目次 [表示]
- 北海道庁赤レンガは2022年まで休館!
- 東京オリンピック中は道庁赤レンガが見える?
- 北海道庁赤レンガの歴史とは?
- 八角塔は一度外されてしまった?
- 北海道庁赤レンガは大火に見舞われた?
- 北海道庁赤レンガの見どころは?
- 歴史を感じさせる明治時代の建造物
- 種類豊富な植物と整備された前庭
- 北海道庁赤レンガ内部の展示は?
- 北海道庁赤レンガのリニューアルは?
- 観光の見どころは今まで入れなかったエリアの開放
- 北海道庁赤レンガを楽しむ観光スポット3選
- 道庁赤レンガを楽しむスポット①:アカプラ
- 道庁赤レンガを楽しむスポット②:赤レンガテラス
- 道庁赤レンガを楽しむスポット③:北1条さっぽろ歴史写真館
- 北海道庁開拓の関連スポット6選
- 北海道庁開拓関連スポット①:札幌時計台
- 北海道庁開拓関連スポット②:北大植物園
- 北海道庁開拓関連スポット③:サッポロファクトリー
- 北海道庁開拓関連スポット④:大通公園
- 北海道庁開拓関連スポット⑤:豊平館
- 北海道庁開拓関連スポット⑥:清華亭
- 北海道庁の歴史を知るには開拓の村!
- リニューアルが楽しみな北海道庁赤レンガ!
北海道庁赤レンガは2022年まで休館!
旧北海道庁官舎こと北海道庁赤レンガは、札幌駅から徒歩で5分ほどの場所にある有名な札幌のシンボルのひとつです。観光のかなめとして親しまれてきましたが、建物の老朽化や耐震工事のため2019年10月より約3年、2022年のリニューアルを目指し休館することになりました。
東京オリンピック中は道庁赤レンガが見える?
道庁赤レンガは外観改修時にシート覆われ、その姿が見えなくなってしまいます。
しかし、IOCから2020年8月の東京オリンピックの競歩、マラソンコースに札幌が指定されました。先行発表されたコースは、道庁前である3丁目通りを通過します。大会期間はシートを外し、道庁赤レンガの姿も見られるようにするプランが検討されています。
北海道庁赤レンガの歴史とは?
道庁赤レンガこと旧北海道庁官舎は明治21年に建てられ、デザインはアメリカ風のネオバロック様式を採用。当時、建物にドーム状の部分を乗せる建築デザインはアメリカの流行だったのです。建物の資材は多くが道産の物で、外装のレンガに至っては札幌製のものが約250万個使われました。
八角塔は一度外されてしまった?
道庁赤レンガの特徴である中心部のドーム型の八角塔と換気塔は、明治28年頃構造の不安定さを理由に一度撤去されたことがありました。道庁赤レンガは昭和43年の修復工事まで八角塔と換気塔が無い建築デザインだったのです。
北海道庁赤レンガは大火に見舞われた?
道庁赤レンガは明治42年、大火事に見舞われました。その際、内部は大部分が焼けましたが、外部はレンガ造りだったのでダメージは軽く、2年後には復旧しました。昭和43年には北海道100年と国の史跡に指定された流れを受けて、創建当時の姿に復元。昭和44年に国の重要文化財に指定されました。
北海道庁赤レンガの見どころは?
ここからは、外観や庭の見どころをご紹介します。道庁赤レンガは休館につき内部は見学できませんが、敷地や庭は開放されているため、周辺の観光は可能です。正門の開放時間は、午前7時から午後9時までとなっています。
外観も19年12月17日時点では、まだシートが被さっていません。もう少しの間、見ることができるでしょう。
歴史を感じさせる明治時代の建造物
道庁赤レンガの外装は、長いレンガと小さいレンガを交互に組んでいくフランス積みと呼ばれる工法が使用されました。当時は札幌で作ったレンガが使われたと紹介しましたが、火事の改修時には22万個ほど江別産のレンガに変わっていて、よく見てみるとレンガの風合いが違う部分がわかります。
窓に目を向けるとガラスがひずんで反射し、年代物であることを感じられるでしょう。
種類豊富な植物と整備された前庭
道庁赤レンガの敷地では、さまざまな樹木が植えられており、ライラックやハマナスなど北海道ならではの花が季節を彩ります。池には鯉やマガモもやってくるので、見どころのひとつでしょう。
道庁赤レンガの正面の道はコンクリートでしたが、平成28年にレンガに換装さました。一部のレンガには、小学生が彫った北海道の市町村の名前などがつけられています。
北海道庁赤レンガ内部の展示は?
