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ジャンボタニシの卵とは?
ジャンボタニシの卵は、水上に産みつけられるのが特徴のひとつであり、酸素のないところではふ化できません。日本に生息するジャンボタニシは、おもに田んぼの用水路のコンクリート壁や、稲や雑草の茎の水面に近い部分に産みつけます。
毒々しいピンク色の塊
ジャンボタニシの卵は濃いピンク色の粒々した塊で、人工物のような毒々しい色合いが特徴的です。
1つの塊には、直径2ミリほどの卵が数十~数百個もあり、全体の表面を膜がおおっています。卵塊の表面の膜は、ふ化が近づくにつれて厚くかたくなり、色も透明から徐々に白になるので、ピンク色が目立つのは産卵から数日間だけです。
発生時期は春~秋
ジャンボタニシの卵が発生する時期は春~秋であり、6~8月ごろにもっとも盛んに増えます。産卵~ふ化までの日数は、気温に左右されるので地域や時期ごとの差が大きいですが、25度の気温であれば約2週間です。稚貝が成貝になるまでの日数は、ふ化から約2か月と早く、寒い環境ではもう少し日数がかかります。
ジャンボタニシの卵には毒がある!
ジャンボタニシの卵は、毒々しい見た目のとおり毒があり、素手で触ると危険な卵です。ジャンボタニシの卵の派手なピンク色は、警戒色であり、ほかの生物が一目見て危険だと察知し警戒するように、わざと周囲から目立たせていると考えられています。
神経毒を持つ
ジャンボタニシの卵が持つ毒は、捕食者の神経を麻痺させる毒であり、体内に入ると危険です。卵に触れた手で、目・鼻・口や傷口などに触ると大変危険なので、素手で触るのは避けましょう。ジャンボタニシの卵は、毒のおかげで日本には天敵がおらず、唯一の天敵は、ジャンボタニシと同じ南米原産の害虫であるヒアリです。
加熱すれば無毒化されるが食べる人はいない
ジャンボタニシの卵の毒はタンパク質性なので、加熱殺菌すれば毒性はなくなるそうですが、身とは異なり食用には向いていません。ジャンボタニシの卵は、食べる人がそもそもいないため、人が食べて安全かどうかも不たしかですが、味は、加熱しても苦くておいしくないと伝わります。
ジャンボタニシの卵の駆除方法
ジャンボタニシの卵の駆除は、ふ化からの日数によって方法が異なり、作業はシンプルですが数が多いので骨が折れます。行う時期は春~秋で、長いヘラや火ばさみが必要であり、装備は長靴やビニール手袋が必要です。卵の駆除の目的は数を増やさないことで、駆除した翌日には産卵されており、農家では毎週行う場合もあります。
濃いピンクの卵は水に落とす
ジャンボタニシの卵の駆除は、卵が濃いピンク色のやわらかい状態であれば、ヘラや火ばさみでそぎ取って水に落とす方法が一般的です。濃いピンク色の卵は、産卵から日が浅く、外から酸素を取り入れる必要があり、水につかると窒息死します。
白っぽい卵はつぶす
ジャンボタニシの卵の駆除は、卵が白みがかっていて、かたい状態であれば、ヘラや火ばさみでつぶす方法が最適です。白みがかった卵は、水への耐性ができてきているため、水に落とす方法は万全ではありません。必ず全粒をつぶし、つぶした卵は、においのもとやカラスのエサにならないよう、土に埋めます。
注意すること
ジャンボタニシの卵の駆除で注意すべきことは、卵に素手で触らないことであり、卵に触れた手袋や長靴、ヘラなどは加熱殺菌してください。卵には、毒だけでなく、人体に害のある寄生虫(広東住血線虫)がいる恐れもあります。ジャンボタニシの生息地を広げないように注意して、とった場所ですぐに始末してください。
出典:写真AC