美しい城塞「サンタンジェロ城」の見どころは？周辺の観光スポットも合わせてご紹介！

ハドリアヌス帝の霊廟として建設されたサンタンジェロ城は、「ローマの休日」の舞台としても知られています。要塞、避難所、監獄などの活用を経て、1925年からは博物館として公開されています。

イタリア語「Sant'Angelo」とは“聖なる天使”を意味し、その名の通り、城内の至るところに配された天使の像は見どころの一つです。

教皇グレゴリウス1世が、城のてっぺんで鞘へ剣をしまう大天使ミカエルの姿を見て、当時、国民を苦しめていたペストの終焉を宣言したという逸話が残されています。これを祝し、城の頂上に大天使ミカエルの像を据えました。

現在では、ピエル・ファン・ヴェルシャッフェルトによる青銅製の天使像がシンボリックにそびえ、城の象徴となっています。

城塞の正面へと続く美しい風情で人々を魅了する「サンタンジェロ橋」は、見ておきたいスポットの一つ。

イタリア・ローマの中心を流れるテヴェレ川に架かるその橋の欄干には、美しい10体の天使像が神々しく並んでおり、橋を渡る人々を見守っているさまは見どころでしょう。天使像はバロック時期の代表的な彫刻家・ベルニーニとその弟子によって作られました。

屋上に併設されたカフェテリア＆リストランテ「 Le Terrazze」からは、ローマの美しい街並みが一望でき、すばらしい眺望と共に、食事やカフェ、ワインなどが楽しめます。夏期は夜間も開場されるため、沈みゆく夕陽を眺めつつ、ディナーを楽しみながら、ロマンティックなひと時が過ごせます。

1933年以降、国立博物館となっているサンタンジェロ城は、14ユーロ（一般大人）で入場可能。ただし、公式サイトでのオンライン予約は、1〜2ユーロの手数料が発生することをお忘れなく。チケット売り場の営業時間は18時30分までとなっています。

お得なチケットも要チェックです。 9時〜11時までに入場すると早朝割引で7.5ユーロ。7月中旬から8月31日までの夏期は19時30分〜24時まで7.5ユーロで入場ができる夜間割引チケットがあります。（料金はすべて一般大人の価格）

テヴェレ川右岸に佇むサンタンジェロ城をはじめ、バチカン市国に君臨するサン・ピエトロ大聖堂や地元でも人気のトラステヴェレ地区、ローマ最古の教会であるサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂など、観光スポットに欠くことはありません。

さらにテヴェレ川左岸には、ローマの玄関口であるテルミニ駅や数々の映画のロケ地など、魅力的なスポットが点在しています。

「テヴェレ川の向こう側」を表すトラステヴェレ。ローマの中心地からテヴェレ川を挟んだ向かいのエリアを差し、ローマの下町として地元の人々はもちろんのこと、観光客にも人気のスポットです。

迷路のように入り組んだ美しい石畳の小路には、カフェやトラットリア、バーなどが軒を連ね、夜な夜な若者たちが集い賑わいをみせています。

テヴェレ川の中洲にあるティベリーナ島は、紀元前3世紀頃、古代ギリシアの医神アスクレーピオスの神殿が祭られ、“病を癒す島”として尊ばれてきました。

神殿の跡地には、いまも病院が現存し、サン・バルトロメオ教会が併設されています。島にかかるファブリチオ橋は、現存するローマ最古のアーチ形の石橋といわれ、他にもアエミリウス橋の遺構など、悠久の年月が感じられます。

トラステヴェレ地区の中心には、221年に創建されたローマでも最古級の教会「サンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂 」があります。

ファサードにはフレスコ画が描かれ、『授乳の聖母』などの金のモザイクはひと際、美しさを放ちます。天井のドームにはキリストと『戴冠の聖母』を中心に殉教者らが立ち並び、厳かな雰囲気をもたらしています。

世界文化遺産であり世界最小の国、バチカン市国にあるカトリック教会の総本山であるサン･ピエトロ大聖堂。イタリア・バロック様式の代表的な建築物で、その大きさは、キリスト教の教会建築としては世界最大級を誇ります。使徒ペトロの墓所をはじめ、歴代教皇の墓が147基にのぼる数が祀られています。

大理石の彫像やブロンズ像など440体もの作品を収蔵し、大作が間近で見られるサン･ピエトロ大聖堂。ミケランジェロが手がけた丸屋根のクーポラをはじめ、ベルニーニ作の大天蓋の美しき姿はお見逃しなく！

