ウズベキスタンの都市・ブハラの基本情報
ウズベキスタンの中南部に位置する「ブハラ」は、旧市街が世界遺産に認定されているウズベキスタンきっての観光都市。とても長い歴史を誇っており、イスラム建築からなる美しいモスクやメドレセなどのスポットに囲まれる、見どころ満点の街になっています。モスクなどの見どころのある建築物は、全て旧市街にコンパクトに集まっており、非常に観光しやすい造りです。今回はそんなブハラのまわり方をご紹介していきたいと思います。
言語
ウズベキスタンの公用語はウズベク語です。しかし、旧ソ連圏だった影響もあり、ロシア語も広く普及しています。基本的に街中で英語が通じる場面は極めて少ないため、買い物などの際には、ある程度のウズベク語・ロシア語のフレーズを覚えていないと少し厳しい場面もあります。有名観光地以外では、あまり英語が普及していないため、英語での意思疎通は難しいでしょう。
治安
アフガニスタンやパキスタンなどのイメージもあってか、国名に「スタン」とつく国はテロ組織や紛争などで危ないのではないかと思われがちですが、基本的にウズベキスタンは安全であると言えます。しかし、ウズベキスタンのまわりには治安の不安定な国もあるので、滞在中は常に治安情報・海外情勢をチェックし、いつでも問題に対応できるようにしておく必要があります。
通貨
通貨はウズベキスタン・スムです。スムはウズベキスタンでインフレを迎えてしまった結果、紙幣の数がとんでもなく大きくなっています。さらにウズベキスタンでは、基本的にクレジットカードの使える店というのは少ないので、大量の紙幣を持ち歩くことになり、お金の管理には少し注意が必要です。
ブハラの気候
基本的にウズベキスタンはブハラなどの都市も含め、ほとんどの面積を砂漠地帯が占めており、ブハラは1年を通じて乾燥していて、夏はうだるように暑く、冬は非常に厳しい寒さになります。基本的に雨が降ることはほとんどなく、春と秋にあたる、5~6月、9~10月が旅行のベストシーズンです。
ブハラを観光する上での注意点
ウズベキスタンは、日本と全く異なる生活習慣や文化を持っており、現在は無宗教の割合が高い日本人とは違い、現地の人々の中にはイスラム教が根強く残っているため、相手の文化を尊重し、失礼のないように行動しましょう。その上で、日本人がウズベキスタンで守るべきマナーをご紹介します。
服装
ウズベキスタンはイスラム教国家です。そのため、自分がイスラム教徒ではなくても、その国の文化に適した服装を心掛けるといいでしょう。男性の場合は上半身の半袖は大丈夫ですが、必ず長ズボンを履くようにしてください。女性の場合は少し厳しく、上下半身露出を抑え、髪の毛を隠すためのヒジャブの着用をおすすめします。
ラマダン
イスラム歴のラマダン月では、日の出ているうちは、水分や食事を摂ってはいけないというラマダンという習慣があります。日本人がラマダンの期間中に、食事を摂ったりすることはルール的には大丈夫ですが、周りのイスラム教徒はラマダン中の場合があるので、現地の人々に不快な印象を与えないように食事や水分を撮りましょう。
ブハラ見どころ観光プラン・まわり方①:ポイー・カラーン広場
元々ブハラの中心スポットであったポイー・カラーン広場。モスクと2つのメドレセ、ミナレットに囲われている広場で、歴史的なイスラム建築に囲まれたこの空間に立つと、過去にタイムスリップしてしまったような感覚に陥ります。
カラーン・モスク
カラーン・モスクはブハラの中でも一際大きなモスクで、8世紀頃に建てられました。しかし、13世紀のモンゴル来襲の際に破壊されてしまい、現在のモスクは16世紀に建設されたものになります。ウズベキスタンがソ連だった時代には、イスラム教が否定されており、このモスクは本来の役割を失い、倉庫として使われていたそうです。ソ連解体&ウズベキスタン独立後は、改修工事が行われ、再びモスクとしてその姿を取り戻しました。
