イギリス観光情報:イギリスってどんな国?
日本からはるか9000キロメートル超離れているイギリス。一言で「イギリス」と呼んでいますが、地理的、歴史的な観点からイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つから構成される連合王国です。日本の5分の3ほどの面積に多種多様な人種が混在しています。文化面ではシェークスピアやビートルズなど世界的な文化人の出身国です。スポーツではサッカー、ラグビー、ゴルフなどがイギリスで誕生しています。
イギリス観光情報:北と南の人気都市を訪ねる
イギリス観光で、まず思い付くのは名所が多くある首都ロンドンではないでしょうか。初めてイギリスを訪れる方はほとんどロンドンに行っているかと思います。南の人気都市がロンドンならば、北はエディンバラ。こちらも北部で大変人気な観光地です。それでは、まず初めに人気の観光都市から紹介します。
ロンドン
ロンドンの特徴
イギリスの首都でありながらヨーロッパを代表する観光都市でもあるロンドン。長い歴史を物語るような古い町並みがある一方で、近未来的な建物もあり見どころや名所が数多くあります。新旧が共存しているのが魅力のひとつです。 町中に地下鉄が行き渡っているので移動に困ることがありません。地下鉄も便利ですが、ロンドン名物の2階建てバスにもぜひ乗ってみてください。上からの眺めは、地上とは全く違うのでわくわくします。
ロンドンのおすすめ① バッキンガム宮殿
ロンドンの有名観光スポットで外せないバッキンガム宮殿は、一部が公開されています。建築家ジョン・ナッシュが手掛けた華麗な内装や贅を極めた天井の装飾などを見られます。一番の見どころはやはり衛兵交代でしょうか。宮殿で警備を終えた衛兵とウエリントン・バラックスの衛兵が交代する模様が見られます。楽器の演奏やびしっと背筋も手も伸ばして行進する様子は必見です。
ロンドンのおすすめ② 大英博物館
大英博物館の収蔵品の質と数は世界最高、最大級です。館内は地域ごとに5つのエリアで分けられています。あまりにも広く、見どころが多いので大英博物館だけで1日、人によっては2、3日かかるでしょう。もちろんメインの美術品だけ見るのなら話は違いますが。特に人気なのはエジプトエリアとギリシア・ローマエリアです。エジプトエリアでは、古代エジプトのファラオの石像やヒエログリフの解読の鍵となったロゼッタストーンなどがあります。
エディンバラ
エディンバラの特徴
イギリスの北部で最も人気な観光地エディンバラは、かつてのスコットランドの首都でした。この町には中世の風情がありながら、都会の洗練された感覚があります。独特の文化が根付いていて、例えばタータンチェックの民族衣装でパグパイプをふくのもスコットランドの文化です。男性でもスカートをはくのには少し驚きますね。 エディンバラはオールドタウンとニュータウンに分かれています。見どころはオールドタウンに集中しています。あとで紹介するエディンバラ城はオールドタウンにありますよ。
エディンバラのおすすめ① エディンバラ城
エディンバラ、そしてスコットランドの象徴的存在のエディンバラ城は北の都市で一番の有名スポットです。城砦は6世紀にできたもので、今も残っていることに驚きを隠せません。現存する最も古い建物は12世紀に建てられたセント・マーガレット礼拝堂です。ざっと900年前の建物ということになりますね。クラウン・ルームには現存するイギリス最古の即位の宝器の王冠、剣なども。ほかには18ポンド砲が並ぶグレート・ムーン砲台や儀式や集会の場だったグレート・ホールなどの見どころもあります。
エディンバラのおすすめ② スコッチウイスキー・エクスペリエンス
スコッチウイスキーの博物館、スコッチウイスキー・エクスペリエンス。乗り物に乗って本場スコッチウイスキーの歴史を学びます。音や匂いまで漂ってくるので、ちょっとしたアトラクションです。お酒が飲めない人でも楽しめるかも? 見学ツアーの最後には無料の試飲があるのが嬉しいポイント。いつもよりウイスキーがおいしく感じますよ。ギフトショップも併設していて、270種類以上ずらっと並んでいる光景は圧巻。お土産にもいいですね。館内にはレストランもあり、本場スコットランド料理とウイスキーを味わうことができるのも魅力です。
イギリス観光情報:史跡を訪ねる
イギリスの歴史は古く、紀元前5000年頃に大陸から移住してきたケルト人がグレート・ブリテン島に住み着いたところから始まります。イギリスは、さまざまな民族によって支配され、文化や様式を築いてきました。そのためイギリス各地には史跡や文化を色濃く残す観光地が数多くあります。この国では日本のものとは全く違う史跡が見られるのも魅力のひとつと言えるでしょう。
