目次 [表示]
- マレーシアとシンガポールはどんな国?
- マレーシアとシンガポールは隣の国
- マレーシアの基本情報
- シンガポールの基本情報
- マレーシアとシンガポールの歴史
- マレーシアは植民地統治が続いた多宗教国家
- シンガポールはマレーシアから独立した国
- マレーシアとシンガポールの関係性
- シンガポールは驚異的な経済発展を遂げた先進国
- マレーシアは民族格差が激しい多民族国家
- マレーシアとシンガポールを補完関係を保つ隣国
- マレーシアとシンガポールの違う点
- マレーシアとシンガポールの違う点①:物価
- マレーシアとシンガポールの違う点②:治安
- マレーシアとシンガポールの違う点③:交通機関の利便性
- マレーシアとシンガポールの似てる点
- マレーシアとシンガポールの似てる点①:英語が通じやすい
- マレーシアとシンガポールの似てる点②:日本人の移住先として人気が高い
- マレーシアとシンガポールの似てる点③:食べ物や言語・習慣など
- マレーシアとシンガポールは良好な関係
マレーシアとシンガポールはどんな国?
マレーシアとシンガポールは東南アジアにあり、ビジネスや観光はもちろん日本人の移住先として人気が高い国です。マレーシアとシンガポールは元はひとつの国家でしたが、シンガポールが独立したことにより国が分離しました。
シンガポールとマレーシアが文化や経済面においてどのような違いがあるのか紹介します。ツアーや観光地をめぐる時に豆知識として参考にしてみてください。
マレーシアとシンガポールは隣の国
マレーシアとシンガポールは東南アジアのマレー半島の南端に位置し、隣りあう国です。マレーシアはマレー半島の南部とボルネオ島北部をあわせた国土を持ち、面積は日本の約90%の国土を持っています。
シンガポールはマレー半島の最南端からすぐ南にあるシンガポール島と周辺の島々で、面積は東京23区と同じくらいです。マレーシアとシンガポールは2つの大きな橋で繋がっています。
マレーシアの基本情報
面積 | 約33万平方キロメートル(日本の約90%) |
---|---|
人口 | 約3,200万人 |
首都 | クアラルンプール |
言語 | マレー語、中国語、タミール語、英語 |
民族 | マレー系(約69%)、中国系(約23%)、インド系(約7%) |
宗教 | イスラム教(61%)、仏教(20%)、儒教・道教(1.0%)、ヒンドゥー教(6.0%)、キリスト教(9.0%)、その他 |
通貨 | リンギット |
マレーシアは東南アジア随一の多民族国家で先住民族であるマレー人をはじめ、中国系やインド系などを含む民族が多民族が暮らしています。ヨーロッパの植民地支配や中国の移民などの影響が強く、あらゆる文化が融合していることが大きな特徴です。
観光地ではイスラム教のモスクや中国系寺院、ヨーロッパのアラベスク建築などが見られ、独特な文化がみられます。
シンガポールの基本情報
面積 | 721.5平方キロメートル(東京23区とほぼ同じ) |
---|---|
人口 | 約563.9万人 |
首都 | シンガポール |
言語 | 英語、マレー語、中国語、タミル語 |
民族 | 華人系74%、マレー系13%、インド系9%、その他4% |
宗教 | 仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教など |
通貨 | シンガポールドル |
シンガポールは2013年以来エコノミストの「最も住みやすい都市」に格付けされている経済大国で、一人あたりの名目統計GDP(IMF統計)ではアジア1位です。1965年マレーシアから独立し、華僑とよばれる中華系移民が中心に暮らしています。
シンガポールは金融や貿易を中心に急速に発展し、現在ではアジアでもっとも経済水準が高い国へと成長を遂げました。
マレーシアとシンガポールの歴史
マレーシアとシンガポールは植民地支配をされてきた歴史があります。1963年にイギリス領とされていたシンガポールとマラヤ連邦、ボルネオ島のイギリス領などが合体したマレーシアが成立し、独立を果たしました。
独立後は民族を背景とする政策方針の違いからシンガポールがマレーシアから追放されため、異なる国として独自の文化や経済を形成しています。
マレーシアは植民地統治が続いた多宗教国家
マレーシアは1400年にマラッカ王国が成立し国家としての歩みがはじまりましたが、14世紀に欧州が大航海時代を迎えると、マラッカ王国は第2次世界大戦後までヨーロッパ諸国の植民地として支配されます。
さまざまな国が統治しあらゆる文化が流入したことが、マレーシアの多宗教国家のはじまりです。現在まで民族による都市部と農村の経済格差により、経済成長が伸び悩んでいます。
シンガポールはマレーシアから独立した国
シンガポールは1965年にマレーシアから独立し、急速に経済発展を遂げました。マレーシアのマレー人優遇政策と中国人系民族が反発し、シンガポールはマレーシアから追放されたのが独立のきっかけです。
シンガポールは積極的な人材開発によって、教育・貿易・交通の分野で国際的にも高い位置づけの国家となり、経済格差で伸び悩むマレーシアを大きく引き離しています。
マレーシアとシンガポールの関係性
マレーシアとシンガポールは良好な補完関係を保っているといえます。元々同じ国で民族や宗教などの文化が似ており、お互いのことが理解しやすい隣国です。
マレーシアとシンガポールの国境は2本の大きな橋で繋がり、毎日約6万台の車両が往来しています。シンガポールは生活用水や飲料水の確保が難しく、マレーシアからの輸入を頼りにするなどお互い欠かせない隣国です。
シンガポールは驚異的な経済発展を遂げた先進国
