バングラデシュの面積は日本の何倍？日本と比較して大きさをわかりやすく解説！

バングラデシュは1955年にインドからパキスタンの一部として独立、その後1971年にパキスタンから完全独立と、2度の独立を経て現在の国家がつくられました。

国名はベンガル語で「ベンガル人の国」という意味をもちます。国民の90パーセント弱がイスラム教を信仰していますが、バングラデシュでは宗派より民族に重きを置く傾向にあり、他宗派に対して寛容といわれています。

バングラデシュは国土の大部分がベンガル湾沿いにつくられたデルタ地帯です。国を流れるパッドマ川・ジャムナ川・メグナ川の三大河川は、人々に水の豊かさを与える反面、雨期には頻繁に洪水が発生し、なかでも1998年には国土の70パーセントが冠水したといわれています。

そんな地理的特徴をもつバングラデシュの広さを詳しくみていきましょう。

バングラデシュの面積は約14万7000平方キロメートルで、その半分が標高7メートル以下の低地になっています。このため、地球温暖化などの影響で海面上昇が続くと、将来的には国土の15～40パーセントを失うという予測もあるようです。

その一方で、ベンガル湾にヒマラヤ山系の河川から流れてきた泥が堆積した結果、ここ数十年で新たな島がいくつも出現しています。

国別の面積ランキングでは、バングラデシュは201カ国中93位です。順位としては真ん中あたりに位置していますが、世界の総陸地面積（約148,940,000平方キロメートル）に占める割合で見ると、0.1パーセントほどになります。

面積を比較すると、バングラデシュは日本の40パーセントほどの広さしかありませんが、ここで両国の森林面積に着目してみましょう。

バングラデシュはアジアで最も森林が少ない国のひとつで、森林面積は国土の約11パーセントです。対して日本は森林面積が国土の3分の2を占めます。そのため森林を除いた面積では、バングラデシュのほうが広いことがわかります。

日本国内にはバングラデシュの面積と同じ大きさの地方や地域はあるのでしょうか。都道府県で最大面積となる北海道、日本最大の島である本州と比べることで、より具体的にバングラデシュの大きさをつかめるはずです。

都道府県別の面積1位は北海道の8万3457平方キロメートルです。バングラデシュは北海道の約1.8倍大きいことがわかります。人口という視点からだと、北海道の2倍弱の面積に1億6300万人以上が暮らしていることになり、バングラデシュの人口の多さが、より際立って見えてきます。

日本最大の島である本州の面積は22万7942平方キロメートルで、バングラデッシュの面積は本州の約65パーセントにあたります。東北地方から北陸・中部地方の一部まで（黄緑色）の合計面積が14万6200平方キロメートルとなり、バングラデシュとほぼ同じ大きさです。

東北地方（青森県・秋田県・岩手県・山形県・宮城県・福島県）の面積は6万6889平方キロメートルで、北海道の面積と合計すると15万346平方キロメートルとなり、バングラデシュとかなり近い面積になります。なお、北海道と東北地方は日本の面積の約40パーセントを占めています。

バングラデシュの中央部に位置する首都ダッカは、政治・経済・文化の中心地でもあり、近年急速な発展を遂げています。世界でも有数のメガシティ（住居者が1000万人以上の都市部）であるダッカの面積・人口・人口密度を、同じくメガシティである東京の23区エリアと比べてみましょう。

ダッカの首都圏面積は約360平方キロメートルで、東京23区の約3分の2の大きさです。23区のうち品川区・大田区・目黒区・世田谷区・中野区・杉並区・練馬区の7区を除いた16区（黄緑色）の面積合計が365平方キロメートルとなり、ダッカの面積とほぼ同じになります。

ダッカの人口は2015年時点で1759万8000人で、東京23区の人口を800万人ほど上回っています。人口密度は東京23区の3倍以上です。ダッカの人口増加は続いており、2020年中には2000万人を超えると予測され、交通渋滞や公害など深刻な問題を抱えています。

バングラデシュの面積・人口・人口密度を日本以外の国とも比べてみましょう。ここでは、歴史的に関係が深いパキスタンと、近隣国であるネパールの2国をとりあげます。

かつては同じ国だったパキスタンの面積と比較すると、バングラデシュはパキスタンの18パーセントほどの面積です。人口はパキスタンの約4分の3ですが、実は独立した1971年当時は、バングラデシュのほうが人口が多かったのです。1983年ごろからパキスタンが逆転し、現在に至っています。

近隣国であるネパールの面積は14万7181平方キロメートルで、バングラデシュとほぼ同じです。ネパールはヒマラヤ山をはじめ、標高2500メートルを超える山岳地帯が国土の23パーセントを占め、標高により亜熱帯性気候から極地気候まで、5つの気候にわかれます。

熱帯性気候のバングラデシュと距離的に近く面積が同じでも、地形によって環境が大きく異ることがわかります。

バングラデシュの人口は1億6300万人を超え、2050年には1億9000万人に達するという予測もあります。なぜ、バングラデシュは面積に比べて人口が多いのでしょうか？その理由や、世界の人口ランキングを調べました。

バングラデシュの人口は2018年の統計で1億6356万人ですが、1971年にパキスタンから独立した当時は6553万人ほどでした。約50年間で人口が1億人近く増えた理由として、以下の点が挙げられています。

• 一年を通じて温暖な気候
• 国土の多くが低地で、人が住めるエリアが多い
• 河川氾濫によってもたらされる肥沃な土地が農作業に適している
• 難民の受け入れや移民の流入

2019年の世界の人口ランキングでは、バングラデシュは8位です。上位10カ国のうちバングラデシュを除くすべての国が、面積でも上位35位以内に入っています。なかでも、国土面積が世界一のロシアの人口を上回っていることは、いかにバングラデシュの人口密度が高いかを物語っています。

バングラデシュの人口1億6365万人は、日本の人口1億2686万人の約1.3倍です。日本国民の平均年齢は49歳で少子高齢化が進んでいるのに対し、バングラデシュ国民の平均年齢は24歳前後と若く、今後さらに日本との差が広がっていくでしょう。

国土面積に対して人口が非常に多いバングラデシュですが、その過密さは、世界のなかではどれほどなのか、日本との比較を交えながら、具体的な数字を見ていきましょう。

バングラデシュの人口密度は1113人/平方キロメートルで、人口増加にともなって今後もさらに過密になっていくと予測されます。都市部では家賃や地価が高騰し、とくに低所得者層の家賃は年5パーセント以上も上昇しているというデータもあります。

人口1000万人以上の国における人口密度ランキング

モナコやシンガポールなどの都市国家を除くと、バングラデシュの人口密度は世界一です。人口密度が1000人を超す国・地域は11しかなく、バングラデシュと香港（1104平方キロメートル）を除くすべてが、面積1000平方キロメートルに満たない小規模な国・地域です。

日本の人口密度は336人/平方キロメートルで、バングラデシュは日本の約3.3倍の人口密度とわかります。日本の人口密度と近い国は、ベルギー（349人/平方キロメートル）・イスラエル（325人/平方キロメートル）などです。

南アジアに位置するバングラデシュは、国土面積14万7000平方キロメートルに1億6356万人が暮らす、世界一人口密度が高い国ということがわかりました。かつては「アジアの最貧国」といわれていましたが、近年は毎年7パーセント以上の経済成長率を記録し、2041年に先進国の仲間入りを目標としています。