南極へ行く前に知っておきたいポイント!
南極はどんなところ?
南極は南半球の一番南にある、どこの国にも属さない場所です。つまり入国という概念がありません。海外旅行でパスポートを見せて入国というものが無いのです。しかし、日本を出国するにはパスポートが必要なので準備を忘れないで下さい。
南極に向かう観測船しらせ
南極と聞くと映画の舞台になった南極観測船しらせが向かう、昭和基地がある南極大陸をイメージしませんか。過酷な環境下で作業する観測隊の活躍はとても有名です。南極には日本以外にも外国の基地が多数点在しています。
ペンギン、オットセイ、クジラ、シャチなど野生動物が棲息している海や氷一面の世界は、想像をはるかに超える大自然を身近に感じられる素晴らしい場所です。
南極へ行くために必要な準備
観光や基地関係に関わらず、南極を訪れる人は南極の自然保護の観点から、環境省自然環境局に確認申請と届出が必要です。環境省のホームページで必要な手続きの検索や届出書のダウンロードをすることができます。環境省自然環境局で発行している南極パンフレットでも入手できますので覚えておきましょう。
北米経由の方は忘れずに
旅行会社のパッケージツアーで南極に行かれる方は、旅行会社が環境省への申請を代行することがあります。ツアーを申し込む時に誰が申請をするのか、確認しておくと安心です。北米を経由して南極に行く方は、環境省の申請とは別に米国渡航ビザESTA(エスタ)が必要になりますので、忘れずに申請しましょう。
海外旅行傷害保険に加入する
長距離による飛行機や船での移動と気候変化もあり、保険内容がしっかりカバーされている海外旅行傷害保険の加入をおすすめします。
最近はクレジットカードに付帯されていることがありますが、観光客が訪れることができるとはいえ、行くところは南極です。人間の力が及ばないことがある地域だという認識を持ちましょう。
南極の気候は?
日本と大きく違うことは、南極は南半球にあるということです。北半球にある日本とは季節が逆になります。日本が秋から冬をむかえる10月~2月の季節は、南極だと春から夏をむかえる季節。南極と同じ南半球にあるオーストラリアでは、サンタクロースがサーフィンをしているクリスマスカードがあります。
南極に合った服装
目指す場所は南極です。同じ南半球でもオーストラリアのようにはいきません。夏でも防寒着が必要ですし、日差しが強いので紫外線予防のサングラスや日焼け止めクリームも必要です。きちんと準備して紫外線対策を万全にしましょう。
日本から南極までの行き方は?
南極まで飛行機でかかる時間と行き方
日本から南極まで行く飛行機の直行便はありません。南極に飛行機で上陸するには、まず南米チリを目指します。日本から飛行機でチリへ行くには、欧州や中東経由。飛行時間が20時間以上になり、往復航空券費用は30万円ほどかかります。
時間の短縮を重視するのであれば、北米経由がおすすめです。北米経由は15時間~20時間ですが、航空費用が35万円程と少し割高になります。
南半球経由で行くには
南半球のオーストラリアやニュージーランドを経由する方法があります。日本から南下していくルートの飛行時間は20時間程度。航空費用は23万円ほどです。時間や費用ともに南米や北米経由よりもおさえられますが、欧州中東や北米経由に比べると航空路線が少ないでしょう。
いよいよチリから南極へ
チリ、サンティアゴ空港から国内線で約3時間30分かけて、チリ南端プンタアレナス空港まで行きます。毎日定期便として数本飛んでいるので国内移動は比較的便利でしょう。航空券も3,500円から購入できます。
プンタアレナス空港からANTARCTICAIRWAISに搭乗し、2時間。機内食もサービスされる快適な空の旅を満喫したら、南極キングジョージ島に上陸です。
南極弾丸ツアー裏技
どうしても日程の調整がつかないけど南極大陸を観たいという方には、オーストラリアのシドニーまたはメルボルンからカンタス航空が南極大陸に向かう遊覧飛行を行っています。
南極に上陸はしないのですが、上空から雄大な南極を見下ろすことができます。飛行時間はシドニーから4時間。費用は20万ほどになります。
南極弾丸ツアー注意点
遊覧飛行では、注意することが一つあります。それは、窓際の座席を選ぶこと。中央側や翼の席では景色が見えないからです。南極に上陸しないため、見逃さないようにしましょう。
日本の旅行会社でオプショナルツアーになりますがメルボルン発着で、所要時間12時間、夕食朝食つきで9万円というツアー企画があります。お手軽な南極観光もおすすめです。
南極への行き方は飛行機以外にもある
南極へ行く方法は、飛行機以外にクルーズ船があります。南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから、国内線で南端の街ウシュアイアまで行くルート。飛行時間は3時間30分、航空代金は3万円です。
ウシュアイア出発のツアーは豪華クルーズ船など多種出ているので、自分に合ったクルーズ船ツアーを見つけましょう。料金は10泊11日で80万円、16泊17日で190万円ほどです。
個人旅行で南極に行くためにかかる費用は?
