フランス パリの現在の治安は?
現在は沈静化したフランスのデモ
華の都とも呼ばれているフランスのパリですが、そんなイメージとはかけ離れた激しいデモ活動がニュースとなっていたことは、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。昨年に比べて現在は沈静化したこのデモ活動ですが、過激な抗議運動は有名なシャンゼリゼ通りや凱旋門の美しい街並みの中で実際に行われています。以前のように報道にならないだけで、現在もフランス各地でデモ活動は続いているのです。
旅行は大丈夫?デモは週末に!
現在は毎週土曜日にデモ活動が行われています。そのため週末はデモのパレード行進、また屋外集会等によって交通機関の乱れが発生するほか、安全を考慮してイベントを中止せざるを得なくなる等、観光地への影響もあります。ですがデモ活動の多くはパリオペラ座周辺やシャンゼリゼ通り、凱旋門周辺で行われているため、こちらが目当ての観光の場合はデモ活動の行われない平日に予定を組めば大丈夫です。
デモをあらかじめ把握しよう
今や日常化しているデモ活動ですが、フランスでは届け出たうえで許可が下りないと実施することができないため、ネットやGoogleマップであらかじめ実施場所や日時、交通止め区間を把握することができます。この大規模な抗議運動の象徴ともいえる「黄色いベスト」は、各地で抗議運動を起こしている人々が身に纏っています。なるべく実施日には黄色いベストを目印に、デモの活動範囲には近づかず旅行を楽しみましょう。
影響の少ない観光地を巡ろう
パリ中心部から離れたヴェルサイユ宮殿やディズニーランドではデモ活動は行われません。週末はこちらをメインに観光するプランがおすすめです。ほかにも、デモ活動の影響が少ない地域でゆっくりカフェや雑貨巡りのプランを立てるのも一つの手です。週末は営業時間が短くなっている店舗もあるので、あらかじめチェックしておきましょう。
フランス パリ周辺の危険な地域
治安の悪い危険な地域:パリ中心部の観光地エリア
フランスでは、日本にいると考えられないようなスリや詐欺の被害に遭うこともあります。有名な観光スポットはパリ中心部に数多く存在しますが、観光地化されているために急に集団に襲われるといった可能性はありません。とはいえ、このようなエリアでは旅行客狙いのスリや置き引きの被害が非常に多くなっています。被害率が高くなっている治安の悪い地域を見ていきましょう。
治安の悪い地域①:モンマルトルの丘
サクレクール寺院を背にモンマルトルの丘からパリの街並みを見られることで有名な観光地ですが、旅行客を狙ったスリが多い場所となっており、寺院に向かうケーブルカー内も注意が必要です。地元の人はあまり行かず旅行客ばかり訪れる地なので、より狙われやすいようです。
治安の悪い地域②:エッフェル塔
パリの観光地の中でも最も代表的な存在であるエッフェル塔周辺も、たくさんのスリが旅行客を狙っています。路上には強引な物売りもいます。塔内にあるエレベーター内は密着度も高く特に危険なので、人混みでは充分に注意しましょう。
治安の悪い地域③:ルーヴル美術館
美術館内でもスリは横行しています。特にモナ・リザ前は常時混雑しているため、旅行客が絵を鑑賞し写真を撮っている隙を常に狙っており、鞄や財布を盗る被害が多発しています。不審な動きをしている人物に警戒してください。
治安の悪い地域④:クリニャンクール蚤の市
ガイドブックなどにも書かれている魅力ある大規模な蚤の市ですが、こちらも危険エリアです。駅を降りると辺りはスラム街のような雰囲気となり、建物の落書きや路上のゴミ等が目立ちます。アジア人旅行客を狙った置き引きやスリの他、強引に腕を掴まれたり話しかけられるといったこともあるので、一人での観光はおすすめしません。
治安の悪い地域⑤:地下鉄
メトロは観光地にアクセスしやすいため非常に便利ですがそれに比例してスリが多いです。特に1番線は集団でスリをするグループが存在し、電車に乗り慣れていない旅行客は戸口に立つと、扉が開いた瞬間に物を盗られてしまいます。乗車時には辺りを警戒すると良いでしょう。駅によっては日本語アナウンスでスリ注意喚起を促す駅もあるほどです。
治安の悪い危険な地域:パリ周縁部の北東部エリア
主に10・17・18・19区域は移民層も多く、犯罪率が高い危険地帯といえます。狭いパリ市内で土地勘も無い旅行となるとうっかり立ち入ってしまう可能性もあり、とても危険です。また北東部はホテルの宿泊費も安いので、旅費を抑えようと安易にこのエリアでの予約を考えがちですが絶対にやめましょう。パリの周縁部には地元の人々も近寄らないような治安の悪いエリアが存在するのです。
良い旅行にするために気をつけること
功名な犯罪手口を知る
パリ周辺での犯罪手口を知ることで被害を未然に防ぐことも、最小限に抑えることもできます。具体的な手口を見ていきましょう。
①詐欺
「英語を話せますか?」と聞いてくる人物には要注意です。観光地の各地にいるスリ集団で、募金活動をしているという内容で親切心を利用し話しかけてきます。嘆願書にサインをすると金銭を要求してきたり、サインをしているうちにもう一人が財布やパスポートを盗んでいるといった手口の詐欺で、もちろん嘆願書も偽物です。断り切れない日本人は被害に遭いやすいので、強気で断る姿勢を見せましょう。
