日本の主な女妖怪一覧
女の妖怪は、女性の嫉妬にまつわるものと、老婆に関するものが多くあります。醜い存在として描かれることもありますが、磯女・雪女など美人でかわいい妖怪も伝わっています。人の命を奪うといわれている恐ろしい女妖怪もいますが、多くの女妖怪は、姿を見せても何もしなかったり、嫌がらせくらいのことしかしません。
①砂かけ婆
砂かけ婆は、砂をかけて相手の目をつぶす妖怪です。関西に多く伝わっています。ゲゲゲの鬼太郎ではおなじみの砂かけ婆ですが、本来は誰も見たことがありません。
絵巻にも描かれていないため、砂を投げるのはたぬきの仕業といわれたりもします。竹藪に住み着いた老婆の妖怪が砂を投げてくる、と伝承されている地域もあります。
②八百比丘尼(やおびくに)
八百比丘尼は、尼僧の妖怪です。娘時代に人魚の肉を食べて長命を得たため、容姿は17歳くらいのかわいい姿のままで、まわりの人から恐れられてしまいました。
ひとりぼっちになった娘は、出家して全国を行脚したため、日本の多くの地で八尾比丘尼の伝説が残っています。最後は福井県小浜市空印寺の洞穴で入定(生きたまま永遠の瞑想に入ること)したと伝わっています。
③高女
高女は遊郭に現れる妖怪です。男性から相手にされず、嫉妬深く醜い姿になった女性の妖怪だといわれています。高女は、遊女屋の二階を覗き歩きます。江戸時代に刊行された「画図百鬼夜行」に登場しますが、詳しい説明がないため、吉原を風刺して描かれたという説が有力です。
日本のかっこいい妖怪
力が強い鬼や、さまざまな妖術を使う天狗は、恐ろしいながらもかっこいい存在です。昭和は不気味であったアニメのゲゲゲの鬼太郎ですが、平成に入ってからはかっこいいイケメンの妖怪もたくさん登場しているため、かっこいい者好きの女性ファンが増えています。
桂男
桂男は、平安時代には単純に「美男」を示す言葉として、かっこいい男性に対して使われていました。しかし、江戸時代の怪談本「絵本百物語」では、桂男は妖怪として登場します。
「絵本百物語」では、満月ではないときに長い間月を見続けると、桂男に手招きされて寿命が縮まると書かれています。かっこいい男性がいるかと、月をじっと見つめるのは危険です。
ぬらりひょん
ぬらりひょんは、妖怪の総大将です。ただし、妖怪の総大将として描かれるようになったのは昭和以降です。夕方の忙しい時間に、勝手に家に上がりこんでお茶を飲む、といわれています。謎が多くミステリアスなところもかっこいいといわれています。
平成以降のアニメでは、若くてイケメンというかっこいい容姿で描かれることが増えました。
日本のかわいい妖怪
かわいい妖怪は、妖精のようであったり、こどもの姿をしているものが多くあります。アニメやこども向け映画であっても、恐ろしい描写が多かった妖怪ですが、近年はこどもや女性が好む、かわいい容姿で描かれるようになってきました。
キジムナー
キジムナーは、沖縄に伝わる樹木の妖怪です。主に、家の庭のガジュマルの木に現れます。ゲゲゲの鬼太郎に登場するキジムナーは、ひよこにも見える容姿ですが、沖縄では見た目はこどものようだと伝えられているかわいい妖怪です。
キジムナーが住み着いた家は繁栄し、嫌われると滅びるといわれています。沖縄版の座敷童ともいえる妖怪です。
アマビエ
アマビエは豊作や疫病を予言する妖怪です。人魚のような容姿で、色がついているときは、ピンクや紫で塗られているため、カラフルな見た目がかわいい妖怪です。流行り病がでたら、人々に自分の姿を絵に描いて見せるよう告げたと伝承されているため、コロナ禍で注目されはじめました。御朱印にも多く描かれています。
出典:写真AC