マカオの治安はいい?悪い?
日本からも近い場所にあり、手軽にカジノを楽しめる場所として人気のマカオ。治安もいいため、女性が一人旅をする際に、旅行先として選ぶケースも多いほどです。しかし、我々日本人にとって、外国であることに変わりないはずのマカオは、本当に危険がないのでしょうか?マカオでの旅行を満喫するためにも、しっかりとマカオという地のことを知っておきましょう。
旅行客にも人気のマカオ
中国の特別行政区
マカオは、中国南部にある特別行政区です。この地は1800年代からポルトガル領となっていましたが、1999年に中国へと返還され、現在に至ります。温帯気候に属しており、年間の気温の推移は日本の沖縄に酷似していますが、一年を通して湿度が高いのが特徴です。日本と同じように、8月から10月頃にかけては台風が発生しやすい場所でもあります。
マカオは何語が通じる?
長らくポルトガル領だったマカオでは、広東語とポルトガル語が公用語となっています。英語に関しては通じる場所と通じない場所がありますが、空港やホテル、観光名所などではそれなりに通じるようです。飲食店は、レストランやカフェなどでは英語でもコミュニケーションがとれますが、個人経営のような小さなお店は通じない場合も多いことは念頭に置いておきましょう。
カジノの街
マカオを代表する産業の一つに、カジノがあります。マカオには返還以前からカジノがありましたが、変換後は、より一層カジノ産業の発展が推し進められ、現在ではラスベガスを抜いて、世界最大のカジノ都市となりました。このカジノ目当てに、日本を含めて世界各国から旅行者が訪れ大きな観光資源となっています。
マカオの治安について
マカオの治安はいい
マカオの治安に関して、「テロが多い」「犯罪が多い」といった、特別悪い話は、ほとんど聞きません。外務省の公開している危険情報においても、マカオは日本と同じく「レベル0」に位置付けられています(2019年11月現在)。カジノのような娯楽施設があり、観光地として多くの旅行者が訪れていることからも、マカオの治安は、外国としてはいい方であると言えるでしょう。
親日の人も多い
中国本土においては、日本に対してあまりいいイメージを持っていない人が一定数いるのも事実です。それに対して、マカオにおいては、つい20年前までポルトガル領であり、中国とは違う歴史を歩んできたためか、反日感情はほとんどありません。むしろ昨今においては、若者などを中心に、日本のアニメや漫画などの文化を好むなど、親日派の人が多い印象です。
危険がないわけではない
治安はいいが注意は必要
先にも書きましたように、マカオの治安は、決して悪いというわけではないです。しかし、「あくまでも外国である」ということを忘れてはなりません。日本と違い、無防備に荷物を置いておいたり、女性が夜に一人で外出したりするなど、不注意な行動をとっていれば、それ相応の危険に遭遇する可能性は十分にあります。そういった事態に陥らないためにも、しっかりと危険を回避するための知識を身に付けましょう。
スリや置き引きに注意
マカオにおいても、スリや置き引きの被害はあります。特に、旅行者と見られれば、それなりに現金も持ち歩いていると思われ、標的になりやすいので注意が必要です。財布やスマホなどの貴重品は、ポケットなどの目に見える場所にしまわず、しっかりとカバンの中にしまっていた方がいいでしょう。
タクシーに注意
以前に比べれば、かなり減ったと言われていますが、現在でもタクシーのぼったくり被害が後を絶ちません。流しのようなタクシーに乗車することは避け、ホテル前に待機しているタクシーなどを利用しましょう。また、無駄に遠回りなどしていないか、乗車中も道を確認しておいた方がいいですね。
イカサマ賭博詐欺に注意
マカオには、カジノで遊ぶために来る旅行者も多いですが、それを利用して悪いことを企む人間もいます。特に、日本人が標的にされやすい犯罪が「イカサマ賭博」詐欺です。これは、「イカサマ賭博」に日本人旅行者を誘い、最初は勝たせておいて、最終的には出させた掛け金を持ち逃げするという手口となっています。余談になりますが、マカオにおいても、国に認可された場所以外での賭博は違法行為です。
夜間はそれなりに危険
日が出ているうちは治安がいいマカオでも、夜間は治安が悪いという場所はいくらでもあります。夜になれば、カジノ周辺や大きな商業施設など、一部の場所を除いて、急激に人通りが少なくなるので危険。どんなに治安のいい国でも、「夜間の不要不急の外出はしないようにする」というのは、海外旅行をするうえでの鉄則ですね。
強盗被害の危険
スリなどと比べれば被害件数は少ないですが、マカオでの強盗被害もあります。はじめから強盗するつもりの人間だけでなく、カジノで負けてしまったために強盗に走るケースもあるようです。こういった危険があるので、夜間の出歩きや、人気の少ない路地裏は避けましょう。
女性の1人歩きは注意
マカオは治安がいいため、女性が一人旅をする場としても人気があります。日の出ている時間に、人通りの多いメジャーな観光地などを回る分には、女性一人でもあまり危険はないでしょう。しかし、人通りの少ない路地裏や、夜間に女性が一人歩きすることは避けるべきです。また、スリやひったくりがターゲットにするのも女性が多いようですので、人が多い場所でも注意しておいた方がいいかもしれませんね。
香港デモの影響は?