個人旅行の費用とおすすめな行き方
個人旅行で南極に行く場合は自分の行きたいルートで航空券と宿泊先が手配できます。南極上陸後の現地ツアーも自由に選択できるので、パッケージツアーと違い自分流の旅行ができる点が魅力です。
日本から南米までの直行便が無いのでトランジットをうまく活用して、南極までの経由国観光の時間をとれば、さらに充実した個人旅行になるでしょう。
個人で南極には上陸できない
南極に上陸するにはいくつかの制限があります。1日に上陸できる人数や上陸時間が限られるため、南極に飛行機や船で上陸するためには、一般的な個人海外旅行でも必ず現地南極ツアーに申し込みをする必要があります。
旅行会社で個人旅行の相談デスクを開設しているところもありますので、自身が望む内容にあった現地南極ツアーのアドバイスを受けるのも良いですね。
日本語スタッフ同行船があります
英語が苦手という方は、クルーズ船がおすすめ。日本語スタッフが同行してくれる便があります。日本から南米アルゼンチンまでの飛行機を個人で手配した後、アルゼンチンのブエノスアイレスから日本語スタッフ同行クルーズに参加した場合、日程は11日間程度。シングルルームを利用するとだいたい150万円です。
クルーズ船の設備
クルーズ船には、レストラン、ラウンジ、ジムやサウナ、シアターなど充実した施設が整っています。退屈することはないでしょう。船内にはクリニックもあるので、急な体調変化がおこっても安心。個人旅行で参加しても困ることは少ないでしょう。
パッケージツアーで南極に行くためにかかる費用は?
パッケージツアーの費用とおすすめな行き方
南米に向かう長い飛行移動が心配な方は、日本発着のパッケージツアーをおすすめします。日程は16日間でツアー代金は160万円ほど。日本を出発するところから添乗員が同行しますので、飛行機の乗継や不測の事態に遭遇した時でも安心です。
日本を離れて飛行機で移動した数日後、南極に向け船で出港するのですが、出港から3日程で南極に到着します。
パッケージツアーは心強い
日本に帰国するまでサポートしてもらえるパッケージツアー。2週間以上の日程になるとツアー参加者同士の楽しい交流の場にもなり、お互いが助け合うという協力が生まれ心強いでしょう。
1年中いつでも南極には行けるの?
南極には1年中行けるというわけではありません。南半球が春から夏になる11月から3月がツアーやクルーズ船が企画されるシーズンです。
11月ごろは、氷や雪が果てしなく続く白銀の世界を体験することができ、巨大な氷山の雪解けに出会えることもあります。3月になるとクジラの活動時期になるので、ホエールウオッチングやシャチの姿を見ることができるでしょう。
南極のベストシーズンはいつ
南極に行ける5か月間のベストシーズンは、12月から2月です。雪解けの季節は野生動物の繁殖期。海の生き物の活動する季節でもあります。
ペンギンがひなを育てる時期でもあるので、一生懸命に子育てする親ペンギンや生まれたての可愛らしいペンギンの赤ちゃんを見られるチャンスがありますし、海中ではトドやアザラシの泳ぐ姿が見られ、運が良ければクジラに出会えることもあります。
南極大陸に上陸するには?
ゾディアックボートに乗りかえ、ペンギンの営巣地ネコハーバーやクーバ―ビル島に上陸します。クルーズ船によっては、上陸せずに航路のみ廻るコースがあるので、航程を確認して申し込みすることをおすすめします。
残念ながら、東オングル島にある日本の昭和基地へ行くことはできません。
旧英国基地に行ける
ポートロックロイは英国基地として使われていた建物で、今は郵便局になっています。日本の基地ではありませんし、基地の時とはイメージも変わっていますが、元基地の建物内に入ることができるのでおすすめ。旅の感想を書いてみるのも楽しいでしょう。
南極上陸記念みやげ
南極にある郵便局で、リアルタイムな感動や思いを書きとめたものを自分や家族に投函すれば、南極旅行の思い出が詰まった郵便が手元に届きます。数か月先になりますが貴重な南極の消印がつきますし、再び南極の壮大な感動がよみがえる、この世に二つとない記念のお土産でしょう。
南極にホテルがあるの?
南極にはホテルがあります。ホワイトデザート社が所有しているフィッチャウェイ・キャンプには、暖房がきいたラウンジやベッドルーム、ダイニングルームがあり、シャワーも使えます。
10日で700万円以上と料金は高額ですが、豪華な南極旅行になります。大自然の中で快適な滞在環境を求める方は、一度宿泊して体験する価値があるでしょう。
皆既日食ツアー情報
2021年12月4日南極で皆既日食が見られます。皆既日食ツアーの売り出しを早くも始めているクルーズ船会社があり、日程は19泊20日で180万円~260万円、23日間のツアーだと200万円~300万円ほど。
この機会を逃すと、次の南極での皆既日食は2039年です。まだ日本の大手旅行会社パッケージツアーは販売されていませんが、早めの南極旅行準備をおすすめします。
これで日本から南極への行き方は完璧!
南極とは、はるか遠い極寒の地で、人が踏みこむことを拒絶するような、自然の厳しさを感じる場所。それはひと昔前のことです。今では自然環境を壊さず、観光客を受け入れてくれる場所として開かれています。自分に合った日本から南極への行き方を選び、旅を楽しみましょう。