ハワイ旅行にESTAは必要か
ESTA(エスタ)とは
アメリカ合衆国では2001年の同時多発テロ以降、入国時のセキュリティが強化されています。ESTA(エスタ)はその一環で、「電子渡航認証システム」の略称。ビザ(査証)が免除された国から航空機や船舶でアメリカ合衆国に入国する際には、事前にインターネットを通じてESTAでの渡航申請が義務付けられています。日本はビザ免除の対象国ですので、ビザの取得が必要ない代わりにESTAの申請手続きが必要です。
ハワイ旅行にESTAは必要?
意外と見落とされがちですが、ハワイとはアメリカ合衆国のハワイ州のこと。日本から近いとはいえ、れっきとしたアメリカ合衆国なんです。当然、ハワイを訪れることはアメリカに入国することを意味しますので、日本人がハワイへ旅行するためにはESTAが必要ということになります。ESTAの申請を忘れていたばっかりに、せっかくのハワイ旅行が台無しに…ということにならないよう気を付けなければなりません。
ESTAの申請手続きは?パスポートが必要?
ESTAは航空券や旅行の手配とは別に申請する必要があるため要注意です。出発直前になって慌てないように早めに手続きしておきたいですね。またESTAを申請する際にはパスポートの情報を入力することになります。この機会にパスポートの有効期限が十分残っているかなどあわせて確認しておくとよいでしょう。それでは、次の項目でESTAの具体的な申請方法を解説します。
ESTAの申請方法
ESTAの公式ウェブサイトから申請
最も一般的なのはDepartment of Homeland Security(国土安全保障省)が提供するESTA申請公式サイトから申請する方法です。申請にかかる費用は一人あたり14USドルで、最も安くなります。ただしこの方法ではクレジットカードまたはペイパルで決済する必要がありますので、クレジットカードを所有していない場合は旅行代理店などで申請代行を依頼することになります。
ステップ1:申請の開始
サイトに入ったら「新規の申請」をクリック。続いて一人旅なら「個人の申請」を、家族や友人の分も合わせて申請する場合は「グループによる申請」をクリックしてください。免責事項などの注意書きを読み、同意すれば「はい」を選択して「次へ」をクリックします。
ステップ2:申請者情報を入力
フォームに従って、パスポートを参照しながら自分自身の情報、家族の情報などを入力します。パスポートの内容と相違があると審査に通過しなかったり、入国を拒否されたりするおそれがあるため十分注意してください。またこのページにパスポートのスキャン画像をアップロードする必要があります。
ステップ3:渡航情報を入力
ハワイでの滞在先情報などを入力するページです。今回はハワイへの旅行ですので「乗り継ぐためですか?」の質問には「いいえ」を選択します。ここでの滞在先は必ずしも決まっていなくても構いません。申請時点で未定であれば、有名ホテルなどの名前や住所を入力しておくといいでしょう。仮に決まっていて、後で滞在先が変更になったという場合でも修正の必要はありません。
ステップ4:適格性についての入力
いくつかの質問項目が並んでいますので、該当するものがあるかをチェックしていきます。通常は全て「いいえ」で答える質問内容です。下部の「証明」へのチェックも忘れずに。また自分以外の人の申請を代理で手続きする場合はその下にもチェックを入れます。
ステップ5:申請書の送信
申請を依頼する前にこれまでに入力した項目を再度確認しましょう。修正したい個所があれば「Edit」と書かれた部分をクリックし、該当部分を修正します。全て正しいことが確認できたら「確認&続行」をクリックし、次のステップに進んでください。
ステップ6:申請番号の確認
ここで申請番号が表示されます。この番号は後で照会したいときや現地でトラブルが発生したときに必要となるので、必ずメモやスクリーンショットで控えをとっておきましょう。続いて免責事項に同意のチェックを入れて支払画面に進んだら、支払方法を選び「次へ」をクリック。クレジットカードまたはペイパルの情報を入力して決済します。以上で申請手続きは完了です。
ステップ7:申請内容の照会
ESTAの申請を行うと公式サイト上で申請内容や審査の進捗状況を照会することができるようになりますよ。「既存の申請内容を確認」をクリックし、パスポート情報と申請番号を入力します。出発までに必ず照会画面を開き、「認証が承認されました」と表示されていることを確認してくださいね。
旅行代理店で申請
ハワイ旅行を旅行代理店で手配している場合、代理店からESTAの申請について確認があるはずです。この時にESTAの申請も合わせて依頼しておけば、自分で手続きする必要がなくなるため安心。代理店の担当者からESTAについての確認がない場合は、重複申請を防ぐためにも必ず問い合わせをしましょう。
ESTAの申請の注意点
ESTAの審査には時間が必要?
ESTAの審査には通常3日ほどかかると言われています。しかし場合によってはそれ以上に時間がかかることもあり、渡航ギリギリになってから申請することはおすすめできません。早めに申請する分にはいくら早くても問題ありませんので、旅程が決まり次第忘れずに手続きしておきたいですね。
ESTAの審査に通過しなかったら
まれにESTAの審査に通過しない場合がありますが、ほとんどは入力ミスが原因。この場合は24時間経過するのを待てば再申請が可能となります。ただし一度渡航申請を拒否されてしまうと再申請にさらに時間を要したり、最悪許可が下りなくなったりすることも。最初の申請時に入力項目をよく確認し、手続きにミスがないよう注意しましょう。
類似サイトにご注意を!