香港でのデモ
香港も、マカオと同じように中国の特別行政区とされている地域です。距離にしても、マカオと香港はそこまで離れておらず、この二つの行政区をセットで観光するという旅行者も少なくないでしょう。しかし、2019年に入ってから、香港では「逃亡犯条例改正案」を巡ってデモが発生しており、警察と市民らが繰り返し衝突しています。デモは次第にエスカレートしていき、ついには死者が出るほどの事態にまで発展しました。
マカオには影響なし
2019年11月現在、香港でのデモがマカオに波及しているということはありませんので、安心してマカオ観光できます。香港の渡航危険度は現在「レベル1」となっていますので、マカオと合わせて香港を観光することは避けた方が無難かもしれません。
注意しておきたいマカオでのマナー
日本とは少し違う?
日本において、たびたび、訪日外国人のマナーの悪さが問題になることがあります。しかし、我々日本人が外国に行った際にも、知らず知らずのうちに、マナー違反をしているケースもあるかもしれません。事実、マカオに関しても、「日本にはないようなマナー」が存在していますので、トラブルを回避するためにも覚えておきましょう。
チップの習慣がある
ポルトガル領だった影響もあってか、マカオにおいても欧米のようなチップの文化があります。ホテルでは、ルームサービスを頼んだ際や、清掃してもらうスタッフにチップを渡すのがマナーです。ホテルなどのレストランでは、サービス料が含まれていない場合に限り、10%ほどチップを渡しましょう。タクシーやカジノにおいては、チップは必要ありません。
喫煙は決められた場所で
マカオでは、喫煙に関して日本より厳しくなっており、公共施設や交通機関、飲食店内やバーにおいても禁煙です。違反者には罰金が科せられますので、喫煙所以外の場所での喫煙はやめましょう。また、最近では全館禁煙というホテルも増えてきていますので、喫煙者の方は事前に確認しておいた方がいいですね。
写真撮影は確認を
マカオでは、周囲に迷惑をかけないレベルであれば、基本的に写真撮影は自由です。ただし、一部の商業施設においては、撮影が禁止されている場所もあるようなので、撮影前に確認を取った方がいいかもしれません。カジノ内はきらびやかにライトアップされており、ついつい写真に残したくなりますが、カジノ施設内はほぼ全面で撮影禁止となっています。
マカオの見どころ・治安情報
マカオタワー
「マカオタワー」は、マカオのシンボルのような建築物で、その高さは338メートル。中には展望台だけでなく、レストランやショッピングモール、映画館なども入っています。さらに、このタワーの高さを活かしたバンジージャンプや、展望台の屋根の上を歩く「スカイウォーク」といったアクティビティも魅力です。楽しむことに夢中になって、スリや置き引きに遭わないようにだけ気を付けましょう。
媽閣廟
「媽閣廟」は、マカオでは珍しい中国様式の建築物で、この廟の名前が、マカオという名前の由来ともなったと言われています。ここには海の神様とされている「媽祖」が祀られており、あらゆる災厄から人々を守ってくれるパワースポットとして人気です。また、最近では縁結びのご利益もあるとされ、カップルの参拝客も増えています。治安が悪いというような場所ではないため、安心して観光できるスポットです。
聖ポール天主堂跡
「聖ポール天主堂跡」は、1602年にイエズス教会士によって建てられたカトリック教会です。たびたびの火災に見舞われ、現在残っているのは正面部分のみとなっていますが、「ローマ以東で最も美しい教会」と言われたその名残を現代に伝えています。夜にはライトアップされ、観光客も多いので、この近辺では夜の時間に出歩いても、そこまで危険は感じないでしょう。
セナド広場
「セナド広場」は、マカオの街の中心部にある広場です。広場の石畳や、周囲の建物はヨーロッパ風に造られており、異国情緒に溢れる観光地として人気を博しています。クリスマスや旧正月などの時期にはライトアップが行われ、イベント会場としても盛り上がる場所です。こちらも観光地として賑わっているため、危険を感じるようなことはまずないでしょうが、イベントなどの混雑時にはスリに注意しましょう。
カジノ
マカオの見どころといえば、やはりカジノでしょう。実際に賭けて楽しむのもいいですし、入場は無料なので、豪華絢爛な中の様子を楽しむだけにするのもいいかもしれません。ほとんどのカジノはホテルに入っているため、安心して遊べますが、カジノで会った売春婦らしき女性についていったら、美人局に遭ったという事例もあります。最低限の警戒は怠らないようにしましょう。
マカオの治安についてまとめ
ここまで、マカオの治安について書いてきましたが、確かに治安が悪いということはなさそうですね。しかし、やはり日本と同じように考えてしまっては、いささか危険な部分もあるようです。日本にはないカジノで楽しむことは、素晴らしい旅の思い出になるでしょうが、あまり羽目を外し過ぎず、節操を持って楽しむことが大切なのではないでしょうか。旅行する前に「外務省海外安全ホームページ」を確認するようにしてください。