目次 [表示]
- 青森県に伝わる恐山のイタコの基本
- 恐山のイタコは信仰習俗上の職業
- イタコの人数は年々減少している
- 恐山のイタコによる口寄せとは?
- 口寄せはイタコに霊を憑依させること
- 心理カウンセラー的な要素も大きい
- 恐山のイタコが口寄せを実施する時期
- イタコが口寄せするのは例大祭の時期
- イタコが口寄せをする時期の詳細
- 恐山のイタコが行う口寄せの内容
- 口寄せの内容は亡くなった人の話
- 恐山のイタコの口寄せで聞かれること
- イタコの口寄せ話は高確率で一方的
- イタコの口寄せに必要な待ち時間と所要時間
- 恐山のイタコ口寄せの予約について
- イタコの口寄せは予約不可能となっている
- 予約ではなく現場で並んだ先着順
- 恐山のイタコの口寄せにかかる料金
- 恐山のイタコの口寄せにかかる料金の相場
- 恐山のイタコに口寄せを聞いてみよう!
青森県に伝わる恐山のイタコの基本
恐山のイタコを皆さまはご存知でしょうか?恐山は、東北地方北部の青森県下北半島中央部に位置している活火山。恐山は、カルデラ湖の宇曽利山湖畔にある日本三大霊場・恐山菩提寺が存在する場所にあります。恐山で活動しているイタコは、霊能力を持った巫女で、イタコを目的に恐山を訪れる人も多くいます。
恐山のイタコは信仰習俗上の職業
恐山のイタコは、口寄せが有名ですが、「イタコ自体が何者なのか」を知らない方も多いでしょう。イタコは巫女の1種で、「シャーマニズム」という独自の能力によって成立している宗教に基づいている「信仰習俗上の職業」です。従来は「目が見えていない」「弱視の女性」の職業として知られていました。「修行を重ねてイタコになることで、生活の糧にしていた」という話もあります。
イタコの人数は年々減少している
イタコを仕事にしている人数は、年々減少傾向で現在は少なくなっています。元々、イタコになることができる条件に、目が不自由な女性ということがあります。当時は視力を失う原因となっていた麻疹がありましたが、現在はワクチン接種がポピュラーになり罹患者が減少しイタコになれる条件を満たした人が減少したのです。視覚障碍者の職業選択が広がり、師弟関係がなくなりつつあるため、人数は減少して高齢化も進んでいます。
恐山のイタコによる口寄せとは?
イタコを求めて恐山には、毎年多くの人が訪れますが、イタコを求めて来る人々の目的をご存知でしょうか。恐山のイタコを求めて訪れる人の目的は、イタコによる口寄せ。「口寄せ」は、亡くなった人の霊に変わって、イタコが意志などを言葉にして話すことです。霊能者には遺伝的な要素が多いため、親子でイタコとして口寄せを行っている方も多くいます。
口寄せはイタコに霊を憑依させること
口寄せは、亡くなった人の霊に変わって、イタコがその人の意志などをイタコの口から話すことです。霊はイタコ自身が自分に憑依させており、イタコの話す言葉はイタコの言葉ではなく、霊の言葉で話をする降霊術。降霊術は「占い目的のために亡くなった人の霊を呼び寄せる術」と言えるでしょう。亡くなった人の意志を知りたい人が、イタコの口寄せに集まっているのです。
心理カウンセラー的な要素も大きい
イタコは、「霊能力によって霊を憑依させる人」と「他の手法」の2パターンがあります。中には実際に霊能力を持つ人もいますが、精神的な要素で仕事をしている人もいるのです。後者のケースは特に心理カウンセラー的な要素が大きくなっています。依頼者の話を聞いて心を読み解くことで、相手を救う的確なアドバイスを伝えるという、メンタル面での対応が多いのです。
恐山のイタコが口寄せを実施する時期
口寄せ自体は恐山だけで、行われているわけではありません。イタコは、それぞれ自分の生活している場所で、口寄せをして生活をしています。中でも特に恐山のイタコは、口寄せをする時期が決まっています。恐山で口寄せをする時期について確認していきましょう。
イタコが口寄せするのは例大祭の時期
イタコが恐山で口寄せをするのは、例大祭の限られた時期だけです。口寄せをしてもらうためには、必ず例大祭の時期に、恐山に足を運ばなければなりません。例大祭は1年間に2度実施されその時期も毎日来る訳でもありません。行くときは注意しましょう。
イタコが口寄せをする時期の詳細
