台湾で電車の旅をお得に楽しもう
台湾旅行に出かける人の数が年々増えていっている昨今、従来の観光地では飽き足らずに、台湾各地のローカルな観光名所まで足を延ばす人も少なくありません。そんな時にぜひ利用したいのが、台湾各地を線路で結ぶ台湾の電車です。
台湾の電車は、在来線を指す台鐵と、台湾版の新幹線である高鐵の2種類です。このうち、台鐵は台湾を一周する路線の他に、平渓線や集集線などの支線があります。高鐵は俗に台湾新幹線の名称で親しまれ、主要都市の台北から高雄までを高速で移動できるため旅行者に人気です。
きっぷやお得なフリーパスの買い方をマスターして、台湾の旅をより満喫できる電車を利用してみましょう。
台湾の電車の種類と乗り方
台湾各地を旅するのに便利な電車網。まずは2種類の電車について主要駅や乗り方、改札の利用方法、注意点やお得なきっぷやフリーパスについてご紹介します。特にクレジットカード利用での買い方については、詳しく説明するので台湾での日帰り旅の計画にお役立てください。
台湾高速鉄道①:路線と駅
台湾高速鐵道には南港・台北・板橋・桃園・新竹・苗栗・台中・彰化・雲林・嘉義・台南・左営の12の駅があります。このうち高鐵の台北駅は、在来線の台鐵の台北駅に隣接していますが、他の駅は在来線の駅とは離れたところにある場合がほとんどなので、乗り継ぎには注意が必要です。
台湾高速鉄道②:車両の種類
台湾高鐵には商務車両・普通車両・自由席車両の三種類があります。このうち商務車両は日本のグリーン車、普通車両は指定席と同じと考えて差し支えありません。高鐵は全部で12両で運行されており、1両がビジネス車両、残りの11両が普通車両・自由席車両・バリアフリー車両という編成になっています。
台湾高速鉄道③:きっぷの買い方
高鐵のきっぷの買い方には主にオンライン予約での購入、コンビニエンスストアでの購入、駅の改札外にある自動券売機での購入の3種類があります。このうちクレジットカード決済を利用できるのは、オンライン予約・コンビニエンスストア・自動券売機です。
高鐵のアプリを利用すれば、予約から支払い、発券までスマホで完了します。これ以外には、お得なフリーパスの周遊券なども人気です。
台湾高速鉄道④:改札の使い方
高鐵の自動改札機は緑の丸が点灯、またはタッチセンサー部分が青く光っている時は、改札を通行可能です。赤色のバツマークが点灯、またはタッチセンサー部分が赤く光っている時は、改札を通行できません。
磁気乗車券は改札機にきっぷを挿入、スマホ乗車券やコンビニ乗車券はQRコード部分をタッチしてください。悠遊カードやiPASSはICカード用改札を利用する必要があります。
台湾高速鉄道⑤:注意点
高鐵は総重量が40キログラム以内、三辺の長さが220センチ以内のものしか持ち込めません。車内マナーとして全席禁煙、強い匂いのする飲食も禁止されています。基本的には車内販売されている飲み物や、食べ物を利用する人がほとんどです。通話はデッキでするように定められています。
台湾高速鉄道⑥:割引きっぷ
台湾高鐵片道割引きっぷは、定価の20%オフで乗車できるお得なきっぷです。この片道割引きっぷや周遊券は乗車する際に、改札で駅員にきっぷとパスポートの提示が必要と定められているので、乗車時にスムーズに取り出せるようにしておきましょう。
台湾高速鉄道⑦:周遊券
高鐵には台湾高鐵周遊券というお得なきっぷがあります。高鐵に3日間乗り放題のフリーパスである「台湾高鐵3日パス」や、台鐵5日間乗り放題と、そのうち任意の2日間の高鐵乗り放題がセットされた「台湾高鐵と台鐵5日JointPass」などが人気です。
Jointpassは台鐵莒光号以下フリーパスの標準版と、台鐵自強号以下フリーパスの特級版の2種類があります。
台湾の電車 : 台湾鉄道
台湾の電車の内で、旅行者が最も利用するのは在来ローカル線である台鐵です。その台鐵には日本の特急や急行、普通電車などにあたる列車の種類があります。きっぷを予約する際や、駅で自分の乗るべき電車を見つける際に役立つ電車の種類別見分け方を覚えましょう。
自強号(特急)
日本の電車での種類に当てはめると、特急列車に該当するのが、台鐵の自強号です。平渓線や集集線といった支線を除く、ほぼ全ての台鐵の路線で運行されています。自強号を利用すると、台北駅から南部の人気観光地高雄駅までは約5時間かかります。
莒光号(急行)
日本の電車での種類に当てはめると、急行に該当するのが、台鐵の莒光号です。停車駅が多く、台北と高雄間では台湾海峡を望む、海線と呼ばれる区間を走っています。途中の追分駅はレトロな木造駅舎で、観光客にも人気のスポットです。
この莒光号を利用すると、台北駅から南部の人気観光地高雄駅までは約6時間30分ほどかかります。
区間車(普通)・普悠瑪号(特急)
区間車は特に通勤客の多い路線区間で運行されている電車です。車内設備としては長椅子がほとんどで、観光には適していません。もう一方の普悠瑪号は、2012年に台鐵に導入された新型の特急電車で新自強号とも呼ばれています。台北駅と高雄駅間を約3時間40分で結んでおり、料金は自強号と同一です。
太魯閣号(特急)
太魯閣号は、普悠瑪号と同じく新自強号とされる台鐵の特急電車です。彰花や台北周辺から台東を結ぶ路線で運行しています。絶景で知られる太魯閣渓谷や、日本統治時代の建物が残されたレトロな街並みも人気の花蓮へは、太魯閣号の利用が便利です。台北駅と花蓮駅間は、約2時間10分ほどかかります。
