太田山神社の主祭神は道案内の神様
太田山神社には「猿田彦命」(サルタヒコノミコト)と呼ばれる道案内の神様が主祭神として祭られています。神話にて天孫降臨した「瓊瓊杵尊」(ニニギノミコト)を導いたことにより、人を導く神様としての御利益を持つことで有名です。
だからこそ修験者たちは「仏の道」を太田山神社(当時は寺)に見出したともいわれています。
実は芸能の御利益も!
太田山神社は芸能の御利益も持っています。芸能の御利益は猿田彦命の妻である「天宇受売命」(アメノウズメノミコト)の御利益です。神話にて天宇受売命が天岩戸に隠れてしまった「天照大御神」(アマテラスオオミカミ)を誘い出すために舞を舞ったことに由来する御利益とです。
太田山神社は1871年までは寺だった
太田山神社はかつては寺とされていました。「神仏習合」と呼ばれる古い文化によるものです。以前までは大日如来などの仏像を祭っていましたが、1871年の「神仏分離令」により、あらゆる仏像が移されて「太田山神社」と呼ばれるようになりました。
航海の神様としての側面もある
太田山神社は1454年に松前藩祖の武田信広が北海道に上陸した際に「太田大権現」として、航海の安全祈願もされるようになりました。1857年からは、境内に「定燈篭」と呼ばれる北海道で最古の灯台が設置され、置き船の安全を守る役割を担っています。
定燈篭は四方から見ると「太田山」の文字が浮かび上がるように設計されている灯台です。
体力と度胸に自信があるならおすすめ!
太田山神社には毎年のように観光客が訪れます。どなたも「苦難を乗り越えなければたどり着けない神社」という点に価値を見出した方々です。しかし、管理者側も心身ともに健康でない方が入山しないよう呼び掛けているため注意してください。現時点では死者こそ出てはいませんが、一歩間違えれば命の保証はできません。
事前準備を忘れずに
健康の次に大切なのは入念な準備です。急勾配や崖もそうですが、山中には大型の虫も大量に発生します。多くの体力自慢が軽はずみに入山して酷い目にあっているのも虫の影響が大きいです。懸命に登る中で虫が身体にまとわりついてくるのは精神的に辛いので、虫よけは必須でしょう。クマやヘビにも注意が必要です。
参拝だけなら崖を登る必要はない
実は太田山神社に参拝をするだけならば登山をする必要はありません。「えっ!?」と驚く方もいるようですが参拝用の拝殿もちゃんと麓に用意されています。地元住民からしても、本殿までは毎回登ることはできないので、多くの方々は拝殿のみで参拝を済ませているようです。
太田山神社は道標の役割を持つ神社
太田山神社の要点まとめ
- 北海道せたな町にある太田山神社は「道南五大霊場」の一つに数えられる神社!
- 太田山神社の参道は日本一険しい!
- 太田山神社は、古くは修験者や漁師、今は観光客と、「人を導く」力を持った神社!
- 登るなら健康管理と事前準備を忘れずに!
太田山神社の持つ全ての特徴は「道標」としての役割からきています。霊場という役割で魂を導き、険しい参道で修験者を導き、灯台で漁師を導いてきた太田山神社は今、紡いできた歴史と特徴で観光客を導いています。北海道函館市から車で約2時間半と少々遠いですが、北海道の定番観光地に飽きたという方にはうってつけです。
出典:O-DAN(オーダン)