飛行機のクラス・ビジネスクラス
エコノミークラスとファーストクラスの中間のクラスとして知られるビジネスクラス。その歴史は意外と浅く、設置されるようになったのは1970年頃といわれています。アメリカの航空会社が先駆けで、名前の通り、出張などの社用で飛行機を利用するお客様に、値段が高いけれどエコノミーよりもよいサービスを提供しようとはじめたのがきっかけでした。
飛行機のエコノミークラス・ビジネスクラス、違いは?
あまり飛行機を利用しない人には、エコノミークラスと、ビジネスクラスの違いが「ちょっと値段が高いかわりに、いい座席になる?」くらいの認識かもしれません。実はこの二つのクラス、値段からサービス、シートのグレードから座席の数、搭乗前のサービスまで、さまざまなところで違いがあります。
飛行機のビジネスクラス・搭乗前の違い
①値段
ビジネスクラスとエコノミークラスの違いは、まず座席の値段です。エコノミークラスは比較的安い値段ですが、ビジネスクラスはエコノミーの倍も高いことがあります。JALとANAで比較すると、その差なんと最大2倍になることも。ピークには3、4倍に跳ね上がることもあります。
航空会社/座席 | ビジネスクラス | エコノミークラス |
JAL・12月7日・羽田発ホノルル着 | 片道49万円 | 片道39万円 |
ANA・12月14日・羽田発ロンドン着 | 片道98万円 | 片道49万円 |
②チェックインカウンターでの扱い
エコノミークラスでのチェックインは昔と比べ、スムーズになりました。しかし、それでも国際線の場合は、2時間前にはチェックインすることが推奨されています。一方で、ビジネスクラスは、専用のカウンターが設置されていて、素早くチェックインを済ますことができるのです。チェックイン締切時間もエコノミークラスでは1時間前までがほとんどですが、ビジネスクラスでは優遇されている場合があり、スムーズな搭乗手続きができるでしょう。
③搭乗前のラウンジ
エコノミークラスと違い、ビジネスクラスは搭乗前にラウンジを利用できます。航空会社によって違いはありますが、飲み物、アルコール、軽食、シャワー、フリーWi-fiなどが利用可能。ラウンジの窓からは滑走路が見渡せ、飛行機を眺めながら優雅な時間を過ごせます。また、ほとんどの航空会社はラウンジの食事に力を入れており、ここでしか食べられない限定メニューが提供されることもあり、ラウンジを利用するために、ビジネスクラスを予約する人もいるくらいです。
④荷物の扱い
ビジネスクラスはエコノミークラスと違い、預けられる荷物の重量が多いことがほとんどです。JAL国際線の場合、預けられる荷物の重量はエコノミークラスが23キログラムの荷物を2つまで。しかし、ビジネスクラスでは、23キログラムの荷物を3つまで預けられます。さらに、搭乗後のキャリーバッグの返却が優先的なのもうれしいポイントでしょう。
飛行機のビジネスクラス・搭乗中の違い
①機内食
ビジネスクラスの機内食は洋食と和食を選択できることが多いのです。離陸後にメニューを渡され、どちらかを選びます。基本時にコースメニューとなっており、プラスチックの容器で一気に提供されるエコノミークラスとは違い、お皿で一品ずつ、丁寧に提供されるのがうれしいところ。メニュー内容も、有名シェフとコラボした料理であることが多く、満足のできる、質の高い内容となっています。
②ドリンク
エコノミークラスでも飲み物は無料でサービスされますが、ビジネスクラスではワンランク上の飲み物が用意されています。例えば、JALの場合、コーヒーは「機内で本当に美味しいコーヒーを」をコンセプトに「JAL CAFÉ LINES」というオリジナルブレンドを用意。アルコールも充実しており、ワイン、ビール、日本酒、それぞれ選りすぐりの名品を時期ごとに揃えています。さらに、機内食とアルコール類がマッチするよう、専用のアドバイザーが選びぬいたアルコールを用意しています。
③機内の座席
ビジネスクラスの1番の特徴は、上質なシートと広い座席です。フラットベッドシートなどを採用している航空会社も多く、ハワイやヨーロッパなど、フライト時間が長くなる目的地の場合は、とても快適な時間を過ごせます。プライバシーを守るために、ドア付きのシートを設置していることも。また、機内での音楽やエンターテイメントも種類が豊富で、退屈することのない質の高いの空の旅を楽しめます。
④客室乗務員のサービス
客室乗務員のサービスもビジネスクラスでは質が高いのです。搭乗後、一人ひとりに客室乗務員が挨拶に回り、ウェルカムドリンクを提供してくれます。また、サービスにも満足できるよう、ベテランの乗務員がビジネスクラスを担当。チケット代は高いですが、その分丁寧なサービスを心がけてくれます。客室乗務員一人当たりが担当するお客様の数も、ビジネスクラスは少ないのです。記念日だった場合、搭乗前にスタッフに伝えると、記念日をお祝いしてくれるサービスを用意する航空会社もあります。
⑤アメニティー
ビジネスクラスにはアメニティーがつきます。その内容は航空会社にもよりますが、枕やベッドパッド、上質な掛け布団のサービス、ポーチ、シャンプー、コンディショナー、化粧水、歯ブラシセット、アイマスク、機内着まであり、飛行機で過ごす上で不便することのないよう、細かいところまで配慮されています。そして、航空会社ごとに、さまざまな有名ブランドのアメニティーが用意されていることも魅力の1つでしょう。