バース
バースの特徴
お風呂(bath)の語源になった名所がイギリスにあるのをご存じでしたか?バースという町。それならイギリスは温泉地なの?と思うかも知れませんが、熱いお湯がわき出るのはイギリスではバースだけです。古くから温泉によって栄えた町で「ジェームズ2世の王妃メアリが不妊症を治した」という逸話が残っています。他にはショッピングも充実して、アンティークショップの数はロンドンに次いで2番目に多い町です。
バースのおすすめ① ローマン・バス博物館
バースの一番の見どころローマン・バス博物館は、2000年前にローマ人とケルト人が建設した温泉施設。施設に入るとインパクト大の長さ約25メートル、幅約12メートルもの大浴槽が!今でも1日に110万6400リットルものお湯がわき出ているのには驚きますね。残念ながら入浴できないのですが、お湯に触れるのは自由です。入りたくなるほど、ちょうどいい温度。ローマ人が建設に携わっていたので、ローマ神殿に奉られていた女神ミネルヴァ像やモザイクなども展示されています。温泉以外にも見どころが多い施設ですよ。
バースのおすすめ②ロイヤル・クレッセント
見ただけでは一体何の建物か分からないロイヤル・クレッセント。7年の歳月をかけて建てられた連続住宅は見事なアーチを描いていると思いませんか?建物の一番東は博物館になっていて、当時の豪華な調度品を見ることができる名所です。優雅な貴族の暮らしを想像してみるもいいですね。15と16番地はホテルになっています。伝統的なイギリスの家具があり、歴史を感じるホテルに泊まる体験は旅ならでは。整備された緑の庭園は癒しスポットとなっています。
ソールズベリー
ソールズベリーの特徴
ソールズベリーの地名はあまり聞きなれないかもしれませんが、かの有名なストーンヘンジが郊外にある町。ストーンヘンジを訪れる玄関口になっているスポットです。賑やかなショッピングエリアがある一方で大聖堂を中心としたクローズとよばれる静かなエリアがありますよ。
ソールズベリーのおすすめ① ストーンヘンジ
史跡好きでなくても「ストーンヘンジ」は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。ソールズベリーの一番の有名スポットで世界遺産にもなっている巨石群です。なんと高さ7メートル、重さ45トンになるものも!これらが「紀元前3000年頃に造られた」と言われています。大地ににょきっと立つ巨石たち。自然のものではなく、どう見ても人間の手を加えたように思えます。しかし、紀元前の時代に45トンもの石をどのように動かしたのでしょうか。未だにどのように造られたか謎に包まれたままです。
ソールズベリーのおすすめ② ソールズベリー大聖堂
ソールズベリー大聖堂はイングランド初期のゴシック様式の建物です。尖塔の高さは、なんと123メートル。イギリスでもっとも高いものです。この大聖堂の魅力のひとつはイギリス史上において大変大切なマグナ・カルタが置かれていること。イギリスの憲章で今の法律の土台となっているものです。マグナ・カルタはたった4つしか現存しておらず、そのひとつがソールズベリー大聖堂に保管されています。大聖堂の尖塔には登れるのですが、所要時間は約90分・332段の階段は正直きつい…。でも頑張って登った先で美しい町並みや田舎ののどかな風景を拝めますよ。
イギリス観光情報:ゆかりの地を訪ねる
世界的有名な歌手、映画スター、教科書に出てくる歴史上人物、さまざまなジャンルの人々が、イギリスから輩出されています。自分にとっては遠い存在かもしれませんが、有名人のゆかりの観光地を訪れればグッと距離が縮まるのでは?他にも何度も観た映画のロケ地などはイギリスの至るところに。テレビの中の存在だった有名スポットに行って、映画の世界観に浸ってみることもできますよ。
リヴァプール
リヴァプールの特徴
イングランド北部に位置し、海に面しているリヴァプールはかつて交易で大変栄えた町です。19世紀の大英帝国においてロンドンに次いで第二の都市になるほど発展。しかし第二次世界大戦で大きな被害を受け、衰退しました。現在は、当時の海港都市の姿を残し、観光都市として再び注目されています。
リヴァプールのおすすめ① ビートルズ・ストーリー
世界的に大ヒットし、今なお愛され続けているビートルズの出身地であるリヴァプール。ビートルズ関連の施設がある名所として知られています。ビートルズ・ストーリーではビートルズの誕生から、成長、そしてヒットまでの歴史を紹介。彼らの音楽と共に歴史をたどるのでビートルズに詳しくなくても楽しめます。ビートルズが実際に使用していたコレクションは必見。彼らの世界にどっぷりと浸かれる魅力溢れるスポットです。
