ざざ虫って何?
ざざ虫は、長野県の伊那地域で食べられる食用昆虫です。食用昆虫と聞くと、見た目がグロテスクなので食べるのに抵抗がある方も多くいるのではないでしょうか。
しかし、ざざ虫はタンパク質が豊富でなんと長寿効果もあります。独特な歯ごたえがあるざざ虫は、お酒のつまみにも合い、伊那市のスーパー、料亭や居酒屋で提供しているお店もあります。
ざざ虫を食べる伊那市ってどこ?
人口(人) | 面積(㎢) |
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67,920 | 667,93 |
長野県伊那市は、長野県の南部に位置していて、県内で3番目に面積が広い地域です。中央アルプスと南アルプスに天竜川が流れる伊那地域は自然に囲まれています。
他にも、映画「ALWAYS三丁目の夕日’64」のロケ地になった旧馬島家住宅や、映画「orenge-オレンジ」やCMにも使われた入笠牧場「貴婦人の丘」も伊那市です。
昆虫食は伊那地域の食文化
あまり馴染みのない食用昆虫ですが、長野県では現在も食用昆虫を食べる文化が残っています。日本でざざ虫を食べるのは伊那地域だけで、伊那地域の伝統食として地元民に親しまれています。昔からいろいろな物を食べてきた伊那地域では、ざざ虫・いなご・はちのこは、伊那地域の三大珍味と言われる有名な名物です。
ざざ虫漁をする天竜川
ざざ虫漁は、天竜川上流地域の清流で行われます。天竜川は長野県の諏訪湖を源として、愛知県、静岡県の中部地方を流れる213キロメートルある大河川です。
ほとんどの昆虫食が陸上なのに対し、ざざ虫は水生昆虫の幼虫です。ざざ虫漁の時期になったら、漁師さん達はざざ虫漁に使う専用道具(四ツ手網・万能鍬・選別機)を準備し漁を始めます。
ざざ虫ってどんな虫?
ざざ虫は、天竜川の清流に住む、主にトビゲラ・カワゲラ・ヘビトンボなどの水生昆虫の幼虫を総称してざざ虫と呼びます。ざざ虫は、糸のようなものを出し、小石を繋ぎ合わせ岩に巣を作り生息しています。数種類いるざざ虫ですが、最も多く捕れるのはトビゲラです。
ざざ虫は幼虫の名前ではない
ざざ虫という特定した虫はおらず、トビゲラ・カワゲラ・ヘビトンボなどの水生昆虫の幼虫を総称してざざ虫と呼んでいます。ざざ虫の「ざざ」の語源は何なのか疑問に思う方もいるでしょう。理由は、川が「ザーザー」と流れているところに住んでいる幼虫、ということが語源と言われています。
漁の時期は12月から2月末まで
ざざ虫漁が行われるのは、12月初期から2月末までの冬限定です。短い期間ですが、冬の時期のざざ虫は一番脂が乗っているんですよ。漁をするには天竜川漁業協同組合の鑑札が必要で、作業している漁師さんたちは鑑札を付けながら作業しています。
昭和の頃は10トン以上捕れた時代もありましたが、現在では数百キロと少なく、漁師さんも減少し、後継者不足の問題もあるのです。