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ジャンボタニシの成貝の駆除方法
おもな予防策 | |
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侵入させない | 春~秋、水口にネットを張る |
活動させない | 田植え後、水位を殻高より低く保つ |
越冬させない | 冬、耕うん・用水路の泥上げをする |
ジャンボタニシの成貝の駆除や予防は、自治体ごとに方針を決めていることが多く、予防策と組み合わせて時期ごとに複数の対策をとるのが一般的です。ジャンボタニシには、卵と同じ寄生虫(広東住血線虫)がいる恐れがあるので、素手で触るのは避け、ジャンボタニシに触る用具・装備は使用後すぐに消毒します。
おもな駆除方法
春~秋 | 冬 | |
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物理的な駆除方法 | 貝をエサで集めて捕殺する | 田んぼを掘り返す |
用水路の泥を取り除く | ||
化学的な駆除方法 | 殺貝剤をまく | ― |
忌避剤を用水路・田んぼにまく | ||
田植え前・収穫後、田んぼに石灰窒素をまく |
ジャンボタニシの成貝のおもな駆除方法は、活動期にあたる春~秋であれば、薬剤をまく方法と、個体を集めてつぶす方法があります。冬は予防策と同じであり、越冬する個体を減らすために、掘り返す作業で殻を割って、地上で寒気にさらす方法です。
駆除は、まとめて行うのが効率的ですので、休耕中の田植え前と収穫後~冬が重要で、地域ぐるみで取り組む必要があります。
食べる駆除もあり
ジャンボタニシは、食用として輸入された巻貝なので、泥抜きと加熱殺菌をすれば、田んぼから取り除いた個体を食べられます。ジャンボタニシの卵巣は毒があり、内臓は臭みがあるので取り除き、調理器具はなるべく台所用とは別に用意し、使い終えたら必ず加熱殺菌してください。
味は癖がないので濃い味付けと相性が良く、食べ方はエスカルゴや煮つけなどがおすすめです。
田んぼにいる農業被害を出す外来生物
おもな動物 | おもな植物 |
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アカミミガメ アメリカザリガニ ウンカ ヌートリア★ |
アゾラ・クリスタータ★ アレチウリ★ ナガエツルノゲイトウ★ ボタンウキクサ★ |
外国から持ち込まれた生物で、田んぼを荒らして農作物に影響を与える種は少なくありません。外来種は、在来種より繁殖力が強いことが多く、一度増えると駆除するのが大変なので、外来種を知り、生きた個体をむやみに違う場所へ移さないことが大切です。
特定外来生物は、生きた個体を移動させる、飼うなどを無許可で行うと、法律で罰則を受けます。
ヌートリア
登録 | 特定外来生物 |
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和名 | ヌートリア |
分類 | ネズミ目ヌートリア科 |
分布 | 近畿・中国・四国に集中、東海・関東・九州でも確認 |
害 | 農業:作物や地下茎を食べる・盛り土を破壊する |
インフラ:電線ケーブルをかんで断線させる | |
生態系:川岸において崩す恐れがある |
ヌートリアは、田んぼにいる農業被害を出す外来種のひとつで、飼育や生体の持ち運びが法律で規制されている特定外来生物です。ヌートリアの原産地は南米で、水辺に生息しており、農業被害は稲や根菜などに多く、今よりも増えると生態系を崩す恐れもあります。
ウンカ
登録 | ― |
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和名 | ウンカ |
分類 | カメムシ目ウンカ科 |
時期 | 6~7月、全国に飛来¹ |
害 | 農業:坪枯れさせる・イネの病気を媒介する |
種類 | トビイロウンカ・セジロウンカ・ヒメトビウンカ |
ウンカは、田んぼにいる農業被害を出す外来種のひとつで、江戸時代から問題になっている稲の害虫です。ウンカは、アジアのおもに熱帯地域に生息し、毎年6~7月に日本に飛来して稲の病気を持ち込むほか、飛来した個体から繁殖し、稲を吸って枯れさせます。
ジャンボタニシの卵を見たら道具で駆除!
ジャンボタニシの卵には毒があるから、素手で触るのは危険!
田んぼで見かけるピンク色の卵塊は、稲を食べる害貝・ジャンボタニシの卵ですので、つぶして駆除しましょう。ジャンボタニシの卵には毒があり、派手で毒々しい色であるのは、捕食者に警戒させるためとする説が有力です。ジャンボタニシの卵には、有害な寄生虫がいる可能性もありますので、素手で触るのは避けましょう。
出典:写真AC