リヴァプールのおすすめ② アンフィールド
サッカーでも有名なリヴァプールには、リヴァプールFCのホームスタジオ、アンフィールドがあります。テレビで観たことのあるチームを本場で、生で、観戦するのは一生の思い出になること間違いなし。試合観戦もいいですが、スタジアムツアーもおすすめです。サッカー観戦だけでは見られない場所、たとえばロッカールームなどに行けちゃうのでドキドキしちゃいますね。また誰もいないスタジアムにも入れます。
オックスフォード
オックスフォードの特徴
イギリス最古の学園都市、オックスフォードには45ものカレッジがあります。人口の2割ほどが学生で町には中世の伝統残るカレッジがあちらにもこちらにも。イギリス最古の博物館、アシュモレアン博物館や最古の植物園、オックスフォード大学植物園など名所がいくつもある観光地でもあります。
オックスフォードのおすすめ① グレートホール
映画『ハリー・ポッター』のロケ地はイギリス各地にありますが、有名なのがオックスフォードのクライストチャーチ・カレッジ内にあるグレートホール。まっすぐに奥まで続く食卓は映画で観た光景そのもの。現実世界でも実際に食堂として使われています。他にもグレートホール前にある階段も、17世紀初頭に建てられたボドリアン図書館もハリー・ポッターのロケ地。イギリスで2番目の規模を誇る現役の図書館です。どこのロケ地も魅力的でハリー・ポッターの世界観を裏切りません。
オックスフォードのおすすめ② アリス・ショップ
ディズニー映画にもなった『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルの出身はオックスフォードです。彼はクライスト・チャーチで教師だった過去もあります。物語の主人公アリスは、実在の人物アリスをモデルに誕生しました。現実世界のアリスがよく通っていた雑貨屋がアリス・ショップとして今も残っているなんて夢のよう。今では数多くのアリスグッズを取り揃えていて、アリスファンの聖地となっています。
ストラドフォード・アポン・エイボン
ストラドフォード・アポン・エイボンの特徴
世界的に有名なシェークスピアが生まれ育ち、晩年にも過ごした場所、ストラドフォード・アポン・エイボン。のどかな田舎の町で木枠が美しい建物が並んでいます。町並みの他、白鳥やガンがいるエイボン川沿いの散策もおすすめ。のどかな風景とシェークスピアの名所を巡るのがここでの楽しみ方です。
ストラドフォード・アポン・エイボンのおすすめ① シェークスピアの生家
『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』など数々の名作を生み出したシェークスピアが生きていた時代は1564~1616年です。随分と昔ですが、彼の生家が未だに残っているのに驚きます。シェークスピアの生家があるだけでもすばらしいのに、中の見学も可能です。内部はシェークスピアが実際に使ったものではありませんが、16世紀を再現した家具や調度品が置かれています。
ストラドフォード・アポン・エイボンのおすすめ② アン・ハサウェイの家
アン・ハサウェイの家もシェークスピアゆかりの観光スポット。彼とアン・ハサウェイが結婚前に住んでいた茅葺き屋根の美しい家です。屋根裏部屋の寝室や暖炉とオーブンがある台所などは建てられた当時のままで残っているなんて!すごいですよね。まさに「シェークスピアの時代にタイムトリップした」という表現がぴったりではないでしょうか。シェイクスピア樹木園には彼の劇に登場するほとんど全ての木が植えられています。
湖水地方
湖水地方の特徴
イングランドの北部に位置する湖水地方は、「イングランドで最も美しい」と言われ、その名の通り、大小の湖があります。イギリス最大の国立公園で緑が広がる自然豊かな湖水地方は、文学の故郷としても有名スポット。詩人ワーズワースやピーターラビットで有名なビアトリクス・ポターのゆかりの地でもあることをご存じでしょうか。特にポターファンにとって人気な観光地となっています。
湖水地方のおすすめ① ヒル・トップ
ヒル・トップの建物には、彼女が生活していた当時の調度品や遺品が並べられています。至るところにピーターラビットの絵があってかわいくてたまりません。広大な土地を買えるほどの収入があったにも関わらず建物は驚くほど質素です。しかし、その質素さが彼女にとっては良かったのでしょうね。ヒル・トップに行くとその想いを強く感じられます。ここでの魅力は建物でも庭でも物語に描かれているワンカットを見られること。絵本のシーンを探して登場人物になった気分で眺めてみるのもいいかもしれませんね。
