船酔い防止にはコツがある!
「船酔いをするのが怖くて、船旅や釣りは抵抗がある」「友人と船に乗って迷惑かけたくない」そんな方は、船酔いの原因とコツを心得ておけば大丈夫です。「いろいろ試してみたけど効かなかった」という方も、ぜひ参考にしてください。
船酔いの原因はなに?
視覚・嗅覚・聴覚への刺激と、揺れによる刺激を脳が上手に処理できなくなることが船酔いの原因です。船酔いは観光船や釣り、フェリー旅行など日常的でない場面で発生しやすく、慣れない刺激のため克服を難しくします。
酔いやすい状況は?
船によってサイズ・速度・乗船時間が異なるので、乗る船によって注意するべきポイントが違います。自分がこれから乗る船の酔いやすい場面と、酔いそうな原因を想像してみましょう。酔いやすい状況を予測できれば、対策が取りやすくなります。
フェリーでの長時間移動
フェリーはたいていは大型で揺れも少なく安定感があるため、酔いにくい船です。しかし、ゆらゆらと揺れている中で歩いたり、食事をしたり、入浴すると普段通りの行動をしていても、「揺れているぞ」と脳が刺激を受け取り、酔いを感じやすくなります。
小型船での釣り目的
ジェットフォイルなどは速度が速く、短時間で釣り場や離れ島に向かうことが多い船です。フェリーと違い、室内に入れるスペースが少ないため、外で水しぶきや、潮の匂いを直接浴びると酔う原因になります。小型船は揺れが体に伝わりやすく、酔いやすいといえるでしょう。
遊覧船などの観光船
観光船は短時間で景色を楽しむことが目的のため、酔いにくい船です。風が強いと出港しないため、極端な揺れは感じません。しかし、フェリーや小型船と違い、他のお客さんが近距離に大勢いるため、香水や体臭から不快さを感じる場合があります。風通しのよいデッキテラスや、窓側から景色を楽しむと酔いにくいでしょう。
乗船前にできる対策は?
どんな船に乗るとしても対策はできます。酔い止めの薬・食事・体調に気を配りましょう。備えあれば憂いなしですが、気負いすぎはストレスになるため、対策が効かない原因となります。自分にとって無理のない防止策を探してください。
乗船前の対策①:薬は違いをよく知ろう!
「酔い止めの薬は大人になってからは飲んだことがない」という方は多いでしょう。酔い止めコーナーを見てみると、形状・飲み方・強さ・副作用はさまざまです。しかし、どんな薬も用法を守らないと、効かない原因になるので注意してください。
酔う前に服用する薬
一般的に、どんな酔い止め薬も酔う前に服用できますので、乗船の30分ほど前に飲みましょう。酔って吐いた際に、薬が流れ出てしまうことを防ぐためです。1回飲んで1日効くタイプの薬をおすすめします。
酔ってから服用できる薬
1日複数回飲める薬に多いのですが、「酔ってからでも効く」とパッケージに大きく書かれているものがあります。「〇〇時間あけて服用可能」「1日〇〇回まで」など注意事項を読みましょう。酔いが治まらないとしても、必要以上の服用は避けてください。
乗船前の対策②:食事にも気を付けて!
