どじょう豆腐って何?
どじょう豆腐って?どんな料理?どの地域で食べられている?
どじょう豆腐はどじょうの入った湯豆腐で、作る過程に特徴があり「地獄鍋」とも呼ばれます。どじょう豆腐は発祥の逸話や昔話が有名で、とんちのきいた料理として古くから知られていますが、食糧の少なかった時代には各地の郷土料理としても親しまれていました。
作り方が残酷などじょう入り湯豆腐
- 鍋に水と5~10匹のどじょうを入れて弱火にかける。
- 水が温まってきたら一丁の豆腐を加えて、鍋にフタをする。
- どじょうがすべて豆腐の中に隠れたら、火を止めてできあがり。
どじょう豆腐は作り方が残酷で、「地獄鍋」の別名はゆでる際にどじょうを生きたまま釜ゆでにする作り方に由来します。どじょう料理ではどじょうが暴れないように、臭みを取ることも兼ねて酒で酔わせてから使うのが一般的です。どじょう豆腐では下処理を一切しないため、どじょうが熱さで激しくのたうち回ります。
発祥は僧侶のごちそうとも
どじょう豆腐の発祥には諸説がありますが、「肉食を禁じられている僧侶たちが、湯豆腐に見せかけて密かに食べたごちそうだった」と伝わります。伝承によれば、どじょうを入れた鍋で湯豆腐を作ると、どじょうが豆腐の中に逃げ込んで湯豆腐とそっくりに仕上がるそうです。
発祥の事実はわかりませんが、「僧侶の逸話は僧侶たちの願望だった」「庶民のあて推量だった」ともいわれています。
落語にも登場する有名な鍋
どじょう豆腐は落語や昔話にも描かれており、とんちのきいた鍋料理として名を広めています。
どじょう豆腐は特徴的な作り方が注目されやすく、大正~平成にかけて小説・随筆などにもたびたび取り上げられてきました。どじょう豆腐はマンガの1シーンにも描かれたことがあり、近年では文芸作品をきっかけにどじょう豆腐を知る人も多いです。
都市伝説といわれる鍋
実はどじょう豆腐は古くから伝わる都市伝説のひとつでもあり、伝承どおりの作り方で試しても同じ見た目は再現できません。どじょう豆腐の伝承どおりに料理すると「どじょうの入った湯豆腐」には仕上がらず、鍋の中に「ゆでたどじょう」と「湯豆腐」がそれぞれできあがります。
出典:写真AC