ミャンマーってどんな国?
ミャンマーは、インドシナ半島西部に位置する国家です。イギリスから独立し、1989年までは、ビルマという国名でした。人口の6割をビルマ族が占めているものの、カレン族、カチン族、カヤー族、チン族などの、さまざまな少数民族が共生する多民族国家です。首都はネピドー(ネーピードー)で、国境をタイ、ラオス、中国、インド、バングラデシュと接しており、南西のベンガル湾を挟んでインド東部と相対しています。
首都
ミャンマーの首都は、ネピドー(ネーピードー)で、現地の言葉で「首都」という意味を持っています。元々は、同国最大の都市・ヤンゴンが首都でしたが、2006年に海岸から距離のあるネピドーに遷都されました。有事の際には戦闘機の滑走路としても利用される片道10車線と広大な幹線道路を有しており、ネピドーの一画の行政首都の地区には一般人の立ち入りを禁止しています。
通貨
ミャンマーの通貨には「チャット」が使用されています。補助通貨として「ピャー」というものもありますが、極度のインフレ―ションにより、現在は使われていません。インフレーションの影響で金額の数字が大きくなってしまうためか、日常的に1000チャット単位で値段を表すことが多いです{例:2000チャット⇒2K(千)}。日本人には計算が難しくなるので、必要以上にお金を払ったり、ぼったくられないように気を付けましょう。
気候
国土が南北に細長いため、ミャンマーは北部、南部、山岳地帯、沿岸部などで、それぞれ大きく気候が異なります。北部は温帯、中南部は熱帯性気候ですが、山岳部の高原地帯は比較的涼しいです。2月下旬~5月中旬を暑季、5月中旬~10月中旬までを雨季、10月下旬から2月中旬までを乾季と分けられることができ、ミャンマー観光のベストシーズンは乾季の10月下旬~2月中旬までになっています。
言語
ミャンマーの公用語は国民の7割を占めるビルマ族が使用しているビルマ語です。ミャンマーには135もの民族が存在するため、その他にも、シャン語、カレン後、ロヒンギャ語、モン語などの少数民族言語も多数存在しています。ミャンマーは元々イギリス領であったためか、英語を理解する人も多いです。ミャンマーを観光される際には、買い物などの際に使う簡単なビルマ語を覚えておくと良いでしょう。
ミャンマーの治安っていい?悪い?
タイやベトナムなどの東南アジアの国々に比べると知名度が少々低いミャンマー。日本にいるとミャンマーの情報が、あまり入ってこないため、現地の治安や犯罪事情について、あまり知られていません。そんなミャンマーの治安のいい悪い・現地での犯罪被害などの情報をご紹介していきたいと思います。
基本的にミャンマーの治安はいい
敬虔な仏教徒が多いこと、政府の外国人受け入れ対策が整備されていることなどの理由から、ミャンマーの治安は、比較的安全です。個人差はあるものの敬虔な仏教徒は功徳を積むために人生を過ごしているというスタンスが、治安の向上に繋がっています。ミャンマー政府は観光政策を取っているため、外国人観光客の安全管理は、比較的シビアです。ただ、最近はスリなどの犯罪件数が増加しているので、万全の注意を払いましょう
ミャンマーで犯罪が多く危険な地域
全体的に治安のいい地域で占められているものの、危険で治安の悪い地域が一部存在するミャンマー。いくら安全な国であっても、残念ながら危険な場所は存在します。そんなミャンマーの危険な地域を順にご紹介します。
ミャンマー西部・ラカイン州の治安①
1つ目は、ミャンマー西部のバングラデシュと接するラカイン州。ここは、人権問題として問題になっている「ロヒンギャ問題」がある地域です。ロヒンギャ問題とは、イスラム系少数民族のロヒンギャ族が国籍を与えられず、移動・結婚の制限、恣意的課税、財産没収などあらゆる制裁・差別・迫害を受けていることによって生じている問題のこと。彼らロヒンギャ族と仏教徒のラカイン族との間で死者を出す衝突が度々発生しています。
ミャンマー西部・ラカイン州の治安②
2つ目も、ミャンマー西部のバングラデシュと接するラカイン州です。この付近は、ロヒンギャ問題に加えて、権利拡大を狙っている仏教徒ラカイン族の一部の武装勢力「アラカン軍」が、ミャンマー政府軍と交戦状態にあるため、治安が悪い状態にあります。仏教遺跡周辺での銃撃戦なども起きており、非常に危険ですので、交戦に巻き込まれないためにも、この地域には接近しないようにしましょう。
シャン州北部・カチン州西部の中国国境周辺の治安
3つ目は、シャン州北部・カチン州西部の中国との国境付近です。ここには、コーカン族やワ族などが自治支配している地域が存在し、情勢が不安定な地域になっています。カチン州では、カチン独立軍とミャンマー政府軍との戦闘が長きに渡って続いており、治安が悪く危険です。この地域にも、近寄らないようにしましょう。
ミャンマー観光で気を付けるべきこと・注意点
現地の文化を尊重する
