フェモラータオオモモブトハムシは絶品な昆虫?
フェモラータオオモモブトハムシも食べられる昆虫なんだ!一体どんな味なんだろう?
フェモラータオオモモブトハムシは、昆虫食家のあいだで話題になった昆虫で、要注意の外来生物なので、駆除もかねて「食べる会」を開催している地域団体もあります。
幼虫の食感はコーンに似て、皮がプチっとはじけて中身がジューシーであり、味は豆に似て、コクと旨味があり豆乳に近いです。苦みは少しありますが、虫臭さはほぼなく、見ないで食べれば虫と気づかないといいます。
杏仁風味がおいしい
フェモラータオオモモブトハムシの幼虫は、一度加熱してから冷やして保存しておくと、杏仁に似た香りが出てきて、一層おいしいと評判です。ゆでてすぐの味には杏仁風味はありませんが、ゆでてから冷蔵庫で3~4日置いておくと杏仁豆腐の香りが出てきます。
フェモラータオオモモブトハムシの特徴
分類 | 甲虫目ハムシ科 |
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学名 | Sagra femorata |
和名 | フェモラータオオモモブトハムシ |
フェモラータオオモモブトハムシは、羽虫の一種であり、和名は、学名の一部であるフェモラータと、成虫の太く立派な後脚に由来します。フェモラータという単語はそもそも「太もも」を意味し、省略して「フェモラータ」「オオモモブトハムシ」と呼ばれることも多いです。
生息地
原産地 | 東南アジア・インド・中国南部の熱帯地域 | |
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日本での生息地 | 中部以西 | |
愛知県・三重県・大阪府など |
フェモラータオオモモブトハムシは、東南アジアやインド、中国南部の熱帯地域が原産で、日本での生息地は中部地方以西です。フェモラータオオモモブトハムシは、日本には本来生息していない種であり、ペット用に輸入していた個体が野生化してしまったと考えられています。
日本に定着した時期は2008年ごろで、まだ日が浅いですが、繁殖が速く、生息地を拡大中です。
食草
フェモラータオオモモブトハムシの食草は、マメ科の植物であり、日本に生息する個体はおもにクズを食べます。日本にいる幼虫は、河川敷に多い自生のクズに寄生していますが、原産地ではマメ科の農作物の害虫です。
日本でも今後、農業被害が出る恐れがあるので、環境省がフェモラータオオモモブトハムシを「生態系被害防止外来種リスト」に登録しました。
観察できる時期
フェモラータオオモモブトハムシの成虫を観察できる時期は6~8月ごろで、フェモラータオオモモブトハムシは夏に産卵して秋ごろにふ化します。卵はクズの茎に産みつけられ、ふ化した幼虫は、蔓(つる)の中に蛹室(蛹になるための部屋)をつくって冬を越すので、冬は姿を見かけません。
見た目と大きさ
フェモラータオオモモブトハムシの幼虫は、カブトムシの幼虫を小さくしたような見た目で、体長は10~20ミリほどです。
成虫の見た目は日本の羽虫とは大きく異なり、バッタのように立派な後脚が特徴的で、体長は15~20ミリもあります。成虫は色合いも特徴的であり、金属光沢のある赤色で、角度によって黄・緑・青色にも見える鮮やかな体です。
飼育は規制されていないが野放しは絶対ダメ
フェモラータオオモモブトハムシは、2020年12月現在、特定外来生物ではないため、飼育は規制されていませんが、もといた場所以外では絶対に放置しないでください。成虫は、見た目の美しさから人気も高いですが、さいごまで管理できる人以外は飼育をおすすめしません。
飼育する場合は、いつ規制対象になるかわからないので、環境省の発表する情報をこまめにご確認ください。
出典:写真AC