目次 [表示]
- ドゥカーレ宮殿とは?
- ドゥカーレ宮殿:見どころ
- 見どころ1:威厳を感じる「外観」
- 見どころ2:輝く「黄金の階段」
- 見どころ3:祈るグリマーニ総督と「4つの扉の間」
- 見どころ4:総督が謁見する場所だった「謁見の間」
- 見どころ5:総督以上の権力?「十人委員会の間」
- 見どころ6:ライオンの口と「羅針盤の間」
- 見どころ7:天国と「大評議会の間」
- 見どころ8:囚人たちが通った「ため息橋」
- ドゥカーレ宮殿:シークレットツアー見どころ
- 見どころ9:井戸と呼ばれる「小牢獄」
- 見どころ10:質素すぎる「書記官のオフィス」
- 見どころ11:機密文書を保管する「密文書書記大臣の部屋」
- 見どころ12:朽ちた台がいかにもな「拷問室」
- 見どころ13:脱獄名人・カサノヴァも投獄された「鉛牢獄」
- 見どころ14:秘密を誓った3人「尋問官の部屋」
- 見どころ15:有名画家の美しい絵画「三司法官の部屋」
- ドゥカーレ宮殿:営業時間・見学料金・チケットの種類について
- 営業時間
- チケットの種類と料金は?
- ドゥカーレ宮殿:予約方法について
- 1:現地購入
- 2:ドゥカーレ宮殿サイトからの予約
- 3:日本語サイトでの予約
- ドゥカーレ宮殿はベネチアの歴史を語る貴重な観光施設
ドゥカーレ宮殿とは?
イタリア・ベネチア旅行で人気の観光名所といえば「ドゥカーレ宮殿」。「総督」と名付けられたこの宮殿は、威厳と気品に溢れた歴史ある観光スポットです。ここには、訪れる旅行客が驚くたくさんの見どころがあります。また、その見どころを余すことなく観て回ることができる見学つあも人気です。今回は、イタリア旅行で人気の観光スポット「ドゥカーレ宮殿」の見どころと、見学ツアーの料金や予約方法についてご紹介しましょう。
ドゥカーレ宮殿:見どころ
このドゥカーレ宮殿の歴史は、ベネチアの歴史でもあると言えるでしょう。8世紀に城壁として建てられたこの建造物は、歴史と共にその形と役割を変え、現在は多くの旅行客を魅了する観光スポットとなっています。長年、ベネチアの政権の中心だったこの宮殿は「ドゥカーレ(総督)」と名付けられていて、その威厳と気品を感じさせる多くの見どころを持っています。この項目では、そんなドゥカーレ宮殿の見どころを、たっぷりとご紹介していきましょう。
見どころ1:威厳を感じる「外観」
ドゥカーレ宮殿があるのは、ベネチアの玄関口・サンマルコ広場。2色の大理石で模様が描かれた壁は個性的で、アーチ型の柱がイスラム建築の影響を感じさせます。運河に面して建てられたドゥカーレ宮殿は、「水の都」と呼ばれるベネチアの象徴としてふさわしい佇まい。元々、城壁としての役割が大きかったドゥカーレ宮殿は、その外観に力強さと威厳を感じることでしょう。ベネチアの歴史と共にその役割を変え、少しずつ改修が加えられて、ドゥカーレ宮殿はその姿を変えてきました。しかし、現在もその名残を感じることができます。
見どころ2:輝く「黄金の階段」
ドゥカーレ宮殿で、1番最初に見ていただきたいのはこの「黄金の階段」。惜しげもなく金箔が使われ、その名の通り黄金に輝いている装飾はとても豪華で、ドゥカーレ宮殿観光の1番最初の見所です。この黄金の階段は当時、議員や貴族などの特別な人間だけが通ることができる場所でした。一般公開されている今では、見学に来た誰もがそこを通ることができます。しかし、ベネチア共和国時代のドゥカーレ宮殿の様子に想いを馳せると、なんだかとても感慨深いものです。
見どころ3:祈るグリマーニ総督と「4つの扉の間」
4階にある「4つの扉の間」。そこにある名画「祈りを捧げるグリマーニ総督」が2番目の見どころです。描かれている「十字架を抱える女性」、これはベネチアを意味するもの。そして、ひざまずいて祈りを捧げている男性が総督。つまりこの絵は、総督がベネチアに忠誠を誓っている様子が描かれているものなのです。この絵を描いたテッツァーノは、ベネチア派として知られる有名画家。テッツァーノは、300点以上もの作品を制作しました。テッツァーノの作品は、ヨーロッパ諸国の有権者の間で大変人気があり、現在はヨーロッパの多くの美術館や教会などで彼の作品を見ることができます。
