ザリガニはもともと食用として輸入された!
日本の多くの地域ではザリガニを食べる習慣がありませんが、全国の田んぼにいるザリガニはもともと食用として輸入されました。
大正時代に輸入した種は養殖がうまくいかず、もう1種は食用カエルのエサや軍人の食料として昭和初期に輸入されます。日本では家庭に広まらなかったものの、世界では食べる国も多く、高級食材としても有名です。
食卓に定着しなかったのは手間の割に小さいから?
ザリガニが日本の食卓に定着しなかった理由は、養殖に失敗しただけでなく、「手間がかかるのに食べられる部分が少ない」という点も大きいでしょう。
ザリガニの見た目はエビと似ていますが、ザリガニはエビよりも殻がかたくてむきにくいです。日本では川より海の産物を好む文化もありますし、古くから食べられているエビの人気が勝ったと考えられます。
日本にいるザリガニはどれも食べられる
アメリカザリガニ | ウチダザリガニ | ニホンザリガニ | |
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分布 | 全国 | 北海道・長野・福島・千葉・滋賀など | 北海道・青森・秋田・岩手 |
大きさ | 10~15cm | 15~20cm | 4~6cm |
環境省 | 緊急対策外来種 | 特定外来生物 | 絶滅危惧Ⅱ類 |
生体の移動 | △ | ×(罰則あり) | ○ |
日本で野生化しているザリガニは3種類で、いずれも食用にできますが、在来のニホンザリガニは絶滅危惧種ですので捕獲はやめましょう。
日本では2021年1月現在、アメリカザリガニ以外の外来ザリガニについて、許可のない飼育や生体の持ち運びを特定外来生物法で禁じています。アメリカザリガニのみ規制がない理由は、すでに全国で飼われており、規制による混乱を防ぐためです。
ザリガニが食材である国は多い
ザリガニを食材にする国は多く、フランス・北欧・中国・アメリカ南部などが有名で、近年のドイツでは駆除のために食材として人気が出ています。
大正時代の日本でザリガニを輸入した理由は、フランス料理店が増え、主要な食材をそろえたためとも伝わります。ザリガニは、北欧では夏の風物詩であり、近年の中国では専門店ができるほどの人気グルメです。
ザリガニといえば小学校の水槽で飼ってたなぁ。あれ、食べるんだ?!