当たり前のことになりますが、ミャンマーに旅行に行く際は、現地の文化や風習を尊重しましょう。特にパゴダ(寺院)に訪れる際は、靴を脱ぐ、露出の多い恰好をしない、お祈り中の人の邪魔をしない、女性は女性禁制の場所に入らないなど、ルールを守る必要があります。いくらミャンマー政府が観光客を積極的に誘致しようと、現地の文化(主に仏教)の冒とくに対して厳しい措置が取られても仕方がありません。
食事
ミャンマーに訪れた際には、高確率で口にするであろう屋台の料理。ミャンマーの料理は、基本的に日本食と比べ、脂っこいです。ミャンマーの屋台は日本のような先進国と比べ、衛生的な観念が浸透しておらず、衛生管理がゆるいので、水を使いまわすなどをしている可能性があります。胃もたれや下痢の薬を日本から持っていくようにし、体調面での万全の対策をしましょう。
女性がミャンマー観光で気を付けるべきこと・注意点
服装
女性が海外旅行をする際には、服装に気を付けましょう。日本で着ている服が、ミャンマーではふさわしい恰好ではない場合があります。街で女性特有の露出の多い服装で出歩いてしまうと、現地の人に性に開放的な観光客として認識され、痴漢やレイプ被害などの犯罪に遭ってしまうかもしれません。現地での、神聖な寺院などでは、入場にあたって服装規定がありますので、うっかり違反しないように十分に注意しましょう。
夜間の外出
いうまでもなく夜間の外出は危険ですので、絶対にやめましょう。男性の場合でも、夜間に出歩くことは危険ですが、女性はさらに危険性が高まります。万が一、夜になっても外出先にいる場合は、人通りの多いメイン通りを選んで宿泊場所に帰ってください。女性は男性に比べ、力が弱いので力づくに連れ込まれ、強盗やレイプ被害などの犯罪に遭う可能性があります。夜間時で不要不急の外出は、絶対にしないようにしてください。
ミャンマーの有名観光スポット
シュエダゴン・パゴダ
シュエダゴン・パゴダは、ヤンゴン中心部に位置しているパゴダ(寺院)。釈迦及び釈迦以前に現れた3人の菩薩の遺体の一部分が収められていると信じられているために、現地の人々にとって重要な聖地とされています。伝説によると、シュエダゴン・パゴダは2500年以上前に建てられたとされていますが、地震被害により何度も立て直されており、現在の原型は15世紀ごろに建立されたそうです。
スーレー・パゴダ
スーレー・パゴダもヤンゴン中心部に位置するパゴダで、伝説によると2500年前に造られたシュエダゴン・パゴダよりも前に建っていたそうです。ヤンゴン市民にとっても手軽にお祈りのできる重要なスポットになっており、シュエダゴン・パゴダを建設する際の会議をこの場所で行っていました。
チャウタッジー・パゴダ
チャウタッジー・パゴダは穏やかで美しい顔をもつ巨大な寝釈迦像でとても有名で、女性人気も高く、寝釈迦像の大きさは高さ17.7メートル、長さ65.8メートルです。足の裏に描かれている108の絵柄は、混沌の世界・森羅万象を示しており、そのすべてのものが仏様の元にあるという意味を持っています。ここも、裸足入場・服装規定があるので注意しましょう。
チャイティーヨー・パゴダ
ゴールデンロックで知られるチャイティーヨー・パゴダは、モン州にあるパゴダで、仏教徒の巡礼地です。巡礼者の寄付によって張られる金箔に覆われた巨大な岩の上に、高さ7.3メートルのパゴダが載せられました。信仰上の理由から、残念ながら女性はゴールデン・ロックに触れられることは許されません。ここは、ミャンマーで3番目に重要な巡礼地で、多くの人々に仏教に帰依するためのインスピレーションを与えるスポットです。
マハバンドゥーラ公園
マハバンドゥーラ公園は、スーレー・パゴダの近くに位置している公園で、高さ46メートルの白い独立記念碑が見印です。周りには、ヤンゴン市庁舎や最高裁判所、池や噴水などがあります。この公園はスーレー・パゴダに近い、現地の人々の憩いの場所です。
アーナンダ寺院
アーナンダ寺院は、バガン遺跡の中でも最も有名な寺院の1つで、1105年に建立されました。寺院は1辺53メートル、高さは51メートルにも及び、建設様式はミャンマーとインドの融合スタイルで、計算されつくした対象の構造になっています。その美しさから「ビルマのウェストミンスター寺院」と称されることがあるそうです。
カックー遺跡
カックー遺跡は、インドによって紀元前3世紀に造られました。そのため、ミャンマーだけではなく、インドの建築様式も垣間見ることができます。2つの大きな仏塔の1つは12世紀に造られ、その他の小さな仏塔は16~18世紀ごろに大量に建てられるようになり、最終的にはなんと2478個もの仏塔が建てられました。これらの仏塔は幾度かの自然災害により、ほとんどが壊れてしまったため、現在建っている仏塔は新しく修復されたものです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ミャンマーの犯罪情報それに対する注意、治安いい悪いなどについて書かせていただきました。ミャンマー自体の治安は悪いことはなく、比較的いい方で、犯罪にもしっかり注意していれば遭う確率は低くなるでしょう。ただ、ミャンマーに行く前・滞在中に、ミャンマー情勢が悪化してしまう可能性もあるので、ご自身で「外務省海外安全ホームページ」を確認してください。