見どころ4:総督が謁見する場所だった「謁見の間」
ここには名画「レパントの海戦の勝利を感謝するヴェニエル総督」の絵があります。これはセバスティアーノ・ヴェニエル総督が、当時最強と言われていたオスマン・トルコとの戦いに勝利した当時の様子が描かれています。「謁見」とは「貴人や目上の人にお目にかかること」。黄金の階段を通って来賓した貴族や外国からの客人などと、ここで会ったのでしょうか。きっとここに訪れた要人たちに、この絵を自慢したことでしょう。この絵を描いたヴェロネーゼも、ベネチアを代表する画家。この絵はヴェロネーゼが、ベネチアの巨匠という名声を獲得した要因の1つとなっています。
見どころ5:総督以上の権力?「十人委員会の間」
天井までびっしりと、美しい絵画によって埋め尽くされたこの部屋は「十人委員会の間」。ベネチア共和国時代の政権には、「元老院」という貴族から選ばれた議員がいたのですが、その人数は数百人にものぼります。緊急時には、その中から選出された「十人委員会」が集められました。その十人委員会が会議を開いたのがこの部屋です。14世紀初頭に作られたこの十人委員会は、のちに総督以上の力を持つようになり、やがて、総督を辞職に追い込むほどの権力を有するようになります。そんな権力者たちが集まり、この部屋で歴史的な決議を成したのでしょう。
見どころ6:ライオンの口と「羅針盤の間」
大きな木製の羅針盤が特徴的な、その名も「羅針盤の間」。この羅針盤は、隣の「十人委員会の3人と長官と調査官の部屋」を隠すようにして配置されているものです。この部屋にはもうひとつ、特徴的な装飾を施されたものがあります。それがドゥカーレ宮殿の装飾品の中でも有名な「ライオンの口」。これは、市民からの密告などの投書を受け付けるためのもので、密告者の秘密がしっかり守られそうな堅い表情が印象的ですよね。隣の部屋には武器庫があるなど、軍事国家・ベネチア共和国を思わせる展示物も見ることができます。
見どころ7:天国と「大評議会の間」
ドゥカーレ宮殿の数多くの部屋の中でも、最も広い部屋がこの「大評議会の間」でしょう。1000人にも及ぶ評議員たちが集まった部屋だけあり、幅54メートル・奥行き25メートルと、小さい体育館のような広さです。ここにはベネチア派の作品がいくつも飾られているのですが、その中でも最も有名な作品がティントレットという画家の作品で、その名も「天国」。この絵は「世界で最も大きな油絵」として有名な絵画で、ベネチアに旅行に訪れたのなら、絶対に見てほしい名作品のうちのひとつです。
見どころ8:囚人たちが通った「ため息橋」
見学ツアーの最後には、実際に囚人たちが通った牢獄までの橋を見学できます。この「ため息橋」は、ドゥカーレ宮殿で有罪にされた囚人たちが、牢獄へと移動する道でした。囚人たちの見た「最後のベネチアの姿」が、この橋からの景色。美しいベネチアの街並みとの別れに、囚人たちがため息をついたと言われていることから、この橋は「ため息橋」という名前が付けられました。牢獄としての機能も果たしていたドゥカーレ宮殿の観光には、このスポット無くしては語れません。
ドゥカーレ宮殿:シークレットツアー見どころ
「光あるところには、必ず影あり」、華やかなドゥカーレ宮殿の裏の顔を見られる「シークレットツアー」が存在することを知っていますか?こちらのツアーは、秘密の扉の鍵を開けるところから始まります。まず牢獄の見学、そして後半には「密文書書大臣の部屋」や「拷問室」、「鉛牢獄」などドゥカーレ宮殿の仄暗いスポットを巡ります。劣悪な環境で収容されていた囚人たちの様子や、ドゥカーレ宮殿の裏の顔を知ることができる、大変人気のツアーです。それでは見どころをご紹介しましょう。
見どころ9:井戸と呼ばれる「小牢獄」
秘密の扉を潜って、まず初めに目に入るのが通称「井戸」と呼ばれた小牢獄。ここはドゥカーレ宮殿で裁判を受け、有罪となった人々が収監された牢獄です。頑丈で分厚そうな扉は雰囲気があります。牢屋はどれも狭くて、中には窓すらないものもあり、いかに劣悪な環境下だったかが伺えます。ドゥカーレ宮殿では当時、囚人が増えすぎたために収監する牢獄が足りなくなる事態に陥りました。そのため、灼熱の太陽が照りつける屋根裏や、たびたび浸水する運河の水面に近い地下の牢獄にも囚人を収監したようです。ベネチア旅行では、華やかな表の顔だけではなく、こう言った仄暗い過去の歴史についても知っておく必要があるでしょう。