ひと際賑わいをみせるピエタ礼拝堂は、巨匠ミケランジェロが手がけた『ピエタ像』が安置され、イエスの亡骸を胸に抱く聖母マリアの表情が心に残ります。

大聖堂の前に広がるサン・ピエトロ広場は、幅240メートルもある巨大な楕円形の広場で、ベルニーニによって建設されました。楕円状に4列に並べられたコロネード（列柱廊）や140体もの聖人像が立ち並ぶ姿は崇高で、中央には25.5メートルもあるオベリスク（記念碑）が天高くそびえる様は圧巻です。

サン･ピエトロ大聖堂のクーポラへにのぼるには有料で、エレベーターと階段とで料金が異なります。旅行会社やガイドサービスなどのツアーチケットなどもあり、一般入場の長い行列に並ぶことなく入場ができる「優先入場ツアー」を利用するのもおすすめです。

テヴェレ川左岸のコロッセオ周辺も、見どころのある観光スポットが充実しています。パラティーノ橋のたもとには、紀元前600年に造られた古代ローマの下水道「クロアカ・マクシマ」の排水口を見ることができ、古代人の技術力には脱帽のひとこと。

橋を渡ればコロッセオや、さまざまな観光名所が点在し、多くの観光客で賑わっています。

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の正面柱廊の奥にある「真実の口」。映画『ローマの休日』では、アン王女を驚かそうと伝説に基づく悪ふざけを企み、口から手が抜けなくなるという名演技が生まれました。2016年から有料化されているのでご注意を。

大火や内戦に見まわれたローマの復興を祈願し、娯楽の目玉として建設されたコロッセオ。コロッセオといば、映画『グラディエーター』を想起する方も多いのではないでしょうか。

剣闘士と猛獣との戦いが繰り広げられ、疲弊した市民たちの娯楽になりました。ライトアップされたその堂々たる姿は、ローマを代表する美しき古代建築です。

スペイン階段も『ローマの休日』の撮影に使われています。アン王女がジェラートを食べる姿の追体験をしたいところですが、現在は飲食や休憩で座ることも禁止されているのでご注意ください。

階段正面のコンドッティ通りは高級ブランド店が軒を連ねていますので、ショッピングならここがおすすめ。広場の中央にあるベルニーニ作「バルカッチャの噴水（舟の噴水）」も見どころです。

世界最古の石造建築であり、世界最大級のスケールを誇るパンテオン神殿はギリシア語の「すべての神々」に由来し、万神殿として神々を祀っています。

ドーム屋根に開くオクルス（採光窓）から差し込む光は、神秘的な光景でしょう。内部には切望したといわれるラファエロや国家的英雄，偉人などが埋葬されています。予約不要で見学できます。

首都ローマの中心に位置するテルミニ駅周辺にも、たくさんの観光スポットがあります。充実したテルミニ駅のエキチカで地元グルメに舌鼓をうつもよし、ショッピングを楽しむもよし。

駅からもほど近いローマ歌劇場で本場のオペラ鑑賞やローマ国立博物館で貴重なコレクションを鑑賞するなど、目的にあわせた散策を楽しみましょう。

ローマ滞在中、一度は利用するテルミニ駅。イタリア・ローマのセントラルステーションです。

29のプラットホームがあり、多くの乗客が行き交うヨーロッパ最大級の駅の駅舎は、映画『終着駅』の舞台としても名高く、駅ナカの「メルカート・チェントラーレ・ローマ」には、イタリア地方の美味しいものが集まったフードコート兼レストランなど、多くの見どころが揃っています。

マッシモ宮、ディオクレティアヌス浴場跡、アルテンプス宮、クリプタ・バルビの4館からなるローマ国立博物館。ギリシアやローマで発掘された数々の古代彫刻をはじめ、壁画、考古遺物などを展示しています。

アルテンプス宮の『ルドヴィシの玉座』など、世界的にも貴重で重要なコレクションが見どころでしょう。

オペラ座の愛称で親しまれているローマ歌劇場は、格調高雅な空間で名作オペラやバレエを鑑賞できます。チケットはボックスオフィスで直接購入、公式サイト、日本語のオプショナルツアーサイトなどで予約が可能。

価格は約100ユーロからで、日本公演と比べれば破格の料金で心酔できます。オペラ発祥の地で最上のオペラを楽しみましょう。

イタリア・サンタンジェロ城を中心に、おすすめの散策スポットや見どころをご紹介しました。古代ローマ帝国の面影を脈々と残す街並みは、何度訪れても人々を魅了します。たくさんの名城や神殿、世界遺産と見どころは数え切れませんが、イタリア旅行をする際は、サンタンジェロ城を中心に足を運んでみましょう。