台湾の電車のきっぷの買い方:ネットで購入
台湾での電車の旅を楽しむのに欠かせない、台鐵のきっぷの買い方をマスターしましょう。1度要領がつかめれば、後は簡単な手続きできっぷを購入できるようになります。現金・交通ICカード・クレジットカードなどの支払い方もあわせてチェックしてみてください。
台湾のきっぷの買い方① : 電車の時刻と番号を調べる
春休み・ゴールデンウィーク・お正月休みといった繁忙期には、台湾国内外を問わず観光で電車を利用する人数が増えるので、人気の電車はきちんと予約するのがおすすめです。台鐵には日本語の予約サイトもあるので、まずはそちらで利用したい出発駅と到着駅を入力します。
その後、特急や急行といった種別をチェックして、旅程に合う電車番号を調べましょう。
台湾のきっぷの買い方② : 予約する
利用したい電車が決まったら、同じ台鉄の公式サイトでオンライン予約しましょう。予約ページには、パスポート番号の入力が求められるので、手元に用意しておくのがおすすめです。
列車内の座席位置の希望もできますが、特にないという場合は「指定しない」を選んでおくのが良いでしょう。この段階で空席があれば、予約番号が発行されます。
台湾のきっぷの買い方③ : カードでオンライン決済する
予約できたきっぷの支払いは駅窓口で行う、あるいはクレジットカードでオンライン決済をする必要があります。ここで注意したいのは、予約日を含む2日以内に支払いをすませなくてはいけないということです。
特に実際の乗車日が予約から2日以内の場合は、乗車する前日(24時間前)までに支払いを完了する必要がある点に注意しなくてはいけません。
クレジットカード決済の注意点①:キャンセルする場合
クレジットカードでオンライン決済する場合には、他にもいくつか注意すべき点があります。まずオンラインクレジットカード決済をキャンセルする場合は、遅くても乗車予定の列車の発車時刻30分前までに、公式サイトでキャンセルしなくてはいけません。キャンセルした場合、乗車日までの日数に応じた手数料がかかります。
クレジットカード決済の注意点②:全額請求されるケース
オンラインクレジットカード決済利用後に、駅の窓口・オンライン対応郵便局・コンビニエンスストアできっぷを期限内までに受け取らなかった場合や、支払い期限内にオンラインクレジットカード決済をキャンセルしなかった場合には、乗車料金の全額が請求される点にも注意が必要です。
台湾のきっぷの買い方④ : 駅もしくはコンビニで受け取る
きっぷをオンライン決済した場合、遅くとも乗車時刻の30分前までに駅の窓口で受け取るか、コンビニエンスストア・オンライン受付対応の郵便局で受け取る必要があります。コンビニや郵便局で受け取る場合は、発券手数料が別途必要です。
自動券売機の設置してある駅窓口では、クレジットカードもしくは現金での支払いと発券の両方を1度にすませられます。
台湾の電車のきっぷの買い方:駅で購入
事前のオンライン予約をせずに、乗車当日に駅の自動販売機もしくは窓口で切符を直接購入することも、もちろん可能です。ただし、春節を始めとする台湾の祝祭日は窓口や駅、電車すべてが込み合いますので、時間や日程に余裕をもって行動しましょう。
主要駅窓口は長い行列になっていることも多いので、利用したい電車がある程度絞り込めている場合は、自動券売機の利用がおすすめです。現金・クレジットカードで支払いできます。悠遊カードやiPassカードといった交通ICカードでの乗車も可能ですが、一部利用できない区間や電車もあるのでご注意ください。
台湾の電車のお得なきっぷ:乗り放題フリーパス
台鐵での長期の旅行を計画しているなら、乗り放題でお得なフリーパスきっぷ「TR PASS」がおすすめです。3日券と5日券とがあり、有効期間ならフリーパスで乗車できます。ただし、自強号などの特急は空席がある場合のみ利用可能です。台湾島一周で人気の「環島之星」には、乗車できません。
台湾・台鐵の乗り方と注意点
台湾の在来線である台鐵の乗り方は、日本のJRと、ほとんど違いはありません。ホームや電光掲示板などは当然台湾国語での表示になりますが、いくつかの点だけ注意すれば、安全で気軽な台湾の電車の旅を楽しめます。
台鐵での電車の乗り方①:改札の利用方法
台鐵の電車の乗り方として、押さえておきたいのはホームの表示です。自動改札を抜けるとホームに出ますが、台湾では日本のように何番線という表示方法ではなく、1つのホームのA側・B側という風に表示します。
同じホームに入って来る電車でも、自分の乗りたい電車の到着側で待つようにしないと、乗り間違える心配があるので注意してください。
台鐵での電車の乗り方②:掲示板の見方
電車の乗り方としてマスターしておきたいことの1つが、電光掲示板の見方です。上記の写真で説明します。「車次」は電車番号、「開往」は行き先です。次に「月台」はホーム番号を意味します。「晩4分」とは4分の遅れがあるという意味です。その他では「準點」は、列車が時刻通りに運行されていることを表しています。
台湾全土を旅するのに便利な電車を賢く利用しよう
台北や高雄といった都市部だけでなく、地方都市にも魅力あふれるスポットが多い台湾。そんな台湾での日帰り旅行や、台湾全土を巡る旅には電車の利用が欠かせません。手軽に利用できて快適な台湾の電車を賢く利用して、ぜひ台湾の更なる魅力を満喫するための旅行へと出かけてみてくださいね。