湖水地方のおすすめ② ビアトリクス・ポターの世界館
ボウネス湖畔から徒歩約5分にあるビアトリクス・ポターの世界館。ここではピータ・ラビットだけでなく、彼女が書いた作品のキャラクターに出会えます。絵本で見たおなじみのワンシーンやポターの生涯を知られるので、ヒル・トップに行く前にぜひ立ち寄りたいスポットです。しっかり予習してからヒル・トップを訪れると楽しさが倍増しますよ。日本語オーディオガイドもあるので英語が苦手な方でも大丈夫です。
イギリス観光情報:かわいい町並みを訪ねる
イギリスには近代的な建物や歴史を感じる重厚な町並み、自然たっぷりの景色、そしてかわいらしい町並みがあります。いろんな側面を持つのがイギリスの特徴ですね。ここでは思わず「かわいい!」と声に出るかわいさあふれる、魅力たっぷりの観光地を紹介します。
ヨーク
ヨークの特徴
1世紀にローマ人によって築かれたヨークはイギリスのほぼ中央に位置する都市です。現在もヨークの旧市街地は中世の城壁に囲まれています。町全体に歴史を感じる建物や風景が残っています。まるで映画のセットの中にいるのか、中世までタイムスリップしたのか、そんな気分にさせてくれる名所です。
ヨークのおすすめ① ヨーク・ミンスター
250年もの歳月をかけて建設されたヨーク・ミンスターはヨークのシンボル的存在です。イギリス最大のゴシック建築の教会で世界一の大きさを誇る中世のステンドグラスは必見。他にも繊細な彫刻や古い翼廊があるチャプター・ハウスなど見どころポイントがいくつもあります。教会のタワーに登ることもできますよ。高さ71メートル、275段の階段をひたすら上ります。らせん階段なので目が回ります。上りきった場所からはヨークの美しい町並みを一望できますよ。
ヨークのおすすめ② シャンブルズ
ヨークの楽しみ方のひとつはかわいい町並み散策。なかでもシャンブルズと呼ばれる場所は、中世の木骨造りの家が両側に並んでいる写真映えスポットです。ここで建物を見てほしいのですが、ちょっと建物が斜めになっていること。意図的に作られていて、かつて軒先に肉をぶら下げていたため、上の階になるほど突き出した構造になっています。シャンブルズには雑貨屋や美術品を扱うお店が多いので、中世の町並みにキュンキュンしながら買い物をするのも楽しいですね。
コッツウォルズ
コッツウォルズの特徴
コッツウォルズは5つの州で構成され、その中に100以上の村があります。何百年も変わらない風景を残す名所もあるので、よくロケ地になっているので知らず知らず映画で観たことがあるかもしれませんね。ここの見どころはイングランドの美しい田園風景があり、はちみつ色の建物が並んでいる風景でしょう。まるで絵本の世界のようで、町並みを見ているだけで、かわいいと思うこと間違いなしの人気観光地です。
コッツウォルズのおすすめ① バイブリー
「イギリスで最も美しい村」と称されているバイブリーは、コッツウォルズの中でも見どころが多く、人気が高い観光地のひとつです。村には川が流れ、何百年も変わらない姿の家々が並んでいます。人気なのが14世紀に建てられたコテージが連なっているアーリントン・ロウです。かわいい建物が長さ約50メートルの道に並んでいる風景は、どこを撮っても魅力的で写真映えします。
コッツウォルズのおすすめ② カッスル・クーム
15世紀からほとんど変わらない姿のカッスル・クーム。中世の田舎の風景がそのまま残っていて、イギリスでもここまで昔の形を留めた観光地は珍しいそう。村全体は非常に小さくメインストリートは約500メートルです。ここでもかわいいはちみつ色の家々が並び、川が流れています。のどかな景色に癒されること間違いなし。町並み以外では、3本の道が交わる村の中心地にあるマーケット・クロスやセント・アンドリュー教会が主な見どころです。いずれも建設当時から姿を変えず現在に至ります。
イギリスの人気名所観光地・都市ごとの特徴・魅力(まとめ)
いかがでしたか。イギリスは場所によって文化や歴史が違うため、いろんな特徴があるのがお分かりいただけたでしょうか。定番ロンドン以外にも見どころや名所はたくさんありますね。自分はどんなものを観たいか、どんな町に行きたいか迷うかと思いますが、少しでも旅の参考になればと思います。きっと一度では行ききれないと思いますが、もう一度あの景色が観たいと思うでしょう。また行きたい!と思わせてくれるのがイギリスです。ぜひ魅力たっぷりの国へ出掛けてみてくださいね。