見どころ10:質素すぎる「書記官のオフィス」
シークレットルートにある書記官のオフィスなどの執務室は、世紀ルートにあるきらびやかな装飾は、ほとんどありませんでした。書記官は、ベネチア国家において強大な権限を持っていた総督を陰で支える重要な役割。総督とともに、機密文書に触れることの多かった書記官も、その厳しい監視の対象でした。あえて質素な部屋なのも、監視をするためだったかもしれませんね。
見どころ11:機密文書を保管する「密文書書記大臣の部屋」
この部屋は「密文書書記大臣の部屋」。この部屋もきらびやかさは感じませんが、ずらりと並べられた書庫は立派です。ここには、公的文書や機密文書などの大事な蜜文書が保管されていたようで、部屋の装飾には重厚感を感じることでしょう。この部屋にはさらに、歴代の司法官の紋章・名前などが記されて展示されていて、紋章には彼らの出身地や家業などを表す絵が描かれています。司法官の人柄や生い立ちを知れるようで、それをじっくり見るのも面白いですよ。
見どころ12:朽ちた台がいかにもな「拷問室」
シークレットツアーで一番ゾッとするスポットである「拷問部屋」。ここでは、中央のロープを使った拷問を主に行なっていたようです。上からロープが吊るされていて、背中の後ろで腕を縛り上げられ、拷問されていたようです。この部屋の雰囲気は、日本の絞首台を思わせるものがあり、朽ちた感じの台がより恐ろしさを煽ります。ここで実際に人が拷問されていたかと思うと、足早に過ぎ去りたいと感じる方も多いことでしょう。
見どころ13:脱獄名人・カサノヴァも投獄された「鉛牢獄」
おぞましい拷問部屋の見学を終えると、いよいよ「鉛牢獄」の見学です。ここは頑丈な鉛の牢獄。内部は薄暗く、陰鬱とした雰囲気を感じます。多くの囚人がここで、劣悪な環境で暮らしていたのでしょう。有名な脱獄犯「カサノヴァ」が収容されいていたことでも有名なスポット。脱獄の常習犯・カサノヴァと、巨大なドゥカーレの牢獄、どっちが勝つのでしょうか?答えはカサノヴァでした。彼は何度も脱獄を試み、そのたびに違う牢獄に移されましたが、ついにこの鉛牢獄で脱獄を成功させたのでした。彼はその時の様子をのちに自伝として出版するなど、なかなか面白い人物なので、旅行の前にチェックしてみてくださいね。
見どころ14:秘密を誓った3人「尋問官の部屋」
部屋の正面には、3人分の席が連なった、特徴的な椅子があります。この部屋は「尋問官の部屋」。秘密厳守を誓った、選ばれし3人の行政官のための執務室で、装飾はややあります。大評議会の間にある「天国」を制作したティントレットの描いた絵画が、天井を埋め尽くすほど展示され、シークレットルートの中では数少ない美しいスポットです。
見どころ15:有名画家の美しい絵画「三司法官の部屋」
シークレットツアー最後の部屋は「三司法官の部屋」といいます。三司法官は、十人委員会から毎月選出される3人の司法官です。先ほどの「密文書書記大臣の部屋」に名を連ねた人たちなのでしょう。この部屋の天井にも、ベネチア派の有名作家の作品が天井を埋め尽くしています。謁見の間の「レパントの海戦」を描いたヴェロネーゼや、ゼロッティなどの有名作家の作品は、牢獄などの暗い雰囲気を一気に吹き飛ばせそうな豪華さです。そこから、秘密の通路を通って、十人委員会の間から正規ルートの方へ。当時の人たちと同じようにして、最後は秘密の扉を潜ります。
ドゥカーレ宮殿:営業時間・見学料金・チケットの種類について
ドゥカーレ宮殿の見学には、それぞれ観光できる施設や料金の異なる4つのチケットのうちいずれかを購入しなくてはなりません。この項目では、そのチケットの購入方法や、チケットの種類や料金、予約方法について解説していきます。
営業時間
営業時間はシーズンによって異なります。4月〜10月は8時30分〜19時、オフシーズンの11月〜3月は8時30分〜17時までの営業となっています。なお、最終入館時間は営業終了の1時間前まで。休館日は1月1日と12月25日の2日だけですから、旅行の予定は立てやすいですね!
チケットの種類と料金は?
