日本の主な山妖怪一覧
山に伝わる妖怪は、危険な山にむやみに入るなという警告で誕生したもの、不要な開発をしてはいけないという戒めのために伝わったものなどがあります。山妖怪の姿は、動物が化けたものから、人間に似た天狗などがいますが、ベトベトさんのように、音だけ聞こえて姿が見えない妖怪もいます。
①油すまし
油すましは熊本県の峠に伝わる妖怪ですが、伝承されていることがあまりない謎の多い妖怪です。峠を歩く老婆が、孫に「昔、峠には油瓶をさげた妖怪が出た」と話すと「今もいるぞ」と登場して驚かされたと伝えられています。油泥棒の亡霊とされたのは昭和以降です。
②山童(やまわろ)
山童は河童が山に入った姿です。河童はこどもの妖怪のため、山童も身長は十歳のこどもくらいだとされており、九州を中心に、西日本に多く伝わっています。河童が冬に山籠もりをする姿と伝わっている地域もありますが、河童が夜に川を出て山へ入る姿と伝わっている地域もあります。
③やまびこ
やまびこは、妖怪が返す声だと考えられていました。やまびこを、山彦・呼子・木霊と表現する地域もあります。ゲゲゲの鬼太郎に登場するやまびこは一本足のかかしのようですが、妖怪絵巻に登場する姿は、犬や猿に似ています。
日本の主な海妖怪一覧
海の妖怪も山と同じように、警告や戒めのために伝わったものが多くあります。「お盆を過ぎると、足を引きずり込まれるから海へ入ってはいけない」といわれているのも一つです。足を引きずり込むといわれるのは磯女という妖怪です。海妖怪は、大きな災いを引き起こすとされ、昔から恐れられてきました。
①海坊主
海坊主は黒くて大きな妖怪です。山陰や新潟など、日本海側に多く伝わっていて、妻は水死した女性の妖怪、海女房だといわれています。主に穏やかな夜の海に現れて、気分を害すると船をひっくり返して沈めるといわれています。
②船幽霊
船幽霊も、海坊主と同じく船を沈める妖怪です。水難事故で亡くなった人の幽霊、怨霊と伝えられています。海坊主と似ていますが、船幽霊は主に荒天の海に現れると伝わっていて、海以外の川や湖に現れたと伝わっている地域もあります。
③人魚
西洋では童話に登場する人魚ですが、日本では海の妖怪だと伝承されています。美女が多い西洋のイメージとは異なり、日本では不気味な人面魚のような絵が多く残されています。西洋と日本の人魚の共通点は、災害や津波を引き起こす不吉な存在とされている点です。
出典:写真AC