世界三大美術館ってどこ？実は厳密な定義はなくて諸説ある？

厳密な定義がないなかで、来場者数は最も評価しやすい指標です。展示品の人気だけでなく都市部に位置しアクセスしやすいことは、来場者数に直接反映されますが、受け入れる体制が整った施設であることも重要です。

安全管理が行き届き、混雑緩和の工夫がされている、多言語対応がなされているなどのソフト面の充実が評価につながり、世界から多くの来場者を呼び込むのでしょう。

ルーブル美術館は圧倒的な来場者数：960万人（2019年）です。2018年には過去最高の1020万人を記録しており、堂々の世界1位です。2012年の来場者数970万人中69％が外国からの来場だったことにより、表記言語の追加など、さらなる受け入れ態勢を強化しています。

見どころは、だれもが知るレオナルド・ダ・ヴィンチ作の名画「モナ・リザ」です。

中国国家博物館の来場者数は739万人（2019年）で、世界2位の美術館です。外国人にとっては、近くの故宮博物院（紫禁城）のほうが有名ですが、首都北京の観光名所である天安門広場の目の前に位置しており、非常に訪れやすい美術館です。

長い中国の歴史ならではの芸術と遺物の展示が見どころで、中国各地より多くの見学者が訪れています。

バチカン美術館は、世界最小国として知られるバチカン市国にあり、来場者数は688万人（2019年）で世界3位です。500年以上の歴史をもち、カトリック教会の総本山としてキリスト教美術を展示するほか、古代ギリシャやエジプトの美術品も展示しています。

見どころは、ミケランジェロが手がけた「最後の審判」および「アダムの創造」のあるシスティーナ礼拝堂です。

広さは来場者数に次いで明確に定義される基準でしょう。広さが展示品の数や価値に比例するわけではありませんが、奥行きを感じることも美術館の醍醐味のひとつです。

数日を費やしても見尽くしたい、広さによる世界三大美術館について、1周400メートルの陸上トラック内のサッカー場を約8000平方メートル（縦80メートル、横100メートル）とし、何個分かで解説します。

来場者数も世界第1位のルーブル美術館は、7万2000平方メートルという広さ（サッカー場9個分）を誇ります。パリ中心部にもかかわらず広大な敷地にあり、中央のガラスのピラミッドを取り囲むように建つ美術館は有名です。

もともと要塞として建設されたルーブル城がのちに宮殿となり、フランス革命によって王室私有の美術品が国有化され、美術館として公開されたのが始まりです。

ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館は、6万6800平方メートル（サッカー場8.4個分）で第2位です。ルーブル美術館と同様、もとは王室のコレクションでしたがロシア革命後に国有化されました。

王宮の一部（離宮）での展示に始まり、作品の増加にともなって増築を重ねてきました。のちに劇場と宮殿そのものも統合され、5つの建物が美術館として公開されています。

中国国家博物館は、6万5000平方メートル（サッカー場8.1個分）で僅差の第3位です。目の前に広がる天安門広場の圧倒的な広さ（44万平方メートル）に見あう非常に大きな展示スペースを持っていることで知られています。

古くから中国より日本へ渡来したことで知られる青銅器や陶器、絵画や仏像、貨幣など、幅広い収蔵品が特徴です。中国の長い歴史を網羅する多くの美術品を見ることがでしょう。