チケットの種類は4種類です。ドゥカーレ宮殿だけの自由見学チケットはありません。そのため、他の美術館や博物館とのセットか、ガイドツアーに参加するものになります。チケットはそれぞれ入場できる施設や料金、有効期限などが異なりますので、それぞれの目的に合わせて購入してください。それではチケットの内容についてご紹介します。
チケット1:サンマルコ広場共通チケット
こちらはドゥカーレ宮殿の他に、コッレール博物館・国立考古学博物館・国立マルチャーナ図書館の3つのスポットに、1度ずつ入場することができるチケット。事前の予約購入ではこちらが一番一般的なチケットです。料金は大人20,00ユーロ、6〜14歳と65歳以上は13,00ユーロで、有効期限は3ヶ月間。オーディオガイドは現地のチケットオフィスで、1名5,00ユーロでレンタルできます。
チケット2:ミュージアムパス
前述のサンマルコ共通チケットで入場できる4スポットと、加えて自然史博物館などの7スポットの入場ができる共通チケット。ベネチアの施設を満喫できるデラックスなセットチケットです。料金は大人24,00ユーロ、6歳〜14歳と65歳以上は18,00ユーロで、有効期限は6ヶ月間。料金は他より少々上がりますが、有効期限も長くお得なチケットなので、6ヶ月以内に再訪問の予定がある方にはおすすめです。
チケット3:ドゥカーレ宮殿・シークレットツアー
通常チケットでは入場できない、ドゥカーレ宮殿の裏スポットを見学できるシークレットツアーのチケット。ツアー終了後は通常の公開エリアを自由に見学することもできますよ。ドゥカーレ宮殿の知識を極めたい方に、おすすめのチケットです。料金は大人20,00ユーロ、6歳〜14歳と66歳以上は14,00ユーロ。なお、こちらは狭い通路や階段を上り下りするコースのため、5歳以下の子供・妊婦の方・車いすの方は見学には参加できませんのでご注意ください。
チケット4:ドゥカーレ宮殿・特別入場チケット
こちらはドゥカーレ宮殿・時計塔・博物館などが閉館した時間以降に特別入場できる団体向けチケット。最低購入枚数は20枚から。一般の旅行で来たのなら、あまり関係のないチケットかもしれませんね。最低でも、観光予定日の5日以上前に空き状況の確認が必要で、現地での突然の予約はできませんのであしからず。
ドゥカーレ宮殿:予約方法について
チケットは、現地で購入する方法・ドゥカーレ宮殿の公式サイトで事前予約する方法・日本語サイトから予約する方法の3種類の入手方法があります。その入手方法についてご紹介しましょう。
1:現地購入
一番簡単なものは「現地購入」の方法でしょう。購入方法は、ドゥカーレ宮殿内にあるチケットセンターに並ぶだけ。しかし、シークレットツアーなどは事前の予約が必要です。そのため、チケットの現地での購入の際には参加できません。そして現地購入の場合、ついて早々長蛇の列に並ばなくてはいけないため、見学ができるまで時間がかかるのも難点です。
2:ドゥカーレ宮殿サイトからの予約
事前の予約はウェブサイトからできます。一般的なのが、ドゥカーレ宮殿の公式サイトからの購入。クレジットカードがあれば簡単に購入でき、当日は、送られてきたチケットをプリントアウトして持ち込むだけで、特別な手数料も取られません。しかし、ここで注意しておきたいのが、この公式サイトは英語サイトだということ。難しい英語の説明などはほとんどありませんが、英語が苦手な方には少々不安かもしれません。
3:日本語サイトでの予約
英語サイトのため英語が苦手な方には、日本語サイトからの予約がおすすめ。「Get your gide」というサイトは、海外の旅行会社と提携し、日本人向けに観光チケットの販売を行っています。このサイトを経由した予約の場合は、多少の料金がかかりますが、日本語での予約ができ安心ですね。予約完了後は、チケットをプリントアウトして持参します。さまざまな場所の旅行の際に使えるサイトなので、覚えておくといいですよ。
ドゥカーレ宮殿はベネチアの歴史を語る貴重な観光施設
ドゥカーレ宮殿は、ベネチアが生まれてから現代まで、その歴史と共に存在してきました。そして現在は、その歴史を後の世に伝える重要な役割を担った建造物です。存在する2つのルートは、どちらも見どころ満載。イタリア・ベネチアを旅行するなら、このドゥカーレ宮殿は絶対に外せない観光名所と言えます。このドゥカーレ宮殿の表と、そして裏を知ることで、あなたはこの水の都・ベネチアの本当の姿を知ることになるでしょう。