お得に飛行機のビジネスクラスに乗る方法
細かいところまで配慮された、質の高いビジネスクラス。楽しい旅行に行くならば、移動中も快適に過ごしたいですよね。しかし、値段が高いので、なかなかビジネスクラスには手を出しにくい人もいるのではないでしょうか。お得に安い値段でビジネスクラスを利用する方法をご紹介します。
マイルを使って安い値段でビジネスクラスに
マイルが貯まるクレジットカードを使うと、ポイントのようにたまっていくマイレージ。このマイルを使うと、現金でビジネスクラスに乗るよりも、お得に安い値段でビジネスクラスを利用できます。マイルと聞くと「飛行機に乗らないと貯められない」というイメージをお持ちかもしれませんが、普段の買い物でマイルが貯まるクレジットカードもあり、日常生活で利用するだけでも貯めることが可能です。
航空会社で異なるビジネスクラス
航空会社によって異なるビジネスクラス。どの会社も質の高いサービスを提供していますが、航空会社ごとにどのような違いがあるのでしょうか?ラウンジや座席の特徴、うれしい人気ブランドのアメニティー、行きとどいたサービス、多彩な機内食を紹介します。
カタール航空
3年連続で「エアライン・オブ・ザ・イヤー」1位を獲得している、カタール航空。アルマーニとコラボした質の良いボディーローションやミニ香水、リップクリームなど、女性にうれしいアメニティーが揃っています。シートもとにかく快適。機内食は、好きなときに好きなだけ食べられます。機内にはバーラウンジが設置されているので、お酒を飲みながら優雅にフライトできます。航空券予約サイトを利用すると、安い値段でビジネスクラスを利用することができるので、チェックしてみましょう。
シンガポール航空
シンガポール航空は、カタール航空を抑え「2018年エアライン・オブザイヤー」で1位を獲得した人気の航空会社です。ラウンジサービスのレベルも高く、ワインやウォッカなどアルコールの種類も豊富。アジア料理を中心に豊富なメニューも取り揃えいて、なんと、ライブキッチンも設置されています。シートも広く、座席の幅は2人で座れるほどの余裕があります。
エミレーツ航空
エミレーツ航空のビジネスクラスの座席は、居住空間のようなプライベートスペースでくつろげます。機内食は中東らしいエキゾチックなメニューもありますが、和食も提供され、海外の料理が苦手な方も安心。そして、機内にバーがあります。ビールやワイン、カクテルなどのほか、軽食の用意もされていて、至れり尽くせり。空港の送迎サービスがあり、現地の宿泊ホテルから空港までのお迎えも頼めます。
スクート航空
スクート航空は、シンガポール航空を拠点とする格安航空会社です。ほかの航空会社と比べ、安い値段でビジネスクラスに搭乗できます。安いのでサービスは大手航空会社には劣りますが、チェックインは優先的に案内され、ラウンジも利用可能。シートの広さも十分に取られ、安い値段でビジネスクラスの旅を楽しみたい人にはぴったりです。
タイ航空
タイ航空のビジネスクラスでは. タイならではのスパを利用できます。搭乗前に、首肩マッサージおよび、フットマッサージが無料で利用可能。ラウンジでは、アジアンテイストを取り入れた心地の良いラウンジで、出発までの時間を楽しめます。機内食は、本場のタイ料理が提供されます。苦手な方には、和食のメニューも用意があるので安心ですね。航空機予約サイトを利用すると、安い値段でビジネスクラスを利用できます。
ANA
日本に誇る航空会社ANA。ANAは7年連続世界最高評価「5スター」を獲得しています。 3タイプのビジネスクラスがあり、中でも、2019年8月から登場した個室タイプの座席は人気を集めています。アメニティーは、ハンドクリームリップクリームや、フェイシャルミストなどが用意され、どれもうれしいオーガニック製。機内食は間食も用意され、一風堂のラーメンが海外旅行客に人気となっています。
キャセイパシフィック航空
高い人気を誇る、キャセイパシフィック航空。香港国際空港には、ビジネスクラスラウンジが5箇所もあります。ちなみにこちらのラウンジ、加盟航空会社の会員なら、エコノミークラスでも利用可能。ヌードルバーやビュッフェ、バリスタコーナーなど、豊富な食事内容となってます。搭乗後のウェルカムドリンクは、サワープラムとクランベリージュースのノンアルコールドリンク。こちらも人気があります。
JAL
日本を代表する航空会社のJAL。国内線はもちろん、国際線でもサービスの質がよく、世界的にも人気の航空会社です。国内線ではMAISON KITSUNEとコラボレーションしたアメニティー、国際線ではbeamsとコラボレーションしたアメニティーが用意され、どちらも人気があります。サクララウンジは、日本のこころ、おもてなしをかたちにした、上質な空間を提供。JAL特製のビーフカレーをはじめ、さまざまなメニューを揃えています。
まとめ
いかがでしたか。ビジネスクラスにスポットをあて、紹介しました。シートやサービス、値段がおわかりいただけましたでしょうか。この記事が、皆様のお役に立てれば幸いです。