルですが、英語に変換もできます。オンライン購入後、チケットは現地で受け取らなければいけません。チケットの受け取り期間は、カーニバル開催の数日前から可能です。チケット購入後、チケット受け取りに関する詳細が送られてきます。
公式サイトでも値下げ⁉︎
下記のリオのカーニバル公式サイトからでも、カーニバル前日や当日であれば、値下げしたチケットが売られていることもあります。
観覧席の特徴
リオのカーニバル会場は、パレードが行われる道路の両脇に、階段型の観覧席が用意されています。まず、特徴としては、セクター1から13までのエリアに分割されています。その中で、スタンダード席やボックス席、ラウンジやバーなどの利用もできるVIP席などに分かれています。
おすすめの観覧席セクターは?
パレードのスタート地点、セクター1は、地元民用なので一般販売のチケットはありません。裏技としてダフ屋から購入できます。一般的にはセクター2〜13です。偶数セクターが西側、奇数セクターが東側になります。おすすめなのはセクター6〜11です。特に審査員近くのセクター8、9は、カーニバル出演者も気合が入り盛り上がります。ちなみにセクター12、13はゴール付近で、チケット料金も少し安くなってますが、他のセクターより座席が下がって配置されているため、観覧しにくいという意見もあります。
スタンダード席
リオのカーニバル会場の特徴として、セクター2〜13には座席指定のない2階の立ち見席があります。指定席がないので、ぎゅうぎゅう詰めになることもありますが、自由に踊りながら観覧が楽しめるでしょう。しかし、上記で述べたように、ゴール付近のセクター12、13は、他のセクターより後ろに配置されているので安くても、思い切りカーニバルを楽しみたいのであれば、避けた方がよいかもしれません。
ボックス席やVIP席は?
カーニバルが間近で楽しめる6人用のボックス席も人気があります。ボックス席専用のトイレもあり、全席指定で、快適に観覧できます。また、1人用の座席指定のある席もあります。その他には、専用のエントランスがあり、食事付き、専用のラウンジやバーの利用もできる超VIP席のチケットもあります。
リオのカーニバルに参加してみよう
見ているだけでもその熱気と情熱が伝染してくるリオのカーニバルですが、思い切って参加してみるのも楽しいでしょう。
街中で気軽に参加できるブロコ
リオのカーニバル開催期間中は、メイン会場のサンボドロモだけでなく、街中でカーニバルが楽しめます。ブロコと言って、街のあらゆる場所で、サンバのリズムや、バンド演奏に合わせて、地元民も観光客も自由に参加し楽しめます。おそろいの衣装で街を歩くグループも多く、リオのカーニバル開催期間は、街中がカーニバルの熱気一色にそまります。
まとめ
「リオのカーニバルとは?お祭りの起源や歴史、ルールなどをご紹介!」いかがでしたか。機会を作って、地球の裏側のお祭りに参加してみるのもおもしろいのではないでしょうか。