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世界一雷が落ちるマラカイボの灯台って何!?雷なのに無音ってどういう原理?

世界一雷が落ちるマラカイボの灯台って何!?雷なのに無音ってどういう原理?

マラカイボの灯台は世界一の落雷数で知られる自然現象で、ベネズエラの湖で起こります。同じ時間に同じ場所で無音の雷が無数に光り続けるという驚異的で不思議な現象です。マラカイボの灯台は落雷の多さでギネス記録にも載っており、研究や観光で世界中から注目されています。

目次 [表示]

マラカイボの灯台はどういう原理?

マラカイボの灯台の原理はまだ完全には解明されておらず、マラカイボ湖に雷が多い原因や雷鳴がない原因には諸説があります。有力な説はマラカイボ湖周辺の地形が関係していて、一般的な雷と同じ原理が当てはまるという見方です。

雷が多いのは雷雲ができやすい地形だから

マラカイボ湖で雷が多い原因は雷雲ができやすい地形にあるとする説が有力です。湖は北側でカリブ海とつながっていて、東・南・西側は高く急なアンデス山脈にぐるりと囲まれています。湖上では海から吹き込むあたたかく湿った風と、夜に山から吹き下りる冷たい風がぶつかり、大きな積乱雲ができる仕組みです。

無音なのは遠くて聞こえないから

出典: https://www.instagram.com/p/BGk8T-nyg80/

マラカイボ湖の雷が無音である原因は雷からの距離で、雷が遠いから稲妻は見えるけれど音は聞こえないとする説が有力です。一般に雷の光は40~50キロ先からでも見えますが、雷の音は約10キロ先までしか届きません。

マラカイボ湖は日本の琵琶湖の約20倍の広さで、周囲には遮る木や明かりがほぼないです。湖畔の湿原や対岸で起こる遠い雷でもよく見えますが、雷鳴は聞こえません。

マラカイボの灯台の歴史

出典:Pexels

マラカイボの灯台の歴史は大航海時代にヨーロッパ人が南米に進出してきて以降のものが知られています。ヨーロッパではカリブ海を航行するときの天然の灯台として知られていました。

現象自体はヨーロッパ人が進出してくる前から起こっていたようです。先住民の人々は「カタトゥンボの稲妻」と呼び、祖先の魂の訪れとして信仰する地域もありました。

最古の記録は16世紀

マラカイボの灯台についての最古の記録は16世紀のもので、叙事詩に侵入者除けの光として役立つさまが描かれています。

詩はスペインの詩人ロペ・デ・ヴェガの作品で、題材は敵国イギリスの海賊で海軍中将だったフランシス・ドレイクの南米遠征です。ドレイクらはスペイン植民地のマラカイボに夜間の奇襲を試みますが、光る空に照らし出されて失敗したという描写があります。

2回だけ発生しない年があった

出典:Pexels

マラカイボの灯台は記録に残っている限りでは2回だけ発生しない年がありました。1回目は1906年で、アメリカ大陸で大地震が頻発した年です。2回目は2010年で、エルニーニョ現象の影響を受けてか年が明けてから4月まで現象が起きず、現地は騒然としました。

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