女性の服装が特徴的なイスラム教とは?
世界でも多くの人々が信仰している宗教イスラム教は、人間社会を構成する上で重要な構成員です。日本ではあまり馴染みのない宗教になり、特徴的な理由や宗教自体の意味を知らないという方も多い。そんなイスラム教は他の宗教にはない、特徴的なルールや服装が存在しています。
三大宗教の1つ
イスラム教は日本や中国で言われている通称三大宗教の1つに該当するのです。最も信仰している人が多いのがキリスト教の約20億人、キリスト教に次ぐ多さがイスラム教の約15億人。もう1つが日本でも多くの人が信仰している仏教。それぞれの宗教には信仰している人がいて、それぞれの種類にはルールや理由、宗教の意味が存在しています。
15億人以上が信仰する宗教
イスラム教を信仰している人は、世界各地場所を問わずに存在しています。特に日本ではイスラム教イコール中東というイメージが多く、実際に中東は教徒が多いですが、他にもアフリカやインドネシアなどアジア圏にも多く存在するのです。世界の人口の4人に1人が信仰する宗教で、日本国内でも仕事の理由などで暮らしている人を含めて約700人に1人の割合でイスラム教徒がいます。
イスラム教女性の服装が特徴的な理由
イスラム教と言えば女性の特徴的な服装が印象的で、特徴的な女性の服装には理由があるのです。外出の時に肌を露出せずに隠す服装にしている理由は、自由を奪い抑制するというイメージを持っている人が多い。イスラム教ではない人から見れば服装を制限して自由を奪い、女性蔑視をしているように感じますが、実際にはイスラム教の女性に対する思いや意味があります。女性の服装が特徴的な理由を見ていきましょう。
男性の誘惑にならないため
イスラム教の女性は外出時など服装が制限されるイメージがありますが、特徴的な服装は男性のためとも言われています。女性の服装で男性のためというのは、一見意味が分かりませんよね。イスラム教では本来人間は弱いものとされており、女性が露出をすると男性の弱い意志によって、理性が崩壊すると考えられているのです。露出が男性の誘惑にならないため、親しい人の前ではない外出時は露出を避けなければなりません。
女性を守るため
女性が特徴的な服装を身にまとう理由の1つが、女性自身を守るためになります。イスラム教で「男性は女性の誘惑に負ける弱い存在」として考えられており、女性が肌を露出することによって性犯罪など引き起こす可能性が考えられる。その意味でも男性の理性が狂うのを未然に防いで、女性を犯罪被害から守るという意味があるため、特徴的な服装を着る理由は女性のためでもあるのです。
イスラム教女性の服装のルール
イスラム教では女性を守るために、特徴的な服装を外出の際は身にまとうことが決められています。女性の服装は適当に着ればよいという問題ではなく、本来の目的を反映させた意味のあるルールが存在しているのです。イスラム教の女性が身に着ける服装のルールを見ていきましょう。
美しい部分は隠す
イスラム教の聖典コーランでは、女性は美しいものを隠すという教えがあります。コーランの教えはイスラム教のルールとなっており、女性は美しい部分に該当する部分を衣服で隠す。服装で隠して露出を防ぐことで女性が守られるため、女性は特徴的な服装で髪の毛や体を全体的に覆い隠しますが、聖典では例外的に外部に出ている部分はしかたがないとあり、手や顔は原則隠さなくてもよいのです。
ボディラインを見せない
イスラム教の聖典コーランのルールでは、女性が外出して人前に出る時には全身を隠して行くとあります。さらに必ず頭から足まですっぽり体を包むとあり、細かいルールは場所で異なりますが、手や顔以外は隠すことが基本。ボディラインを見せないということが原則で、多くの服はボディラインがでないように、ふっくらした作りになっているのです。
イスラム教女性の服装種類
イスラム教における女性の外出時の服装は1種類だけでなく、国や地域によって種類やスタイルが異なるのです。コーランのルールでは、手と顔以外を隠すというのが基本でも、他の細かいルールは決まっていません。日本でも学校では制服が基本ですが、学校によってスタイルが異なるのと同じように、国や地域で全く違うスタイルを持つ服装の種類を見ていきましょう。
ブルカ
ブルカというのは、全身を覆うスタイルの種類で伝統的なイスラム教のベールとして世界の都市で用いられる服装です。歴史歴にはエジプトやシリアで用いられたものですが、現在は主にアフガニスタンで用いられる。頭と顔も全体覆われているという特徴があり、顔の部分は網状になっているため、視覚を確保することが可能。昔の支配勢力が着用を強制したもので、現在では世界各国で着用禁止の動きも進んでいます。
ニカーブ
ニカーブというのは、目以外を全体的に覆うスタイルの種類で、ワッハーブ派の影響により都市部を中心としたエリアで普及しています。二カーブは口や鼻を含めて、目以外の全身がベールで覆われており、目の部分に関してもわずかに開いている状態です。
ヘジャブ
ヘジャブというのは、顔がはっきりと見えるスタイルの種類で、イスラム教の服装の中でも最もポピュラー。世界中のイスラム教女性の間で広く使用されているヘジャブは、アラビア語で覆う物という意味があり、形状は国や地域でことなります。基本的にヘッドスカーフが巻かれており、他の種類に比べるとカジュアルな印象です。
チャドル
チャドルというのは、全身を覆い隠すように着用できるスタイルで、前身と髪の毛を覆うことができるマントのような服装です。イランやアフガニスタンで着用されている伝統衣装のチャドルは、全身を覆うことが可能で顔は出すことができ、着用は個人の判断にゆだねられているため、強制はされていません。
イスラムの宗教ルール
イスラム教徒は外出時の女性の服装以外に、宗教にも特徴的なルールが存在しています。宗教としてのルールは義務という感覚に近く、イスラム教徒は日々生活しているのです。イスラム教の教えで存在するルールを見ていきましょう。
食事
食事のルールでは、食べてもいい許された食品をハラール、食べてはいけない禁じられた食品をハラームと言います。食べてはいけないハラールは多くありますが、日本人も知る有名な食品が豚肉とアルコール。豚肉自体だけでなく、加工品や成分も摂取不可能でラードやゼラチンも口にできません。アルコールは避けるべきとされており、種類を問わず口にすることはないのです。
礼拝
イスラム教の有名なルールが礼拝。教徒の義務となっている礼拝は、宗教で神を拝む行為のことを言い、夜明け前、昼、日没、夜の1日5回を1回5分です。礼拝は事前に手や口など全身を水で洗って清めてから清潔な場所で、キブラというマッカの方角に向かって行うことになっている。これは旅行中であっても行う必要があり、世界には礼拝室がある空港もあります。
断食月
イスラム教徒は1年に1度だけ、夜明けから日の入りまでの時間断食をするラマダーンという習慣があります。断食は1年のうち1度だけですが、ラマダーンは1か月続き、断食月はイスラム歴で計算されるため、毎年異なるのです。断食は成人している人の義務ながら、重病人や高齢者は免除されるなど特例措置も存在します。
イスラム教女性の服装まとめ
イスラム教の女性の服装の特徴についてご紹介していきました。イスラム教の女性は親しい人以外と会う外出時の服装が特徴的です。女性を縛り付けるのではなく守るための服装は、国や地域によって覆う範囲などが異なる種類が存在しています。宗教も特徴的なルールが存在しているため、旅行の際は観光客も注意しましょう。