北海道赤レンガの内部は火災からの改修時の様子を残しており、美しい装飾の手すりや階段があるエントランス、執務机や応接スペースがある知事室が再現された2階の記念室があります。
展示物では北海道の名付け親で、伝記ドラマが話題になった松浦武四郎が作成した地図が閲覧でき、さらに、明治の町並みを再現したジオラマが見どころでした。
北海道庁赤レンガのリニューアルは?
リニューアル後の道庁赤レンガは、市民や有識者の意見を参考に食文化を楽しめる飲食スペースを設けたり、歴史文化や自然景観の魅力についての展示を強化します。
いままであった土産物コーナーも、セレクトショップとして拡大予定。さらに、バリアフリー化を望む声が多くあったため、もとの内装を損ねないエレベーターの設置などが行われる予定です。
観光の見どころは今まで入れなかったエリアの開放
道庁赤レンガは地下に立ち入ることはできませんでしたが、リニューアル後は地下もイベントギャラリーとして開放されます。上の八角塔も眺望を活かした利用を予定しており、申し込み制で屋根裏とベランダが見学できます。詳細は下記リンクでご覧ください。
北海道庁赤レンガを楽しむ観光スポット3選
道庁周辺には赤レンガをさらに楽しめるスポットがあります。道庁赤レンガを変わった角度で見られたり、近辺の歴史的背景を知ることができるので、時間がある場合は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
道庁赤レンガを楽しむスポット①:アカプラ
アカプラは赤レンガ正門前にある北3条広場。イチョウを両脇に並べた風景が床の赤レンガを彩ります。広場を含んだ北3条通りは札幌で最初に舗装された道路で、その当時は木とタールを混ぜた木塊と呼ばれるものを使って整備されていました。
現在はイベントスペースとして利用され、夏は屋台やパフォーマンス、冬期はイルミネーションイベントが催されています。
道庁赤レンガを楽しむスポット②:赤レンガテラス
三井ショッピングパーク赤れんがテラスは道庁の正面、北3条広場沿いにある商業ビル。グルメが充実しており、多数のレストランからベーカリーまで道産食材を満喫できるスポットです。エスカレーターで3階まであがると、眺望ギャラリーから道庁赤レンガを違う角度で見下ろすことができます。
住所 | 〒060-0002 北海道札幌市中央区北2条西4丁目1番地 |
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営業時間 | 店舗により異なります |
アクセス | JR「札幌」駅 徒歩5分地下鉄南北線「さっぽろ」駅 徒歩2分 |
公式サイトURL | https://mitsui-shopping-park.com/urban/akatera/ |
道庁赤レンガを楽しむスポット③:北1条さっぽろ歴史写真館
北1条さっぽろ歴史写真館は、地下鉄札幌駅と大通駅とをつなぐ地下通路に直結。北1条通りの公共地下歩道にあります。
昭和初期から中期にかけての写真展示がメインですが、北海道の道路の歴史を紹介した展示があり、開拓当初の工事もパネルで紹介されているため、近くを通る機会や時間があれば、見学することをおすすめします。
北海道庁開拓の関連スポット6選
北海道庁赤レンガ以外にも、開拓使時代の建物や施設が多く残されています。中にはイベントスペースなどに使われているものもありますが、多くのたたずまいは時間が止まったかのよう。
これから紹介する施設は、開拓使長官にもなった黒田清隆、海外から顧問として招聘されたケプロンとクラーク博士らが深く関わっている、北海道庁の開拓を伝える建築物です。
北海道庁開拓関連スポット①:札幌時計台
札幌時計台はもともと旧札幌農学校の演武場で、学生たちの訓練や式典を行う講堂でした。完成した当時は時計は無かったのですが、見学に来た黒田清隆の指示で時計の設置が決定。
しかし、注文して届いた時計は大きすぎて設置できず、他の建造物への流用も考えられたものの、最終的に建物のデザインが作り直され完成しました。現在も観光の代表格として時間を知らせています。
住所 | 〒060-0001 札幌市中央区北1条西2丁目 |
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営業時間 | 8時45分〜17時10分(入館は17時まで) |
定休日 | 年始1月1日〜1月3日 |
公式サイトURL | http://sapporoshi-tokeidai.jp/ |
北海道庁開拓関連スポット②:北大植物園
北海道庁の裏にある北大植物園。クラーク博士が植物園の必要性を唱え、国内では初めての近代的植物園として明治19年に開園されます。北海道の林業や園芸業に協力したり、外国の植物を育てる研究をしていました。
今では園内に点在する当時の建築物や樹木が残り、明治を感じさせる自然が見どころです。植物園は北海道大学が管理しており、冬期は温室のみ開放されます。