検索エンジンで「ESTA」と検索すると関係するサイトが多数表示されます。実はこれらの多くは申請代行会社。したがって、これらのサイトを経由してESTAを申請すると、手続きにかかる費用だけでなく手数料も請求されてしまうんです。ESTA申請公式サイトでも日本語で簡単に申請ができますので、公式サイトから手続きすることをおすすめします。ただしクレジットカードを持っておらず公式サイトで支払ができない場合には、こういった代行サイトや旅行代理店に相談してみましょう。
空港での手続きとハワイでの入国審査
日本出国の流れ
(1)チェックイン・搭乗手続き
ここからは実際の旅行を想定し、日本からの出発・現地に到着してからの手続き流れを解説します。まずは日本出国前の搭乗手続き、チェックインから。インターネットで航空券を購入した場合は手持ちのスマートフォンや空港内の機械でセルフチェックインを行います。旅行代理店などで手配した場合は航空会社のカウンターに出向き、パスポートと搭乗券を提示。事前に申請したESTAの情報は自動的にパスポートに紐付られているため、この時に他の資料を提出する必要はありません。航空会社にもよりますが、遅くても出発の90分前にはチェックインを完了しましょう。
(2)手荷物の預け入れ
航空機の貨物入れに収納してもらう大きな手荷物はチェックイン時に預けます。セルフチェックインした方でも預け荷物がある場合はカウンターに立ち寄ってくださいね。この時、荷物には鍵をかけないままにしておくことをおすすめします。アメリカ合衆国では保安上、手荷物の鍵を壊して中身を確認することが許可されているからなんです。せっかく鍵をかけても壊されてしまってはがっかりですよね。
(3)保安検査
搭乗券に搭乗時間が記載されていますので、その時間までには出発ゲートで待機しておきましょう。保安ゲートが混雑していると列が進むのに時間を要するため、早めに通過しておくことをおすすめします。上着や貴金属は全て外すように指示されるため、並んでいる間に外しておくとスムーズです。
(4)税関申告・出国審査
高価なものを持ち込む場合は申告しなければならない場合もありますが、通常の旅行であればほぼ必要ないでしょう。最後に係員にパスポートと搭乗券を提示し、パスポートに出国を証明するスタンプを捺してもらえば出国審査は完了です。出国スタンプは絶対に必要なものではないため、まれに捺されないことがあります。しかし渡航先でトラブルが発生した際には出国スタンプがあったほうがスムーズですので、念のため捺印を依頼することをおすすめします。
ハワイでの入国審査の流れ
1:ハワイに着いたら~まずは挨拶をしよう
いよいよ念願のハワイに到着!ここでは入国審査の流れを見ていきましょう。航空機から降りたら係員の誘導に従って入国の列に並ぶことになります。窓口の係員に呼ばれたらパスポートを提示しましょう。アメリカでは挨拶をしない人を不審がる傾向があります。パスポートを渡すとき、簡単でもよいので「Hi!」や「Hello!」など声をかけると印象が良いでしょう。
2:入国審査での質問事項
海外旅行で最も不安なのが入国審査での質問ですよね。必ず尋ねられるのはpurpose of trip(渡航の目的)、how long(滞在期間)、where to stay(どこに滞在するか)です。単語だけでも事前に覚えておくと当日緊張せずに答えられますよ。例えば「Sightseeing.」(観光です)、「5 days.」(5日間です)、「○○ hotel.」(○○ホテルです)など。質問が終わったら写真撮影と指紋採取があります。係員がジェスチャーで指示してくれますので、それに従いましょう。パスポートに入国スタンプをもらって入国審査は終了です。
3:ESTAはハワイ滞在中に必要になる?
入国の際、申請しておいたESTAをどう証明するのかが気になるかもしれません。しかし情報はパスポートに紐付られているため、係員はパスポートを読み取ったコンピューターでESTAの情報も確認します。一度ESTAの審査に通れば追加でするべきことはないのでご安心ください。
知っておくと便利!Return ESTA
ESTAの有効期限は2年間のため、この期間内にハワイ(アメリカ合衆国)を再訪する場合はESTAの手続きなしで入国することができます。さらに二度目以降の入国は米国市民と同じ扱いとなり、端末の操作のみで入国できるようになるため手続き時間が格段に短縮されます。これはReturn ESTA(リターン・エスタ)と呼ばれる制度で、覚えておくと便利です。2年間を過ぎるとESTAを再申請する必要がありますが、その場合でもReturn ESTAは継続して適用されます(ただしパスポートの有効期限が切れるとリセットされます)。
まとめ
アメリカの旅行は、慣れないうちはESTAの申請や入国審査など不安が多いですよね。でも必要なポイントだけおさえておけば大丈夫。空港職員はプロですからスムーズに手続きを進めてくれます。必要な項目を簡単に予習しておき、ハワイでの滞在をめいっぱい楽しんでくださいね。