ベトナムの都市「ハノイ」と「ホーチミン」はどっちがおすすめ？

インドシナ半島の東に位置し、北は中国、西はラオス、カンボジアと国境を接するベトナム。南北にS字型に細長く延びている国です。観光の中心となるのは、南部では「ホーチミン」、北部では「ハノイ」があげられます。

注意すべき点としては、ベトナムにはテトと呼ばれる旧正月を祝う風習があります。5～10日ほど続き、毎年日程が変わります。街中が飾られお祝いモードの雰囲気が漂う一方、休業となる店や観光施設も多くあるので注意が必要。また、治安に関しては、比較的いい方ですが、観光客を狙った置き引きやひったくりなどが報告されているので気をつけましょう。

商業・経済の中心地であり、流行・文化の発信地でもあるベトナム最大の都市。ショッピングのメインエリアとなるドンコイ通りを中心に、中華街チョロン、洒脱なレストランやカフェが点在する3区と1区の北部、バックパッカーが集まるファムグーラオ通り周辺の4つに大きく分けられます。雑貨店や有名レストランも多く、観光客が絶えません。

ベトナム戦争後の解放まで、サイゴンとよばれていた都市、ホーチミン。その発展は、1986年の新経済改革「ドイモイ」に端を発し、以降、多くの外国企業が投資を始め、現在にいたります。植民地時代の建物と共存して商業看板が掲げられ、ハノイと違い高層ビルが立ち並ぶさまは、社会主義の国とは思えないほどの魅力的な賑わいを見せています。

1908年に建てられた元サイゴン市庁舎。かつて統治していたフランスのアンピール様式の建物は、色合いが鮮やかで綺麗な装飾がいたるところに施されており、町の顔といえる存在です。内部の見学はできませんが、庁舎を背景にしたホーチミン像前は、ベトナムらしさ満点の記念撮影スポットとなっています。

パリのオルセー美術館をモデルに、1891年に建てられた歴史ある郵便局。黄色の外壁と緑の窓が特徴的な建物で、非常に色鮮やかな外観をしており、インスタ映えするスポットといえるでしょう。また、外壁に掲げられた電気や通信技術の発明者のネームプレートも魅力的なポイントです。

フランス領時代である1925年創業の老舗ホテル。なめらかな曲線を描くファザード、アイアンレースで飾られたエントランス、ロビーを彩るステンドグラスなど、各所にクラシカルな趣が漂います。ベトナム戦争中は、各国の記者の定宿としても使われていた歴史があります。

かつて南ベトナム政府の国会議事堂としても使われていた、バロック様式の劇場。外観は後に復元されたものですが、1898年に建てられたオペラハウスの形を、当時のまま忠実に再現しています。現在は、コンサートやイベント会場として市民に愛されています。

1877年から3年の歳月をかけて作られ、1880年4月11日に完成した大聖堂です。使用されているレンガは、フランスのマルセーユから運んできたもの。壁面の一部のレンガを抜いて通風孔にしており、それが美しい模様になっている点に注目しましょう。

1914年設立。1万平方メートルもの広い敷地には、1500軒以上の店舗があり、働く人は5000人を超えるホーチミン随一の巨大市場です。生鮮食品からお土産物まで品揃えは幅広く、地元の人から観光客まで、毎日数万人が訪れます。店員の多くは英語を話し、日本語で話しかけてくる人も少なくありません。

市場内には屋台風のフードエリアがあり、麺類や生春巻きなどベトナムならではの料理が楽しめます。おすすめはチェー・タップ・カムと呼ばれるドリンクで、数種類の豆やゼリーの入ったミックスジュースのような飲み物です。買い物の合間に飲んでみましょう。

浴衣などにあわせて、木製のサンダルをオーダーメイドで作ることが可能です。ソールと鼻緒を選んで、自分だけの1足を手に入れましょう。作業時間はたったの数分。お値段も1足15万VND、日本円で800円程度と非常にリーズナブルです。

はるか中国にはじまりミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、そしてベトナムと6か国を結ぶ、全長約4000キロメートルを誇るメコン川。ホーチミンからは旅行会社が催行するツアーなどで気軽に訪れることができます。木々が茂る密林を行く手漕ぎボートに乗って、大自然をとことん満喫しましょう！

商業・経済の中心地であり、流行・文化の発信地でもあるベトナム最大の発信地でもあるベトナムの首都、ハノイ。観光の中心はドンコイ通り周辺で、雑貨店や有名レストランも多く観光客が絶えない大都市です。

ベトナムの首都で、約1000年の歴史を誇る古都ハノイ。ベトナム共産党本部や国会議事堂が置かれる政治の中心地です。ホーチミンと違い、ホアンキエム湖を中心に広がる緑豊かな町並みや、11世紀の李朝時代に育まれた魅力的な旧市街は歩いているだけでも楽しめます。

ホーチミンが眠るこの廟は、ベトナム戦争終結後の1975年9月2日の建国記念日に完成しました。遺体はガラスケースの中に安置されています。内部見学の際は、入り口で貴重品以外はすべて預けるほか、サンダルやノースリーブでの入館、館内での会話、写真撮影は禁止となっています。

亡くなったホーチミン元主席が1969年まで、実際に住んでいた家。生きている間に使用していた書斎や寝室など、廊下から見学することができます。家屋の建築時は国内の経済状況を戦争などで疲弊していると感じたホーチミン元主席が、くれぐれも質素に作るようにと部下に命じたとされています。

遺跡はハノイ城（ホアンジエウ通り9番地）と、タンロン城遺跡（ホアンジエウ通り18番地）に分かれています。ハノイ城の敷地は広く、随所に建物が残っています。ゆっくり見て回ると1時間近くかかるので、時間の調整が必要でしょう。タンロン城遺跡の発掘作業は、いまも進められており、その現場を見学できます。

旧ソ連の援助を受けてベトナム戦争時に、建造されたとされる戦術地下室。当時、中心司令部であったとされる地下室には、通信機器や戦力図などがあり、指揮官たちが戦力の配備を検討していた様子がわかります。また、一説では故ホーチミン国家主席の再起の地ともいわれています。

ユネスコ世界遺産にへの登録に加え、2011年「新・世界7不思議／自然版」に選出されたハロン湾。入り組んだ入江とニョキニョキとそびえる奇岩により、湾内は波が少なく、驚くほど静かです。趣向を凝らしたクルーズ船に乗り、自然の造形美を鑑賞しましょう。

ハロン湾の奇岩群の発生は、11万5000年ほど前の最終氷河期。雨や風・海水の浸食により徐々に石灰岩が削られたことによって、この独特な景観が形作られたと考えられており、洞窟状になっているものが多くあります。約1500平方キロメートルの湾内に浮かぶ奇岩の数は、大小を含め2000近くに及びます。

10月～4月の雨の少ない時期がベストシーズン。ただし、9月～11月は台風が来ることもあるので注意が必要です。5月～9月は雨も多いのですが、泳ぎたい人に最適です。また、12月～2月の冬場の海上は、かなり寒いので防寒具を持参しておきましょう。

ベトナムの2大都市、「ホーチミン」と「ハノイ」についてご紹介しました。それぞれ同じベトナムの年なので、文化や風習など基本的な違いはありません。しかし、フランス統治下の頃に建造されたコロニアル建築やショッピングを楽しむならホーチミン、旧市街や美しい自然遺産を楽しむならハノイを選択することをおすすめします。