住所 | 〒060-0003 札幌市中央区北3条西8丁目 |
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営業時間 | 平日10:00~15:30(入園は15:00まで) 土曜日10:00~12:30(入園は12:00まで) |
定休日 | 日曜日・祝日、12/28から1/4 |
公式サイトURL | https://www.hokudai.ac.jp/fsc/bg/ |
北海道庁開拓関連スポット③:サッポロファクトリー
サッポロファクトリーは、いまのサッポロビールである開拓使麦種製造所の建物を商業施設として利用したもの。ケプロンは開拓使の顧問として多くの事業を進めてきました。開拓使麦種製造所もその一つ。
しかし、開拓使が廃止されると北海道庁初代長官、岩村通俊の手によって民間に払い下げられてしまいました。レンガ館では、製造所の歴史を知ることもできます。
サッポロビールの星のマークの秘密
サッポロビールのラベルについている星のマークは赤色でした。これは開拓使を示す五稜星と呼ばれるシンボルマークで、開拓使の船に掲げられていた旗印です。道庁赤レンガをはじめ、明治時代に建てられた建築物の多くに、この星のマークを見ることができます。
北海道庁開拓関連スポット④:大通公園
大通公園は明治4年に北に商業地、南に住宅地とを分ける火防線として空間が設けられました。公園として活用されるようになったのは明治42年のこと。
現在はイベントスペースとしても活用されており、2月の雪祭りや夏のビアガーデン、オータムフェスやイルミネーションなど一年を通して季節のイベントが開催。西10丁目には黒田清隆とケプロンの銅像が並んで建っています。
さっぽろテレビ塔
テレビ塔は大通公園の西1丁目にあり、札幌観光の見どころのひとつです。展望台に登ると、季節折々の大通公園を中心とした街並みを一望することが可能。昭和31年に着工され、テレビ塔に設置された電光時計は、大通公園にいるとどこからでも時間がわかります。
北海道庁開拓関連スポット⑤:豊平館
豊平館は開拓使が建てた洋風ホテルで、行幸する明治天皇を迎えるために造られました。大通1丁目にありましたが、のちに中島公園内に移築。アメリカ風の様式とした建物で基礎は石積み、外壁は木造で屋根には煙突が8つ、正面の上にある突起のついた飾りなどに五稜星があしらわれています。入館料は300円です。
住所 | 〒064-0931 北海道札幌市中央区中島公園1番20号 |
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営業時間 | 午前9時~午後17時(観覧受付は午後4時30分まで) |
定休日 | 毎月第2火曜日 |
公式サイトURL | http://www.s-hoheikan.jp/ |
北海道庁開拓関連スポット⑥:清華亭
清華亭は、明治13年に明治天皇北海道行幸の休憩所として建てられました。木造で和風建築のように見えますが、近くに寄ると出窓があり、洋風をベースとした建築物であることがわかります。
屋根の飾りに五稜星の穴があり、部屋も洋間と和室が混在しているなど、和洋折衷という名がぴったりの建物。昭和36年に有形文化財に指定されています。
明治天皇の北海道行幸
明治天皇の北海道行幸は明治14年のことで、黒田清隆が開拓状況の視察を陳情して実現したものでした。明治天皇は東北の視察の後、軍艦で小樽に上陸し、当時開通したばかりの手宮線を使って札幌入りします。
豊平館に宿泊し、清華亭で休憩。開拓史庁や農学校と演舞場(時計台)、開拓使麦種製造所(サッポロビール)などを視察し、その後は室蘭に向けて出発されました。
北海道庁の歴史を知るには開拓の村!
道庁赤レンガの横には、前身の開拓庁舎があったことを示す石碑が残されています。火災で失われた建物は、北海道開拓の村で復元されました。開拓の村は札幌中心部から車で約40分。
観光地から少し離れた場所にあるものの、他にもたくさん明治時代の建物が見学でき、当時を体験できるイベントも催されています。北海道の開拓の歴史やレトロな建造物好きにはたまらないスポットです。
住所 | 〒004-0006 札幌市厚別区厚別町小野幌50番1 |
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営業時間 | 午前9時~午後4時30分(入村は4時まで) |
定休日 | 毎週月曜日(祝日、振替休日の場合は翌日が休村)、年末年始(12月29日~1月3日) |
公式サイトURL | http://www.kaitaku.or.jp/ |
リニューアルが楽しみな北海道庁赤レンガ!
道庁赤レンガを中心に、札幌の観光と開拓使時代を中心とした北海道庁の歴史について紹介してきました。道庁赤レンガの内部は2022年まで見学することができませんが、展示が充実することが期待されるリニューアルオープンを待ちましょう。
出典:ライター撮影