イタコが恐山で口寄せをするのは、例大祭の期間中です。例大祭は、夏が7月20日~24日までの4日間、秋が10月第2週の3連休の年間合計わずか7日間に限られます。開山時間は6時~18時まで、期間中でも不可能なことがあるため訪れる際はご注意ください。
恐山のイタコが行う口寄せの内容
実際にイタコが口寄せで話される内容やエピソードは、実際に足を運んだ人にしかわかりません。口寄せの内容やエピソードは謎に包まれており、プライベートで秘密にしている人も多いため「口寄せをしてもらう前に内容を知りたい方も多い」でしょう。恐山のイタコの話す、口寄せの内容を見ていきます。
口寄せの内容は亡くなった人の話
亡くなった人は、お父さん・お母さん・おじいちゃん・おばあちゃんなど家族や故人を知っている知人で、対象者を指名できます。イタコのもとに訪れる人は、あの世に行った人に想いを伝えられなかった人、話したいエピソードがあるなどさまざま。聞いたことに対して、イタコは降りてきた言葉で伝えてくれるのです。
恐山のイタコの口寄せで聞かれること
イタコが憑依される前に、必要な基本内容を聞かれます。基本的に聞かれることは、憑依させるために必要な個人情報やエピソードです。口寄せでは「話したい相手との関係性・命日、亡くなった時の状況を聞かれることもあります。内容は調べておかなければ分からないこともあるため事前のリサーチが大切です。
イタコの口寄せ話は高確率で一方的
訪れる人の中には「話をしたい相手との会話を楽しみたい」と思っている方も多いでしょう。しかし、残念ながら口寄せは一方的に話すケースが大半を占め、会話のキャッチボールをすることは困難です。「聞こうとしていたエピソードを聞けなかった」という人もいますが、近年は会話ができるイタコも増加傾向にあります。
イタコの口寄せに必要な待ち時間と所要時間
1年間でも限られた期間だけとなる口寄せは待ち時間が発生することもあります。行われるテントの前には、順番を待つ人が座って待機しており、待ち時間は混雑状況で異なります。待っている人数が少ない日は数時間ほどで順番が回ってくることもありますが、多い日には1日待っても順番がこない可能性もあります。一人あたりの所要時間は30分~1時間を見ておいた方がいいでしょう。
恐山のイタコ口寄せの予約について
利用する方の中には、スケジュールの管理もしやすくなりますし、長時間待つのも大変なので「事前に予約したい」と思われる方も多いでしょう。限られている期間だけ受けられるため、多くの人が集まる恐山では、待ち時間が長くなることもあります。イタコの口寄せは、予約できるのか否かを見ていきましょう。
イタコの口寄せは予約不可能となっている
予約できれば便利ですが、恐山に居るイタコの予約は不可能です。受けたい場合には、原則実施されている例大祭の期間中に、青森県まで足を運ばなければなりません。例外として期間外の場合は、イタコに直接連絡を取ることで対応してくれることもあります。期間外にお願いしたい場合には、対応しているイタコのオフィシャルホームページなどを確認しましょう。
予約ではなく現場で並んだ先着順
予約することは不可能ですので、どのようにして利用すればよいのでしょう。利用方法はシンプルで、街中のレストランみたいに最後尾に並ぶだけです。予約ではなく、並んだ順番で利用できるのも口寄せの特徴でしょう。
恐山のイタコの口寄せにかかる料金
恐山のイタコですが、お願いする際の料金が気になる方も多いでしょう。必要となる料金は、事前に問い合わせても答えてくれないことも多いのです。大きい金額を持っていくと、お釣りが用意されておらず、出してくれないこともあるため、イタコの口寄せで知っておきたい料金を見ていきます。
恐山のイタコの口寄せにかかる料金の相場
必要な料金の相場は、平均は4,000円が多く3,000円~5,000円が中心のようです。金額は1人口寄せした場合の料金です。3人口寄せした場合には、基本の3倍となる12,000円がかかります。恐山は入山料金500円がかかるため、1人口寄せした場合でも合計で最低でも4,500円がかかるのです。
恐山のイタコに口寄せを聞いてみよう!
恐山のイタコとは何なのか、詳細と共に解説していきました。恐山のイタコは、1年でも限られた期間だけ行っているため、希望する場合には期間を合せて現地へ向かう必要があります。実際に口寄せを受ける際には、青森の方言が強い人もいるため、聞き逃さないようにご注意ください。