船に乗る前に何を食べるかは、酔いにくくするかどうかに大きな影響を与えます。「薬が効かない」と感じてたら食事に原因があることが多く、普段の食事と見比べて、効果が出やすい胃に負担のない食事を選びましょう。
油分の多い食べ物
脂っこい食べ物は胃もたれや胃痛の原因となり、不快感を強くします。乗船前にレストランやサービスエリアで食事をする機会があるとしても、食べるものを選びましょう。例えば、カレー・かつ丼・スナック菓子・アメリカンドッグなどは避けるのがベターです。
水分量の多い食べ物
乗船前のお酒は避けるべき要因の一つですが、ノンアルコールでも水分の取りすぎには注意が必要です。摂取した水分に対して、運動量が少ないと吐き気や下痢の原因となります。必要以上に液体を取り込まないようにしましょう。
消化に悪い食べ物
胃の不快感を招きやすいため、消化が悪く胃にとどまる時間が長い食べ物は、船酔いの原因になります。健康によいものでも、胃腸が弱い方は乗船前に食べないようしてください。海藻類・玄米・ラーメンなどは、消化によくありません。食べたい場合は、よく噛んで食べましょう。
おすすめの食べ物
りんごやバナナは手軽で食べやすく、満腹感も感じやすいのでおすすめです。おかゆ・うどん・じゃがバターも消化によく、刺激が少ない料理なので問題ありません。どんなものを食べるにしても、腹8分目で抑えてください。極度の空腹状態は、薬が効かない原因となるので避けましょう。
乗船前の対策③:体調によって大きな差がでる
朝早く釣りに行く際や旅行中は忘れがちですが、排便を必ず済ませましょう。前日はよく寝て、お酒やカフェインを避けてください。体の不調がいつもの何倍も大きな刺激だと感じるため、体調を万全に整えての乗船をおすすめします。
乗船中にできることは?
船の中での刺激をなるべく減らすことで、脳への刺激も減らし、船酔いを克服できます。船に乗ると対策を忘れがちになりますが、ポイントはしっかり押さえておきましょう。乗船してすぐに試してくださいね。
乗船中の防止策①:船の形状を把握しよう
大きな船の場合、中央部分が揺れにくく、船の先頭部分は波の影響を受けるため、なるべく避けてください。中央部分で落ち着ける場所があるか確認しましょう。トイレの場所や横になれるフリースペースがあるかという点も把握しておくと役立ちます。
乗船中の防止策②:気分転換を忘れずに!
1つのことに集中すると、目に入る刺激と揺れのギャップに対応しきれず酔いやすくなります。釣り・読書・スマホ検索など、同じことを続けてはいけません。ときどき外の景色を眺めましょう。気分のよくなる曲を集めて口ずさむと効果的です。
乗船中の防止策③:薬の再服用は必要?
薬の説明書をよく読んで、正しく服用しましょう。服用後丸1日効果があるものと、数時間で効力が切れるものがあります。服用の際に水が必要なものもあるため、事前に確認してください。長時間の乗船の場合は、余分な薬の持ち込みをおすすめします。
いざ船酔いしたらどうする?
残念ながら、どんなに万全な準備をしても、船酔いしないとは言い切れません。しかし、早めに対処するなら悪化を防ぐことは可能です。「あれ、酔い始めたかな」と感じたら、ぜひ試してください。
我慢しないこと
友人やカップルでお出かけすると、一緒にいる人に気を遣って我慢してしまう場合があります。気分が悪くなったら、きちんと伝えてすぐに休みましょう。吐き気を感じたなら、吐いたほうが楽になります。吐いたら、うがいをして吐き気を治めてください。
外の風に当たる
外の風に当たることで不快感をリセットできます。鼻から空気を深く吸って、口でゆっくり吐くことで、リラックス効果を得ましょう。船のエンジン部分が近い場合や汚い水が臭う場合は、逆効果になるので注意してください。
会話をする
乗り物酔いをしやすい人は、精神的要因が大きいことがあります。「酔ったらどうしよう」「酔い始めたら困る」というストレスを減らしましょう。明るく笑える会話をして気を紛らわせることは、最善の船酔い防止策です。
ガムやグミを食べる
「噛む行為は乗り物酔いの低減効果がある」という試験結果があります。ガムやグミを選ぶときは、香りがきついものや味が濃いものは刺激になるので避けましょう。ミント・ショウガ・レモン風味など清涼感のあるものがおすすめです。
ツボ押し
手のひらを上に向けて、手首のしわから指3本分ひじ寄りのところに「内関」というツボがあります。胃の不快感・吐き気・二日酔いにも効くツボとして知られていますが、正確な位置でないと効果がありません。他の予防法と併用しましょう。
原因とコツをつかめば船酔いは克服できる!
船酔い対策は前もってできること・乗船後にできることがあります。知っていると安心感が増しますが、効果は人によって異なりますので「自分にとって」よく効くコツを覚えることが大切です。船酔いを克服して旅を楽しみましょう!
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