ミル・アラブ・メドレセ
ミル・アラブ・メドレセはカラーン広場に面するメドレセ(イスラム教教育機関、神学校)で、ほとんどのメドレセがその役割を失っている現在においても、本来のメドレセの用途として、使用されている数少ない場所になります。そのため、観光客の立ち入りは禁止されているので、他のモスクやメドレセのように、入らないよう気を付けましょう。
カラーン・ミナレット
カラーン・ミナレットは46.5メートルと大きく、街のどこからも目にすることができ、世界遺産・ブハラ旧市街のシンボルになっています。ミナレットとは、夜間には明かりを灯して、遠方から来る旅人の道しるべとして機能させていたり、要人の死を知らせたり、一日に5回(イスラム教スンニ派は5回、シーア派は3回)ある礼拝の呼びかけを、街に住んでいる人に伝えるための建築物です。また、昔はこの塔の上から袋に詰めた罪人を落下させて処刑をするための「死の塔」としての役割もありました。このミナレットは夜間にライトアップされるので、昼と夜で2種類の楽しみ方ができます。
ブハラ見どころ観光プラン・まわり方②:ラビハウス周辺
ラビハウス
ラビハウスは、メドレセなどの歴史的な建築物に囲まれた人工的に作られた池のことで、ブハラ旧市街の中心地になっています。ラビハウスの周りには、有名な観光スポットや、カフェ、レストランなどがあり、とても落ち着ける市民の憩いの場になっていおり、夜にはバーなどが開かれ、多くの観光客や現地の人で賑わうそう。また、地理的にもここを出発地点として、他の観光スポットへのまわり方を考えている方が多いです。
チャル・ミナル
チャル・ミナルは「4本の尖塔」を意味する建物で、その名の通り小さい4本のミナレットがコンパクトに収まっています。特に歴史的な価値はありませんが、とてもかわいらしい見た目であるため人気が高いです。
ブハラ見どころ観光プラン・まわり方③:バラハウズ・モスク
バラハウズ・モスク
バラハウズ・モスクは18世紀に、ブハラの王族の人達のために建てられたハーン専用モスク(王族専用)で、「バラハウズ」とは池の前という意味で、モスクの前には人口の小さい池があります。他のモスクとは外観において一線を画しており、その独特な外観に見える理由の一つである20本のくるみの木でできた長さ12メートルの柱が、池に反射して見える姿から「40本柱のモスク」と呼ばれることもあるそうです。
ブハラ見どころ観光プラン・まわり方④:アルク城
アルク城
「アルク」というのは、現地の言葉で城塞という意味で、歴代のハーン(王族)の居城として、紀元前4世紀頃に建てられました。その後はモンゴル軍や様々な外敵の来襲で破壊&再生を繰り返し、現在建っているものは18世紀に建設されたものになります。1920年にロシアに攻め落とされるまで、その役割を果たしていました。アルク城壁の内部には、拷問部屋や多種多様の商店、モスク、警察などが入っています。
ブハラ見どころ観光プラン・まわり方⑤:イスマーイール・サーマーニー廟
イスマーイール・サーマーニー廟
イスマーイール・サーマーニー廟は、ウズベキスタンのみならず中央アジアの中でも最も古いイスラム建築物です。モンゴル来襲の際は、建物が砂に埋もれていたため、奇跡的に破壊から免れました。また、その装飾などから、世界中の考古学者や建築家から注目の的にされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。旧市街が世界遺産に登録され、長く深い歴史を持つウズベキスタンの都市・ブハラ。ぜひこの地に訪れてみて、エキゾチックな雰囲気を醸すイスラム建築とイスラム文化にどっぷり浸かるような旅にしてみては?くれぐれも体調には気を付けて、ブハラという都市のさまざまな魅力を見つけてください。
出典:ライター撮影