ヤマタノオロチ神話には続きがあった?
ヤマタノオロチ神話に続きはありませんが、複数の異なる伝承や作品でヤマタノオロチを登場させ独自の展開を描いています。有名なのは平家物語の安徳天皇にまつわる話と、おとぎ草子のうちの酒呑童子(しゅてんどうじ)の話です。
説①:安徳天皇に生まれ変わって剣を取り返した
1つ目の説はヤマタノオロチが安徳天皇に生まれ変わり、草薙剣を取り返したという話で、平家物語や源平衰弱記に書かれています。
歴史上では安徳天皇は第81代天皇で、数えで8歳の年に壇ノ浦の戦いに巻き込まれて草薙剣とともに海に身を投げました。数十年かけて探しても草薙剣は見つからず、物語ではヤマタノオロチがついに取り返したからと説明しています。
説②:酒呑童子の親になった
2つ目の説はヤマタノオロチが酒呑童子の親という話で、近江国の伊吹山を舞台にした酒呑童子の物語に書かれています。スサノオに敗れたヤマタノオロチの魂が伊吹山に逃げ込み、現地の富豪の娘との間に子が生まれました。子は大酒飲みで凶暴な性格で失敗し、都の人をさらって食らう怖い鬼になり、最後は退治されます。
ヤマタノオロチにまつわる歴史スポット
ヤマタノオロチにまつわる歴史的なスポットの多くは、出雲地方を流れる斐伊川の流域に集中しています。出雲地方の一部には大蛇を祭る信仰が伝わっていて、長い年月をかけて人々が信仰してきた歴史を感じるスポットが多いです。
①須佐神社
ヤマタノオロチにまつわる1つ目の歴史スポットは、島根県出雲市にある須佐神社です。スサノオ・クシナダヒメ・アシナヅチ・テナヅチを祭った神社で、スサノオをまつる神社では珍しくスサノオの霊魂を祭っています。須佐神社ではヤマタノオロチの骨と伝わるものを保管していて、真偽によらず大事に継承してきたそうです。
住所 | 〒693-0503 島根県出雲市佐田町須佐730 |
---|---|
公式サイトURL | https://www.susa-jinja.jp/ |
FacebookページURL | https://www.facebook.com/%E9%A0%88%E4%BD%90%E7%A5%9E%E7%A4%BE-183176771730628/ |
TwitterのURL | https://twitter.com/susajinjya1300 |
電話番号 | 0853-84-0605 |
アクセス | 山陰道「斐川」ICよりR9をJR「出雲市」駅方面、R184経由で立久恵峡方面へ(車で約30分)山陰道「出雲」ICよりJR「江南」駅方面、R39経由(車で20分) |
駐車場 | あり 20台 |
②船通山
ヤマタノオロチにまつわる2つ目の歴史スポットは、島根県出雲市と鳥取県日南町にまたがる船通山です。かつては鳥髪の峯と呼ばれた山で、スサノオが降り立った鳥髪にあたるとされています。山の中腹にある鳥上滝は斐伊川の源流の1つで、ヤマタノオロチの住み処として大事にされてきました。
③須我神社
ヤマタノオロチにまつわる3つ目の歴史スポットは、島根県雲南市の須賀にある須我神社です。日本神話でスサノオが退治ののちに日本初の宮殿を建て、日本初の和歌を詠んだ場所と伝わります。須賀という地名は、スサノオが須賀に着いて「私の心は清々しい」と気に入ったことが由来です。
須我神社はスサノオがヤマタノオロチを鎮めたことにちなみ、「悪切」の神様としても信仰されています。
住所 | 〒699-1205 島根県雲南市大東町須賀260 |
---|---|
公式サイトURL | https://suga-jinja.or.jp/ |
電話番号 | 0854-43-2906 |
アクセス | 松江道「三刀屋木次」ICを降り、県道24号線を松江方面に約30分JR「松江」駅より一畑バス「大東行き」に乗り、「須我」バス停で下車して徒歩3分 |
駐車場 | あり 30台(無料) |
営業時間 | ご参拝・ご祈祷:8:30~17:00 |
定休日 | なし |
④山田神社
ヤマタノオロチにまつわる4つ目の歴史スポットは、長野県佐久市常和にある山田神社です。地域の民話によると、退治されたヤマタノオロチの魂が白い鳥になって東へ飛んだのち、大きな石に魂が移ったといいます。山田神社は大きな青白い石を蛇石としてご神体にしていて、山田の名前はヤマタが由来です。
出典:イラストAC