②物売り
エッフェル塔周辺に多く見られる移民層の物売り集団です。パリのお土産グッズを大量に売り歩いていますが、購入する素振りを見せると高値を突き付けられてしまいます。またミサンガを強引に手首に巻いてきて金銭を要求してくるミサンガ売りも数多くいます。一度応じてしまうと他の物売りも寄って来てしまいます。徹底して応じない素振りを見せれば大丈夫です。
③物乞い
メトロや大通り等で、赤ん坊や犬を抱いて哀れみを乞う物乞いが多くいます。中には積極的に空のコップを持ってこちらに歩み寄り、しつこく金銭を要求してくる場合もあります。詐欺の可能性も極めて高いので、近づかせないように注意を払いましょう。
④置き引き
カフェやレストランでスマホや鞄を椅子やテーブルの上に置くのは危険です。こちらが気を抜いたうちに一瞬で持ち去って行ってしまいます。急に話しかけてきて気を逸らせている間に盗って行くこともあります。また荷物を置いて場所取りやトイレに行くことも、フランスでは絶対にしてはいけません。
⑤暴行
パリ中心部から離れれば離れるほど危険区域となり、傷害事件に巻き込まれる可能性が出てきます。警察のパトロールも少なくなっている周縁部ではその分犯罪レベルも高まり非常に危険です。数人で取り囲み、慣れた手付きでありとあらゆる物を盗んでいきます。
荷物や服装に気をつける
危険な地域に立ち入らないことはもちろんですが、安全性を高めるために自身でもできる防止策です。以下に気をつけて楽しい旅行にしましょう!
これで大丈夫①:高い物を身につけない
日本人はお金持ちと思われているので、高い時計やカメラ、スマホはなるべく外に出さないのが得策です。スリ犯はプロなので、人混みではポケットに入れていてもこちらが気づかない間に盗られてしまいます。大切な物は鞄にしっかり仕舞いましょう。買ったばかりのブランド品の袋なども目立つので注意してください。
これで大丈夫②:鞄は前に抱えて持つ
鞄に大切な物を入れていても鞄ごと盗られてしまっては意味がありません。スリ犯は気づかないうちに後ろから狙ってきます。しっかりとしたボタンやファスナーのついた肩掛けカバンを体の前にして持ち歩けば被害率は一気に抑えられます。リュックやズボンのポケットなどは絶対に使用しないようにしましょう。そして荷物からは目を離さず、常に持ち歩くよう徹底すると良いでしょう。
これで大丈夫③:フランス人を真似してみる
フランス人がしない恰好をしているととても目立ち、一目で旅行客と分かるので狙われやすくなります。日本では日常なので意識しにくいですが、フランス人はマスクをしない・傘を差さない・ピンヒールを履かない、といったことが挙げられます。雨が降ってきたらフードや帽子を被り、足元はスニーカーやヒールの低い靴を選ぶと良いでしょう。街中を見渡している視線を隠すためにサングラスをかけるのもおすすめです。
これで大丈夫④:夜道を一人で歩かない
昼間は安全な場所でも夜はガラッと歩く人も街の雰囲気も変わります。通りが一つ違うだけで、途端に危険地帯になることもあります。また日本と比べると店舗の閉店時間も早いので、夜になると街が一気に暗くなります。一人歩きは大変危険ですのでやめましょう。
これで大丈夫⑤:現金を持ち歩かない
もしものことを考えて持ち歩く現金は最小限に抑えます。ほとんどの店舗でクレジットカードが使用できるので現金は少量で大丈夫です。現金を小分けにして、鞄の中と洋服の内ポケット等に分割して持ち歩くのも良いでしょう。もしも現金が足りなくなってATMで引き落とす際には、狙われやすい路上のATMではなく銀行内のATMを利用しましょう。
その他に気をつけること
①ホテルは多少高くても安全なエリアを選ぶ
旅費を少しでも抑えようと安いホテルを調べると危険区域のホテルが候補に出てきますが、多少高くても安全なエリアでの宿泊をおすすめします。セーヌ川を挟んだ左岸側の西部エリアは、オフィスや住宅が立ち並び官庁街ともなっており、観光地へのアクセスもしやすく治安も良いためにおすすめです。
②観光先の下調べをする
ガイドブックを広げながら歩くことはとても危険です。あらかじめ行先を決めて交通手段を把握するようにしましょう。また前述のように、デモが行われる土曜日にデモ開催地へ観光をするのは避けた方が良いでしょう。
もしもフランスで被害に遭ったら?
被害に遭ったら警察署へ
被害に遭った場合にはまずは管轄内の警察署へ行きましょう。盗難の場合は日本と違い盗まれた物はほぼ返ってきませんが、海外旅行保険の対象となるためには現地での被害届が必要になります。可能性は少ないですが盗まれた物が返ってきた場合、この被害届がなければ自分の元に戻ることもありませんので、そのためにも必要な書類となります。
日本国大使館HPをチェックしよう
まとめ・パリ観光を楽しむために!
パリの治安情報や危険な地域、犯罪手口についてご紹介しました。危険が潜むパリですが、パリには美しい街並みや世界遺産が数多く存在します。せっかくなら楽しい思い出をたくさん作りたいですよね!良い旅にするためにも、フランス旅行を計画中の方はぜひ参考にしてみてください。