シンガポールは独立後に急速な経済発展を遂げました。IT開発、金融、貿易などの産業開発において積極的な外資導入と技術誘致に成功し、2020年一人あたりの名目統計GDP(IMF統計)ではアジア1位の経済大国です。
製造業とサービス産業を中心にアジアの消費市場と企業を結ぶハブとして重要な役割を果たしています。アジアの都市型観光地の旅行先としても人気です。
マレーシアは民族格差が激しい多民族国家
マレーシアは都市部と農村部の民族・経済格差の問題が根強く、国家的な経済成長と社会的安定が課題です。先住民族のマレー人と中国系移民との民族格差が大きく、政府はブミプトラ政策によるマレー人優遇政策や新経済政策を導入しましたが、民族・地域間の経済格差は依然とて乖離があります。
マレーシアは多民族国家ならではの課題を抱えながら、少しずつ変化しています。
マレーシアとシンガポールを補完関係を保つ隣国
マレーシアはシンガポールと唯一陸路で繋がる隣国で、重要な補完関係があります。シンガポールは食料や水を自給自足で確保するのが難しく、マレーシアからの供給が欠かせません。
一方シンガポールはダムや送水パイプラインなどのインフラ建設費用を援助し、マレーシアを支えています。元々ひとつの国だったため、文化的な側面においても一番理解しあえる国同士といえるでしょう。
マレーシアとシンガポールの違う点
マレーシアとシンガポールは国家経済政策の方針がまったく異なる方針で進められたので、現在までの経済状況や環境に大きな違いがあります。シンガポールは世界的にも先進的な技術開発や教育に優れていますが、マレーシアはまだ発展途上です。
マレーシアは今後経済成長が期待できる国として世界的に注目され、日本人の移住国としての人気も高まっています。
マレーシアとシンガポールの違う点①:物価
ビックマック指数 | 家賃指数 | 生活費指数 | |
---|---|---|---|
マレーシア | 2.34USドル | 11 | 39.12 |
シンガポール | 4.25USドル | 63.27 | 81.1 |
日本 | 3.64USドル | 25.97 | 83.35 |
マレーシアとシンガポールは物価におおきな違いがあります。物価が安いのはマレーシアで、マクドナルドのビックマック指数は2.34USドルですが、シンガポールは4.25USドルで約1.8倍高いです。
シンガポールはマレーシアに比べると設備が整っており、ラグジュアリーな施設も多く、高級な旅行に向いています。マレーシアは都市とローカルの両方を安い旅行費用で楽しめます。
マレーシアとシンガポールの違う点②:治安
シンガポールはアジア諸国のなかでも治安がよい安全な国として知られています。マレーシアも都市部においては治安がよいとされていますが、貧困地域である農村部の治安の悪さは課題です。
マレーシアもシンガポールも旅行客が多いエリアではひったくりやスリなどの軽犯罪が多発しています。観光の際はしっかり持ち物をチェックして、注意しながら行動するのが大切です。
マレーシアとシンガポールの違う点③:交通機関の利便性
シンガポールは経済政策の一環として交通機関の整備に注力してきました。市内はMRTとよばれる地下鉄やモノレールが開通し、バスやタクシーなども充実しているため、各所のアクセスには困りません。
マレーシアは首都・クアラルンプール市内の交通網は発達していますが、郊外や地方は歩道が整備されていないことも多く、交通アクセスも便利とは言い難い現状です。
マレーシアとシンガポールの似てる点
マレーシアとシンガポールは文化的側面が非常によく似ています。グルメについてはどっちが起源となるのか度々論争が起こるほどです。元々ひとつの国であった隣国なので言語や宗教、気候などが似ている点が多く、国民同士もお互いに理解しやすいので、両国な関係を育んでいます。
旅行先としてはシンガポールで都市を楽しみ、マレーシアでローカルな雰囲気を楽しむのがおすすめです。
マレーシアとシンガポールの似てる点①:英語が通じやすい
マレーシアとシンガポールは英語が通じやすい点でよく似ています。マレーシアは1967年まで英語が公用語とされており、現在も日常会話に英語がよく使われます。シンガポールは外資導入政策や移民の流入数が多く、公用語が4つあり、英語もひとつです。
中国人系移民はシングリッシュと呼ばれる中国語訛りの英語を話します。どっちの国も英語の語学留学先として人気があります。
マレーシアとシンガポールの似てる点②:日本人の移住先として人気が高い
マレーシアとシンガポールは日本人の移住先として人気の国です。シンガポールは高い教育水準やキャピタルゲインに対する税金がかからないため、子どものいる富裕層家庭や投資家の移住先として注目されてきました。
マレーシアはビザの取りやすさと安定した治安・物価が安いことが人気で、英語の留学先や早期リタイアの移住先として人気があります。
マレーシアとシンガポールの似てる点③:食べ物や言語・習慣など
食べ物や言語・習慣などの文化的側面はマレーシアとシンガポールを比較するうえで、もっとも似てる点です。マレー料理と中華・インド料理が融合した料理が特徴で、バクテーとよばれる豚の簡保スープやラクサ、ニョニャ料理などがあります。
マレーシアとシンガポールは言語や生活様式に共通点が多いので、国民は不自由なく行き来や生活ができるでしょう。
マレーシアとシンガポールは良好な関係
マレーシアとシンガポールは隣国でお互い一番理解しあえる隣国といえます。日本からの旅行ではマレーシアとシンガポールを巡るツアーも多く、見ごたえのある観光地が多いです。
ツアーで2つの比較をしながら観光してみると、物価や環境の違いが楽しめます。どっちの見どころも抑えながら、マレーシアとシンガポールの違いを堪能できるツアーがおすすめです。